第3次調布市子ども読書活動推進計画

(最終更新日2019年8月1日)

目次

第1章 子どもの読書活動推進の理念と計画の概要

  • 1 子どもの読書活動推進の理念
  • 2 計画策定の背景
  • 3 「第2次調布市子ども読書活動推進計画」策定後の取組・成果・課題
  • 4 計画策定の目的
  • 5 各計画等との関係
  • 6 計画の期間
  • 7 計画の対象

第2章 子どもの読書活動の現状

  • 1 第64回学校読書調査(全国学校図書館協議会・毎日新聞社)
  • 2 平成29年度 児童・生徒の読書状況調査(東京都教育委員会)
  • 3 調布市における学校図書館及び市立図書館の利用状況

第3章 第3次調布市子ども読書活動推進計画の基本的な考え方

  • 目標1 子どもの発達段階に応じた読書環境の整備・充実
  • 目標2 家庭・地域・学校・行政の連携と相互協力
  • 目標3 子どもの読書活動の普及・啓発
  • 目標4 読書で「生きる力」を育む

第4章 家庭と地域での取組

  • 1 家庭での取組の推進
  • 2 地域での取組の推進

第5章 学校・行政の取組・課題・計画

  • 1 市立小学校・中学校
  • 2 市立図書館
  • 3 幼稚園
  • 4 保育施設
  • 5 児童館
  • 6 公民館
  • 7 放課後子供教室事業「ユーフォー」
  • 8 子ども家庭支援センターすこやか
  • 9 保健センター
  • 10 調布市子ども発達センター
  • 11 青少年交流館
  • 12 東京都立調布特別支援学校

第6章 計画の推進体制

  • 1 推進体制
  • 2 財政上の措置
  • 3 「調布市子ども読書活動推進計画」の進行管理

資料編

  • 1 子どもの読書活動推進に関する法律
  • 2 文字・活字文化振興法
  • 3 計画の策定経過
  • 4 事例紹介
  • 5 用語解説

第1章 子どもの読書活動推進の理念と計画の概要

1 子どもの読書活動推進の理念

 平成13年に制定された「子どもの読書活動の推進に関する法律」の第2条では、「子どもの読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものである」と謳われています。

 すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において、自主的に読書活動ができるよう、国や地方公共団体は、積極的にそのための環境整備を推進していく必要があります。

2 計画策定の背景

(1) 国の動き

 国は、平成13年12月12日の「子どもの読書活動の推進に関する法律」の施行に伴い、毎年4月23日を「子ども読書の日」と定めました。この法律においては、子どもの健やかな成長に資する読書活動の推進という目的と基本理念が掲げられ、その実現を図るための国の責務、地方公共団体の責務、事業者の努力、保護者の役割、関係機関等との連携強化などについて規定するとともに、基本計画の策定や必要な財政措置等についても盛り込まれています。これを受けて、平成14年8月「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」を策定し、平成20年3月「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(第二次)」、平成25年5月「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(第三次)」、平成30年4月「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画(第四次)」を策定しました。

(2) 東京都の動き

 東京都は、平成15年3月に「東京都子ども読書活動推進計画」を策定し、平成21年3月「第二次東京都子供読書活動推進計画」、平成27年2月「第三次東京都子供読書活動推進計画」を策定しました。

(3) 調布市の動き

 調布市は、平成18年4月に「調布市子ども読書活動推進計画」を策定し、平成25年3月に「第2次調布市子ども読書活動推進計画」を策定しました。

3 「第2次調布市子ども読書活動推進計画」策定後の取組・成果・課題

 「第2次調布市子ども読書活動推進計画」に基づき、子どもの読書活動の推進を図るための読書環境の整備を進めました。

 健康推進課においては、乳幼児の絵本の出会いの取組として、「ゆりかご調布事業」を開始し、子どもとその保護者に対して、絵本に接する機会を提供しました。今後も、各家庭で継続的に読書に親しむことができるよう、保護者への啓発を推進する必要があります。

 学校や児童館、子ども家庭支援センターすこやか等、地域にある各施設では、保護者やボランティアによる読み聞かせが日常的に行われています。市立図書館では、読み聞かせに関する相談や、読み聞かせに関する講座の開催依頼が増え、「読み聞かせ交流会」の開催につながりました。今後も、子どもへの読み聞かせやビブリオバトル等、市民による自主的な活動を様々な場所で展開できるよう支援し、子どもが家庭や地域で本に親しむ機会と場所を増やしていくことが課題です。

 調布市立小・中学校の学校図書館においては、全校で学校図書館全体計画及び年間指導計画を作成しました。今後は、それらの計画の実施状況の検証が必要です。また、学校図書館専門嘱託員(学校司書)の配置を拡充し、朝の一斉読書の時間やビブリオバトル等の読書活動を実施しました。これらの取組が、児童・生徒の読書への関心を高めることにつながり、一人当たりの平均利用冊数が増加しました。学校図書館が従来の読書センターの役割のみならず、学習・情報センターとして機能するためには、校内協力体制の整備と、学校図書館支援センター機能の充実が求められています。

 市立図書館においては、乳幼児の利用登録者数が増加し、保護者から、おはなし会の実施回数を増やして欲しいという要望が寄せられるようになったため、0・1・2歳児と保護者を対象にしたおはなし会の実施回数を増やしました。おはなし会に参加した保護者が、わらべうたや絵本を介して子どもと心をふれあうひとときを分かち合う楽しさを知り、家庭での読み聞かせにつながりました。また、図書館公式キャラクター「じろ」を利用し、「シールラリー」等の事業を行い、子どもの継続的な図書館利用につながりました。今後は、市立図書館を利用していない潜在的利用者層への働きかけが課題です。図書館資料の選定については、子どもたちが読書の楽しさを知り読書する力を身に付けることを目的に、子どもの発達に応じた資料を選定・収集できるよう、「調布市立図書館児童資料収集等に関する方針」を作成しました。今後はこの方針に基づき、資料を選定・収集します。

4 計画策定の目的

 「調布市子ども読書活動推進計画」は、子どもが成長や興味に応じて本の楽しさを発見し、読書の習慣をつくることができるよう、また、家庭、地域、学校、行政が一体となって子どもの読書活動の推進に取り組めるよう策定するものです。

 「第3次調布市子ども読書活動推進計画」は「第2次調布市子ども読書活動推進計画」策定後の5年間にわたる成果と課題を踏まえて、今後の方向性を明らかにし、調布市が実践していくべき施策の方向性を示すものです。

5 各計画等との関係

 この計画は、「子どもの読書活動の推進に関する法律」第9条第2項に定める「市町村子ども読書活動推進計画」として策定する計画であり、調布市における子どもの読書活動推進に向けた目標を掲げるとともに、その実現を目指すための取組内容を示すものです。また、子どもの読書推進に関わる各部署が年次的な事業計画を作成する等、具体的施策の立案に当たって指針とし、子ども読書活動推進事業の充実を図るためのものとします。

 なお、国が策定した「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」(第四次)及び「第三次東京都子供読書活動推進計画」を参考とし、「調布市基本計画」、「調布市教育プラン」との整合を図りながら子どもの読書活動を推進していきます。

6 計画の期間

 この計画の期間は、「調布市教育プラン」に合わせ平成31年度から平成34年度までの4年間とします。ただし、国の「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」(第四次)及び「第三次東京都子供読書活動推進計画」や子どもの読書をめぐる状況等に変化があった場合、必要に応じ見直すこととします。

7 計画の対象

 この計画の対象は、0歳からおおむね18歳までの子どもとします。

 また、保護者をはじめ、子どもの読書活動に関わるすべての市民や地域、学校、行政、関係機関も対象としています。

第2章 子どもの読書活動の現状

1 第64回学校読書調査(全国学校図書館協議会・毎日新聞社)

 「第64回学校読書調査」(平成30年6月の調査)によると、1箇月の平均読書冊数は、小学生9.8冊、中学生4.3冊、高校生1.3冊となっています。また、1箇月間に本を1冊も読まなかった、いわゆる不読率は、小学生8.1%、中学生15.3%、高校生55.8%となっており、例年、学年が上がるに従い、読書冊数が減り、不読者(0冊回答者)が増える傾向が見られます。

 「第64回学校読書調査報告」(『学校図書館』2018年11月号)には、「幼少期の読み聞かせ体験は読書好きな子どもを育てる」、「何度も読みたくなる本との出会いは、読書継続の鍵」と報告されています。

 このことから、調布市においても、地域や家庭で幼少期の子どもに読み聞かせが行われるような働きかけや、「何度も読みたくなる本」と出会えるような環境を整備することが必要です。また、不読者の増える高校生には、同世代同士で本を紹介し合う機会をつくる等、読書の関心度合いが上がるような取組を行い、子どもの自主的な読書活動を推進する必要があります。

2 平成29年度 児童・生徒の読書状況調査(東京都教育委員会)

 平成29年度「児童・生徒の読書活動状況等に関する調査」によると、「1箇月間に読み終わった本が1冊以上ある」と答えた児童・生徒は、「全く読んでいない」と答えた児童・生徒に比べ、

  • 「身近な人(家族・先生・友達)に本を読んでもらったことがある」
  • 「身近な人に本を読んであげることがある」
  • 「身近な人と一緒に図書館や書店に行くことがある」
  • 「身近な人と本の話をすることがある」
  • 「家の中に本がある」
  • 「学級文庫を利用している」

と回答する割合が高くなっています。

 また、「全く読んでいない」と回答した児童・生徒は、これらの設問に対し、「どれもあてはまらない」と回答する割合が高くなっています。

 このことから、調布市においても、児童・生徒が身近な人と本の話をしたり、一緒に図書館や書店に行く等の体験ができる環境を、家庭、地域、学校を含む社会全体で作っていくことが必要です。

3 調布市における学校図書館及び市立図書館の利用状況

 調布市立小・中学校の学校図書館においては、児童・生徒の利用が順調に伸びています。『平成29年度版 調布市立学校図書館状況報告書』によると、平成29年度の小・中学校図書館の年間貸出冊数は、小学生は一人平均61.9冊、中学生は10.5冊となっており、調査を始めた平成18年度以降、一人平均の貸出冊数は増加しています。

 調布市立図書館の利用実態については、平成30年3月31日現在、調布市の乳幼児15.2%、小学生63.9%、中学生60.6%が市立図書館に利用登録しており、児童資料の貸出冊数は一年間で644、143冊となっています。「第2次調布市子ども読書活動推進計画」策定時(平成23年度)と比較すると、登録者数・登録率について、乳幼児は増加、小・中学生は減少したものの、児童資料の年間貸出冊数は増加しました。

 今後も引き続き、子どもと本との良い出会いを支援するために、学校図書館及び市立図書館で子どもの読書活動推進につながる多彩なプログラムの展開が必要です。

第3章 第3次調布市子ども読書活動推進計画の基本的な考え方

目標1 子どもの発達段階に応じた読書環境の整備・充実

 調布市の子どもが、身近な場所で本に触れたり、読書に親しむことができるように、子どもの読書環境を引き続き整備・充実していきます。乳幼児期の子どもには「読み聞かせ体験」や「聞く読書」によって本の楽しさを知る場を設け、小学生には「何度も読みたくなる本との出会い」が増えるような取組を実施し、中学生・高校生世代には、読書の幅を広げ自主的に読書活動に取り組めるような場をつくります。

目標2 家庭・地域・学校・行政の連携と相互協力

 市立図書館、学校、市の関係機関のほか、子どもの育ちを支援する民間団体、読書活動推進団体などが、緊密な連携と相互協力して、地域社会全体の取組として子どもの読書活動を推進し、家庭内で直接子どもに接する保護者へ、子どもの読書活動の意義や読書の楽しさを伝え、家庭での読書活動の取組を支援します。

 また、読書する上で特別な配慮を必要とする子どもに対しては、関係機関との相互協力のもと、一人一人の状況に応じた支援を行います。

目標3 子どもの読書活動の普及・啓発

 保護者や地域社会の方々に、子どもの読書の大切さについて理解と関心を深めてもらうため、子どもの本や読書、読み聞かせについての啓発事業を実施したり、配布物やホームページ、SNS(ソーシャルネットワーキングシステム)を活用した広報活動を行います。

 また、子どもが本と出会える機会を増やすため、身近な場所でおはなし会等の行事を実施します。

目標4 読書で「生きる力」を育む

 読書の喜びを与えてくれる「かけがえのない一冊」と出会うことは、心身の健やかな成長の上で大きな意味を持ちます。また、読書によって「楽しみを広げる」「知識を得る」「調べる」などの目的を果たしたり、本から得た情報や事柄を自分の中で消化し、考えを深めたりすることは、自らの生きる力や考える力を育むことにつながります。

 子どもが様々なジャンルの本に触れて読書の幅を広げ、本を通して多様な生き方や未知の世界に目を向けられるよう、個に応じたきめ細やかな支援をし、子どもの「生きる力」「考える力」を育みます。

第4章 家庭と地域での取組

1 家庭での取組の推進

 「子どもの読書活動の推進に関する法律」第6条に「保護者の役割」が規定されています。子どもが読書習慣を身につけ、継続的に読書に親しんでいくためには、家庭で次のような取組が望まれることから、保護者への周知、啓発に努めます。

  • 保護者と子どものスキンシップの一つとして、読書の時間を分かち合うこと
  • 乳幼児期の子どもに、保護者がわらべうたを歌ったり、絵本の読み聞かせをして、言葉や読書への興味を持たせること
  • 保護者が率先して読書に親しむことにより、子どもの読書への関心を引き出し、家庭内での読書環境を整えること
  • 子どもと一緒に地域の図書館や書店を利用し、本のある空間に親しみを持たせること
  • 子どもが学校図書館や地域の図書館から借りてきた本を、時には保護者も読み、共有する機会を持つこと
  • 市立図書館や児童館、その他の関係機関で行っているおはなし会などへ、積極的に参加すること
  • 育児サークルや読書活動団体が実施している読み聞かせなどの活動に参加すること
  • 学校や市立図書館などで配布する子どもの本の推薦リストなどを活用し、成長に応じて読書体験を重ねること

2 地域での取組の推進

 調布市のすべての子どもが様々な機会や場所で本と親しむことができるよう、子どもにとって身近な地域社会全体で次のような取組を進めていきます。

  • 博物館や学習施設、体育施設等において、子どもが体験したことを本で確認し、知的好奇心を育むことができるよう、各施設に子どもの本を置く等、子どもが本に親しめるような環境づくりに取組みます。
  • 子どもへの読み聞かせやビブリオバトル等、市民による自主的な活動を、小学校や児童館、子育て支援施設等、様々な場所で展開できるよう支援します。
  • 読み聞かせや児童文学研究などの学習サークル活動、公民館や児童館でのおはなし会など、子どもの読書推進に関する活動を支援し、情報を発信していきます。
  • 経済的な理由や家庭環境によって読書活動の機会が左右されないよう、地域と行政が協働して子どもの読書活動推進に取組めるよう努めます。
  • 読み聞かせボランティア、学校図書館ボランティア等が活動しやすい環境を整備します。

第5章 学校・行政の取組・課題・計画

 学校は、多くの子どもが読書に関する環境を等しく享受できる場です。豊かな心と確かな学力の育成のため、子どもの年齢や発達に合った読書環境を整備することが求められます。

 行政は、庁内関係各部署が連携し、また、関係機関・団体の取組や家庭、地域での取組を支援し、子どもの読書活動に関する取組と環境を整備します。

1 市立小学校・中学校

(1) 読書活動推進計画の作成と実施

 市立小・中学校では、学習指導要領及び教育課程に基づき読書指導を位置付け、学校経営方針に従って、図書主任または司書教諭を中心に全教職員による読書活動を充実させています。

 

 【取組と成果】
  • 全校で学校図書館全体計画及び年間指導計画を作成しました。
 【課題】
  • 学校図書館全体計画及び年間指導計画の実施状況の検証が必要です。
 【計画】
  • 学校図書館全体計画及び年間指導計画の実施状況の確認と振り返りを進めていきます。
  • 学校生活の中で児童・生徒が調べ学習を効果的に進め、読書に親しむことができる環境を整えていきます。

(2) 学校図書館の運営と環境整備

 学校図書館は、教育課程の展開に寄与するとともに、児童・生徒の興味や関心にこたえて基本的な教養を身に付けることができる場です。

 

 【取組と成果】
  • 従来の書架や閲覧スペース、推薦図書や紹介ポスターの展示コーナー、読み聞かせなどができるおはなしコーナー等に加え、調布市にゆかりのある武者小路実篤・水木しげるのコーナーを設けている学校もあります。
  • 安らぎのある魅力ある空間づくりを工夫しています。
  • 児童・生徒や保護者の読書への関心を高める広報活動として、学校図書館だより・読書新聞等の広報紙面の充実を図っています。
 【課題】
  • 児童・生徒の発達段階に応じた適切な図書を選択し、蔵書数を十分に確保する必要があります。
  • 学校図書館が従来の読書センターの役割のみならず、学習・情報センターとして機能するためには、今まで以上に校内協力体制の整備が必要です。
 【計画】
  • 学校長の指示の下、図書主任または司書教諭を中心に、学校図書館担当教員(図書主任など)・学校図書館専門嘱託員(以下「学校司書」)・その他の学年主任、教科主任等の教職員の協議の場である学校図書館運営委員会を設置・運用し、連携体制を推進します。
  • 児童・生徒の図書委員会を可能な限り複数の担当教職員が指導し、活発に活動できるようにします。
  • 保護者や地域住民による学校支援ボランティアの協力を得て、読み聞かせなどの読書活動を実施するほか、学校図書館の環境整備を推進します。
  • 読書環境の整備に向けて関係部署との協議・調整を積極的に図ります。
  • 学校のホームページに学校図書館を紹介するなど、広報活動をより一層充実させていきます。

(3) 学校図書館専門嘱託員(学校司書)の配置と研修の充実

 平成14年度以降、調布市内のすべての市立小・中学校に、学校司書(司書又は司書教諭有資格者)が配置され、司書のいる学校図書館が実現しました。学校司書は、学校図書館運営の司書的業務全般において大きな役割を果たしています。

 

 【取組と成果】
  • 児童・生徒への貸出数は増加傾向にあり、教諭からの調べ学習資料提供の依頼など、授業へのサポート要請も増えてきました。
  • 学校司書が配置された当初は1日5時間、週3日勤務でしたが、1日6時間、週5日勤務以上の配置を進め、常時開館・常時対応できる体制づくりを推進しています。
 【課題】
  • 小学校の大規模校では、授業の打ち合わせ時間が確保できないこともあり、学校司書の勤務時間について検討が必要です。
  • 中学校においても常時開館・常時対応の体制整備が必要です。
  • 学校司書が図書館運営を円滑に進めるためには研修が必要です。
 【計画】
  • 学校司書が選書能力を高め、教職員と情報を共有し、授業をサポートできる力をつけられるよう、調布市立小学校教育研究会との連携や、図書主任または司書教諭との合同の研修を行います。

(4) 学校図書館支援センター機能の充実

 教育会館内に学校図書館支援センター機能を設け、学校司書の相談窓口や橋渡しを行い、学校図書館の運営がスムーズにいくように支援しています。

 

 【取組と成果】
  • 学校司書の事務連絡会や研修会、学校司書と図書主任または司書教諭が参加する学校図書館運営連絡協議会を開催し、図書館活用の推進を図りました。
 【課題】
  • 学校図書館マニュアルの作成、学校図書館全体計画及び年間指導計画、図書リストの作成、選書、蔵書計画、読書指導や指導案作成への助言や、学校司書と教諭の連携した授業を指導できる司書教諭等を学校図書館支援の担当者として配置することが必要です。
 【計画】
  • 学校図書館で育った子どもが市立図書館の利用者へと繋がっていくために、引き続き学校図書館と市立図書館及び各機関との連携等を進め、学校図書館支援センター機能の充実を図ります。

(5) 読書の時間の確保と計画的な読書活動の推進

 調布市では、すでに多くの小・中学校で、朝の一斉読書の時間や図書の時間など、学校生活の中で児童・生徒が本を読むための時間が確保されています。

 

 【取組と成果】
  • 朝読書、ビブリオバトル、読書記録等、読書活動を推進しました。
 【課題】
  • 絵本から読み物へ読む力を向上させて、外国文学・科学読み物等につなげることや、全ての学習への興味・関心を広げて、知的好奇心を高め、読書の質を高める取組が必要です。
 【計画】
  • 教員・学校司書や保護者が読書の時間に、読み聞かせ、ブックトーク、ストーリーテリング等を取り入れることで、児童・生徒に本の楽しさを伝え、本への関心を更に高めていきます。
  • 読書週間や読書月間の設定、「子ども読書の日」(4月23日)の行事や集会、休み時間や放課後を利用したおはなし会、読書クイズ、ブックリスト「本のたからばこ」(小学校)、「ほんとのであい」(中学校)の作成など、読書活動活性化のための多彩なプログラムを提供します。

(6) 学習支援機能の充実

 学校図書館が児童・生徒の学習を支えるためには、教育課程に寄与する資料の体系的・計画的な整備と組織化が求められています。

 

 【取組と成果】
  • 小学校の調べ学習については、百科事典・国語辞典・図鑑・年鑑の使い方を、1年生の入門指導から中学年・高学年へと段階を踏んだ指導が行われています。
  • 一部の小学校では、児童が学校図書館で読んだ本の中から、印象に残った料理や食材のアンケートを図書委員会の児童が中心となってまとめ、学校栄養士と相談して、「ブックメニュー」として給食で再現し、その料理等が登場する本を紹介しています。
  • 「調布市防災教育の日」では、「命」の授業において、子どもに「じしんがおきたらどうする」や「ぼうさいのおはなし」等をテーマに絵本や紙芝居を使って読み聞かせを行いました。
  • 中学校では、修学旅行の事前学習、職業、国際理解、オリンピック・パラリンピック等、学習のテーマにあわせて資料を提供しました。
  • 調布市立小学校教育研究会と市立図書館が合同で作成したワークシート「図書館で調べものをするときに…」を改訂しました。
 【課題】
  • 学校図書館でどのような学習支援が必要か、教員と学校司書との連絡を密にする必要があります。
 【計画】
  • 小学校の調べ学習については、「図書館で調べものをするときに…」の活用などにより一層充実させていきます。
  • 「総合的な学習の時間」をはじめ、各教科等の資料の活用、委員会活動、部活動などの教育活動における学校図書館機能の利用等を通して、学習支援機能の整備を更に図ります。
  • 親子ともに災害に対する備えや防災意識を高める本にも関心を持ってもらえるよう、授業内容を充実させ、市民へ情報提供を行います。

(7) 特別な支援を必要とする児童・生徒に配慮した読書活動の充実

 特別な支援を必要とする児童・生徒ひとりひとりの特性に配慮した図書を選定して、教室に備えるとともに、市立図書館から布の絵本等の資料提供を受け、子どもの本への興味を引き出しています。

 

 【取組と成果】
  • 学級単位での市立図書館への訪問やおはなし会への参加、市立図書館の職員による学級訪問を実施しました。
  • 学校司書の読み聞かせや本の紹介等を実施しました。
 【課題】
  • マルチメディアDAISY図書や布の絵本等の活用が求められます。
 【計画】
  • 現在実施している読書活動を更に充実させていきます。

(8) 学校図書館資料の組織化とコンピュータによる管理

 学校図書館においては、図書の受入れ・整理・除籍(廃棄)、貸出しや返却がコンピュータで管理されています。

 

 【取組と成果】
  • 学校図書館及び市立図書館をはじめとする関連機関や団体がネットワークを組むことが必要であるという文部科学省の方針に基づき、調布市では平成13年度に資源共有化のための図書搬送システムを導入しました。
 【課題】
  • 更に使いやすい検索システムの整備と、情報環境の急速な変化にも対応できるデータベースの構築が必要です。
  • 学校間の図書搬送体制を充実させる必要があります。
 【計画】
  • 検索システムの整備とデータベース構築の推進を図ります。
  • 学校図書館の資料の組織化を進め、相互利用できる体制を更に充実させていくために、学校図書館間の搬送が円滑に行われるようにしていきます。

(9) ボランティアとの連携・協力

 多くの小・中学校で、保護者等による子どもの読書推進に関わるボランティア活動が活発に行われています。

 

 【取組と成果】
  • ボランティアによる読み聞かせ・ブックトーク・ストーリーテリング・パネルシアター・人形劇などのおはなし会の実施や書架整理・図書の補修・装備、ポスターや展示物製作などの活動を行いました。
 【課題】
  • ボランティアを対象とした研修を実施する必要があります。
 【計画】
  • 司書教諭や学校司書をコーディネーター役として、学校とボランティアとの協力関係の維持に努めます。
  • 学校と教育委員会指導室、市立図書館等、教育委員会各部署との連携を強化して情報交換に努め、子どもの読書活動に関わる研修会や交流会を開催するなど、今後も計画的・継続的に活動を支援します。

2 市立図書館

 市立図書館は、市民であれば誰でも利用することができる開かれた場所です。子どもが気軽に立ち寄り、読書や調べものや疑問の解決ができるよう、子どもの生活に根ざした魅力的な施設を目指します。子どもと本とのかけがえのない出会いを支援するために、様々な機会をとらえて本を紹介するとともに、読書を楽しむきっかけが得られるような事業を実施していきます。

(1) 選書の重視と蔵書の充実

 子ども時代は、本に対する好みや質の感覚が養われる大切な時期であり、読書の習慣もこの時期につくられるものです。選書に力を注ぎ、できるだけ質の高い本を選ぶとともに、年齢や生活体験や読書体験が異なる子どもに向けて、個人の興味や読書力に合ったあらゆるジャンルの本を揃え、提供していきます。

 

 【取組と成果】
  • 市立図書館の職員が図書館で購入する本を1冊1冊読んで選定することで、本の内容を把握し、利用者からの問い合わせに対応できるようにしています。
  • 1冊1冊読んで選定した本の評価を記録し、蓄積することで、各種推薦図書リストの作成に活かしています。
  • 市立図書館の推薦図書リスト掲載の本を市立図書館に複本で揃え、子どもと本の良い出会いを支援した結果、図書館で薦める本がベストリーダーに反映されています。
  • 平成30年度に「調布市立図書館児童資料の収集等に関する方針」を作成しました。
 【課題】
  • オリンピック・パラリンピック教育推進のための資料収集が必要です。
  • YA(ヤングアダルト)世代に向けた本の収集の検討が必要です。
  • 学校のみならず、児童館、学童保育、放課後等デイサービスに向けた団体貸出図書の整備が必要です。
 【計画】
  • 「調布市立図書館児童資料の収集等に関する方針」に基づき、長年読み継がれている普遍的な価値を持つ図書を常に書架にある状態にしておくため十分な冊数を揃え、質の高い本を的確に選ぶよう努めます。
  • 「調布市立図書館児童資料の収集等に関する方針」に基づき、様々なジャンルの本(哲学、心理学、宗教、歴史、伝記、地理、社会科学、自然科学、医学、工学、家政学、産業、芸術、スポーツ、娯楽、言語、文学)を揃え、提供していきます。
  • 保育・教育現場で必要とされている資料の情報を得て、市立図書館の選書に活かします。
  • オリンピック・パラリンピックの歴史・理念・参加国の文化に関する資料、異文化や障害者に対する理解が深まる資料の収集に留意します。
  • オリンピック・パラリンピック競技大会、ラグビーワールドカップの開催地として、大会の準備段階から開催後までのオリンピック・パラリンピック教育の記録を収集します。
  • 質の高い英語絵本の収集に留意します。
  • YA世代に向けた本の収集に留意します。
  • 児童館・学童保育・放課後等デイサービスで需要の多い本を団体貸出用に揃えます。

(2) 『このほんよんで! 第2版』等の刊行物・リスト類の充実

 市立図書館では、子どもにすすめたい本や長い間読み継がれてきた本を選んで紹介したリストを作成しています。

 有償頒布している『このほんよんで! 第2版』『小学生にすすめる本 第2版』は、ともに全国から購入希望が寄せられています。

 また、配布用のリストとして、対象年齢別の推薦図書リストや各種のテーマ別リストを作成しています。推薦図書リストに掲載した本の解題は、年齢対象別に参照できるようファイルしたものを図書館の子ども室に設置しています。

 

 【取組と成果】
  • 『小学生にすすめる本 第2版』、リスト「赤ちゃんは絵本がだいすき!」「今日のおはなしなーに?」「図書館で調べものをするときに…」「読み聞かせにすすめる本~小学生向き~」を改訂しました。
  • リスト「オリンピック・パラリンピックの本」を発行しました。
 【課題】
  • 『このほんよんで! 第2版』について、新しく出版された乳児絵本などを加える等、内容の改訂が必要です。
  • 紙のリスト配布だけではなく、リストの内容をホームページに掲載してほしいという市民からの要望への対応が必要です。
 【計画】
  • 『このほんよんで! 第3版』発行に向けて、準備作業を継続します。
  • リスト「1年生にすすめる本」「子どものほん」「中学生にすすめる本」「クリスマスのほん」「オリンピック・パラリンピックの本」は、毎年内容を見直して発行します。
  • リスト「今日のおはなしなーに?」「赤ちゃんは絵本がだいすき!」「としょかんのつかいかた」「読み聞かせにすすめる本~小学生向き~」は数年ごとに見直して改訂します。
  • リスト「夏休みにすすめる本」「図書館で調べものをするときに…」は、調布市立小学校教育研究会図書部と一層の連携を図り、全小学校児童を対象とした発行を継続します。
  • 保育士や教師が保育や教育の場で利用できるよう、防災をテーマにした紙芝居のリストを作成します。
  • 市民が読み聞かせの本選びに活用できるよう、行事・季節等テーマ別リストを作成します。
  • 各種推薦図書リストを図書館ホームページでも見られるようにします。

(3) おはなし会の充実

 図書館のおはなし会では、家庭での読み聞かせとは違った体験ができます。集団でおはなしを聞くことで、自分とは違う見方や感じ方、楽しみ方に触れることができ、自然におはなしを楽しむコツが身に付きます。おはなし会は、子どもが知らずにいる優れた本との出会いの場でもあります。

 

 【取組と成果】
  • 0・1・2歳児と保護者を対象にしたおはなし会の実施館を増やし、平成27年度から全館で定期的に実施しています。
  • おはなし会に参加した保護者が読み聞かせの楽しさを知り、職員への相談や、家庭、地域、学校での読み聞かせにつながっています。
  • 保護者におはなし会のプログラムを配布したり、職員が読んだ本を複数冊用意して、家庭でもわらべうたや読み聞かせた本を楽しむきっかけをつくりました。
  • おはなし会を通して職員に親しみを感じる子どもが増加し、子どもとのコミュニケーションのきっかけになっています。
  • おはなし会は保護者が職員に気軽に相談できる場、保護者同士の交流の場にもなっています。
 【課題】
  • 0・1・2歳児と保護者を対象にしたおはなし会の実施回数を増やして欲しいという市民から要望があり、検討が必要です。
  • 幼児から小学生向けおはなし会は、参加者が減少しています。
  • 小学生の参加につながるようなおはなし会の工夫が必要です。
 【計画】
  • 0・1・2歳児と保護者を対象にしたおはなし会の実施回数を増やします。
  • 学童クラブや放課後等デイサービスなど、子どもが集まる場所や施設におはなし会への参加を働きかけます。
  • 平日のおはなし会に参加が難しい親子のために、土日を含む特別おはなし会を計画します。
  • おはなし会は、選書・蔵書構成・読書相談・展示等、すべての図書館児童サービスにつながるものという位置付けで職員が実施していきます。

(4) 子どもを対象にした事業

 小学校4年生から6年生までを対象に、ブックトークを中心とした「小学生読書会」や、中学生による通信「ぶちねこ便」と高校生世代による通信「Prime~高校生の今~」の発行など、子どもと図書館をつなぐ、各種事業を展開しています。

 

 【取組と成果】
  • 「小学生読書会」で紹介した本を図書館内に展示したり、図書館ホームページで紹介することにより、参加者以外への貸出しにつながっています。
  • 「小学生読書会」は、地下書庫見学ツアーを取り入れた公開読書会の実施により、会員が増加しました。
  • 「ぶちねこ便」や「Prime~高校生の今~」は、市立図書館と中学生や高校生世代をつなぐものであり、図書館利用の促進につながっています。
  • 「ぶちねこ便」は、ビブリオバトルや見学会を実施したり、新入生歓迎号を市内公立中学校へ配布したりしたことにより会員が増加しました。
  • 図書館に関心を持ってもらえるよう、小学校高学年から高校生世代を対象に、行政書士による「子ども向け法務ミニセミナー 図書館のひみつ」を実施しました。
  • 図書館公式キャラクター「じろ」を活かした事業、「じろさがし」やシールラリー等を実施したことにより、図書館に親しみを持ってもらえるようになりました。
  • 絵本の主人公やストーリーに関するクイズなどを実施し、子どもや保護者が実際にその本を手に取って読んでみたくなるきっかけづくりをしました。
 【課題】
  • 「小学生読書会」と「ぶちねこ便」の会員を増やすための工夫が必要です。
  • 不特定多数の子どもが気軽に楽しく参加できるような事業の検討が必要です。
  • 中高生世代を引きつける事業の検討が必要です。
 【計画】
  • 「小学生読書会」では、会員同士が交流しながら本の世界を楽しめるよう、アニマシオンを取り入れます。
  • 「ぶちねこ便」や「小学生読書会」のPRとして、見学会やビブリオバトル等を実施します。
  • 「子ども読書の日」(4月23日)や夏休みなどに、不特定多数の子どもを対象とした、図書館見学ツアーや読書啓発に関する事業を実施します。
  • 図書館公式キャラクター「じろ」を活かした事業を継続的に実施します。
  • 分館の特性を活かし、地域の子ども関連施設と連携した事業を実施します。

(5) 子どもの本に関わる大人を対象にした事業

 子どもの本の作家や翻訳家、編集者などによる講演会「子どもの本に親しむ会」、図書館職員による3回連続講座「絵本の読み聞かせ講座」など、各種事業を実施しています。

 

 【取組と成果】
  • 「子どもの本に親しむ会」は、多くの市民の参加があり、子どもの本と子どもの読書への関心を高める機会となっています。
  • 「図書館だより」に毎年「子どもの本に親しむ会」の報告を掲載し、講演会の内容を広く市民に伝えています。
  • 「絵本の読み聞かせ講座」を毎年開催し、小学校・幼稚園・保育園・児童館・公民館・保健センター等で活動を行う読み聞かせボランティアを支援しました。
  • 自主サークル「子どもの本を読む会」や生涯学習団体アカデミー愛とぴあ所属の読書会「もう一度読む、子どもの本」の活動を支援するため、市立図書館の職員が新刊を紹介したり、テーマ選びや作家研究等の相談に応じたりしています。
  • 平成29年度から「読み聞かせ交流会」を開催し、学校や市内の施設で読み聞かせをしている市民に情報交換の場を提供しました。
  • 平成29年度から調布市生涯学習出前講座「読書の楽しさを伝えたい!子どもと読書」の講師派遣依頼が増え、家庭や地域での子どもの読書活動推進の機運が高まりました。
 【課題】
  • 市内にある子どもの読書に関わる団体の実態を把握し、各団体へ支援・情報提供を検討する必要があります。
  • 読み聞かせボランティアとボランティアの活動場所をつなぐための工夫が必要です。
  • 「読み聞かせ交流会」の参加者のニーズの把握と、内容の充実を図る必要があります。
 【計画】
  • 「子どもの本に親しむ会」は、わらべうた・絵本・幼年童話・児童文学・昔話などのテーマで開催し、子どもの読書活動の意義を多くの市民に伝える機会とします。
  • 「読み聞かせ交流会」等を通して読み聞かせボランティアに活動の場の情報を提供します。
  • 市民が子どもの読書に関する情報を得やすいように、図書館内の掲示・配布スペースを工夫します。
  • 児童館の子育てひろば事業や出前講座等、市民や各団体からの講師派遣依頼に積極的に応じます。
  • 著作権に関する情報やおはなし会のプログラム等の案内を作成し、読み聞かせボランティアの活動を支援します。

(6) ブックスタート事業の充実

 赤ちゃんが絵本に親しめる環境をつくるためには、赤ちゃんの身近にいる大人への働きかけが不可欠です。今後も子育て支援関係機関との連携を深めて、赤ちゃんのいる家庭で継続した読み聞かせが行われるよう、啓発に努めていきます。

 

 【取組と成果】
  • ブックスタートパックを改訂し、1歳6か月児健康診査で配付しています。
  • 「赤ちゃんは絵本がだいすき!」を改訂し、3・4か月児健康診査や市立図書館で配布しています。
  • 保健センターに図書館から団体貸出した乳幼児向き絵本を置いて、訪れた親子が絵本に親しめるようにしています。
  • 児童館で行っている子育てひろば事業「赤ちゃんひろば」でおはなし会を実施し、図書館以外の場所でもわらべうたや絵本に親しむ機会を提供しました。
  • 子ども家庭支援センターで行っている乳児交流事業「コロコロパンダ」や子育て講座事業「エンゼル大学」に出向いて講話を行い、育児に絵本を取り入れることで親子の愛情が深まり、楽しい時間を共有できることを伝えています。
 【課題】
  • 子育て支援関係機関との連携を強化する必要があります。
  • 図書館を利用していない家庭への啓発が必要です。
 【計画】
  • すべての家庭で絵本を介して心ふれあうひとときを分かち合えるように、絵本または絵本に触れる経験につながるような新たな施策を検討します。
  • 市立図書館の職員が赤ちゃんと保護者が集まる場所へ出向き、図書館の乳児向きおはなし会を紹介するなどして、生活圏にある図書館を気軽に利用してもらえるようPRします。

(7) 保育園・幼稚園との連携の充実

 市立図書館では、保育園等の園児がクラスごとに来館した際に、年齢に応じたおはなし会を実施しているほか、団体貸出やブックリストの配布、読書相談への対応、リサイクル資料の提供を行っています。

 

 【取組と成果】
  • おはなし会では、子どもはいつも一緒にいる友達とともに、くつろいだ気持ちでより一層おはなしを楽しむことができています。
  • 年間を通しておはなし会を実施することにより、子どものおはなしを聞く力、楽しむ力が育っています。
  • 保育園等に団体貸出を行い、読書や読み聞かせなどに利用されています。
  • 市立図書館が刊行した絵本のリスト『このほんよんで! 第2版』を市内の保育園・幼稚園に配付しました。
  • 市立図書館からのリサイクル資料の提供等によって、子どもが本に親しめる環境づくりを支援しています。
 【課題】
  • 連携が不十分な新設の保育施設と、連携を密にすることが課題です。
  • 本が不足している新設の保育施設へ団体貸出の利用を促進する必要があります。
  • 市立図書館から園を通じて、子ども読書活動推進に関する家庭への働きかけが必要です。
 【計画】
  • クラスごとに来館する保育園等の園児へのおはなし会は、今後も継続・充実させていきます。
  • おはなし会での大勢の子どもの反応を、選書やブックリストの作成等に活かしていきます。
  • 保育園・幼稚園への団体貸出の利用促進に努めます。
  • 増加している新設の保育施設についても情報収集に努め、図書館の利用につなげていきます。
  • 市立図書館が薦める絵本をセットにして長期で団体貸出する等、保育園・幼稚園の読書環境の整備を支援します。
  • 今後も読み聞かせや行事に関する本などについて、保育園・幼稚園からの読書相談に応えていきます。
  • 保育園・幼稚園を通じて、各家庭へ市立図書館の推薦図書リストの配布や、事業の広報を行います。

(8) 学校との連携の充実

 市立図書館と小・中学校は、小学校3年生を対象にした図書館ガイダンスの実施、小学校2年生の町たんけんの受入れ、学級文庫への団体貸出、調べ学習に関する資料提供などを中心に連携を図っています。また、中高生による職場体験の受入れも行っています。

 

 【取組と成果】
  • 学級文庫への団体貸出を行い、子どもに身近な教室に本を置くことで、読書環境の整備につながっています。
  • 学校へ調べ学習に関する資料を貸出することによって、授業の支援、本を利用した学習の充実につながっています。
  • 市立図書館の職員が「学校図書館運営連絡協議会」へ参加し、図書主任または司書教諭、学校司書等に、連携事業の案内とマルチメディアDAISY図書の紹介をしています。
  • 平成27年度から指導室学校図書館支援担当、学校司書、市立図書館職員で「市立図書館と学校図書館の連携事業協議会」を開催し、市立図書館と小・中学校図書館との連携を緊密にしています。
  • 市立図書館の職員が調布市立小学校教育研究会図書部へ参加し、新刊紹介を行っているほか、共同で、リスト「夏休みにすすめる本」「図書館で調べものをするときに…」を発行しています。
  • 市立図書館の職員が若葉小学校2年生へのおはなし会や柏野小学校の読書集会等へ訪問し、読み聞かせを実施しています。
  • 市立図書館の新刊書選定結果を小・中学校に送付しています。
  • 小・中学校の学校図書館から学校図書館だよりが送付されてくるようになり、児童・生徒の読書活動について情報共有しています。
  • 私立小学校へも読書相談、団体貸出を実施するようになり、図書委員会の見学の受入れや、児童の図書館調べへの協力を行っています。
  • 適応指導教室「太陽の子」の児童が定期的に来館し、団体貸出や図書館ガイダンスを実施しています。
  • 都立高校図書委員会作成リスト「本の森」掲載本の展示や、高校生が薦める本を紹介した「本の帯」・ポスター等の掲示を行いました。
 【課題】
  • 調べ学習について、学校の希望する冊数に対して提供できる冊数を十分に備える必要があります。
  • 調べ学習に関する資料提供に対して、学校での利用状況について振り返りが必要です。
  • 小学校に比べて連携が不十分な中学校や高校と、連携を密にすることが必要です。
 【計画】
  • 調べ学習・学級文庫に必要な本の種類と冊数を十分に揃え、学校への団体貸出をより一層充実させます。
  • 「図書館で調べものをするときに…」は、学習指導要領に合わせて今後も改訂していきます。
  • 学校を通して、市立図書館の展示や事業などの情報を発信します。
  • 市立図書館と学校図書館で連絡を密にし、地域の子どもたちのニーズを把握するよう努めます。

(9) 子ども関連施設等との連携の充実

 児童館や学童クラブ、放課後等デイサービスに団体貸出やリサイクル資料の提供を行っているほか、各施設で出張おはなし会を実施しています。また、調布市文化・コミュニティ振興財団が主催する事業でおはなし会を行い、市立図書館の案内を配布するなど各施設・団体との連携強化に努めています。

 

 【取組と成果】
  • 児童館で行っている子育てひろば事業「赤ちゃんひろば」と「幼児ひろば」でおはなし会を実施し、家庭で子どもと保護者が絵本に親しむきっかけとなっています。
  • 市立図書館から各施設への出張おはなし会、事業への講師派遣をすることで、子どもと保護者が図書館以外の場でも本に親しむ機会を提供しました。
  • 子ども関連施設等へ団体貸出やリサイクル本の提供を行い、身近な場所に本を置くことで、子どもが本に親しめる環境作りを支援しています。
  • 調布市文化・コミュニティ振興財団主催のアートフェスティバルや絵本原画展に協力して、関連の展示やおはなし会やかるた大会を実施し、子どもと本を結びつけるきっかけをつくりました。
 【課題】
  • 学童クラブが新設され増加しているが、市立図書館で団体貸出登録をしている団体は少なく、団体貸出の利用を促進することが必要です。
  • 障害児通所施設(児童発達支援施設や放課後等デイサービス)や学童クラブ等との関係作りを進める必要があります。
 【計画】
  • 各子ども関連施設へ団体貸出の案内と大型絵本のリストを送付します。
  • 学童クラブ等へ小学生向きの推薦図書リスト『小学生にすすめる本 第2版』を送付します。
  • 障害児通所施設(児童発達支援施設や放課後等デイサービス)へ団体貸出の案内と布の絵本のリストを送付します。
  • 大型絵本・紙芝居等、子ども関連施設から需要のある資料を積極的に収集します。

(10) 展示の充実

 市立図書館子ども室の楽しい雰囲気づくりと、図書館の推薦図書を市民に手に取ってもらいやすくするため、展示を行っています。季節感のある展示や、推薦図書リストに掲載した本の展示、調べ学習のテーマに対応した展示など、各種展示を継続的に行っています。

 

 【取組と成果】
  • 中央図書館に加え、分館の展示の様子も図書館ホームページで紹介するようになりました。
  • 職場体験に参加した中学生やサマーボランティアに参加した高校生に、自分が薦める本のポップを作成してもらいました。
  • 市民から希望の出たテーマを取り上げたり、「子ども時代に出会ってほしい本」というテーマで市民に選んでもらった本を展示したり、利用者参加型の展示を企画しました。
 【課題】
  • YA(ヤングアダルト)世代を引きつける展示を継続する必要があります。
  • 展示資料の一覧を図書館ホームページに掲載してほしいという市民からの要望へ対応する必要があります。
 【計画】
  • 展示の様子を図書館ホームページや調布市ツイッター等に掲載し、PRに努めます。
  • YA世代が自主的に参加できるような展示を企画します。
  • 展示資料の一覧をホームページに載せ、テーマ別リストとして市民が活用できるようにします。

(11) 図書館利用に障害のある子どもへのサービスの充実

 通常の図書をそのままでは読むことができない、図書館への来館が難しいなど、図書館利用に障害のある子どもを支援するサービスを行っています。子どもが図書館を利用するにあたって抱える困難に配慮し、ニーズに応え、子どもが本の世界を楽しめるよう支援しています。

 

 【取組と成果】
  • 大活字本、LLブック、録音図書、点字図書、布の絵本・布の遊具、マルチメディアDAISY図書等を収集・提供し、通常の図書をそのままでは読むことができない子どもの利用を支援しています。
  • 録音図書、点字図書、布の絵本・布の遊具の作成のため、音訳者、点訳者、布の絵本製作者の育成を継続して行い、質の高い資料を提供しています。
  • 調布市子ども発達センターに通う子どもへ、布の絵本等の団体貸出とおはなし会を実施し、本との出会いやおはなしの世界を楽しむ機会を提供しています。
  • 小・中学校の特別支援学級や都立調布特別支援学校の児童・生徒へ、市立図書館の利用指導や団体貸出、おはなし会等を実施し、読書や図書館に親しむ機会を提供しています。
  • 布の絵本・布の遊具の展示を中央図書館、分館や市内にある関連施設でも実施し、身近な場所で実際に触れて理解してもらう機会を増やすことができました。
  • 小学校3年生を対象とした図書館ガイダンスでマルチメディアDAISY図書を紹介するなど、PRの場を拡大し、利用方法などに関する問い合わせが増加しました。
  • 市立図書館への来館が難しい保護者や子どもへ本を宅配し、子どもが読書する環境が途切れることのないようにしています。
  • 職員が様々な障害を理解し適切な対応ができるよう、市立図書館で内部研修を実施するほか、外部研修にも参加しています。
 【課題】
  • PRにより市民からの問い合わせが増加した、布の絵本・布の遊具、マルチメディアDAISY図書について、継続して利用してもらえるよう工夫が必要です。
  • 市立図書館で所蔵数が少ないマルチメディアDAISY図書の充実と作成者の育成が必要です。
  • 聴覚障害や知的障害等の子どもが図書館を利用するにあたってのサポート方法などについて検討が必要です。
  • 職員の異動や様々な障害の新しい情報・考え方に対応するため、定期的・継続的に職員研修を実施する必要があります。
  • 施設・設備のバリアフリー化を検討する必要があります。
 【計画】
  • 図書館利用に障害のある子ども向けの資料やサービスについてより多くの市民に知ってもらい、必要とする子どものもとへ届けられるよう、あらゆる機会をとらえて広報に努め、継続利用につながるよう工夫していきます。
  • 小・中学校の特別支援学級や都立調布特別支援学校の児童・生徒へのサービス、調布市子ども発達センターに通う子どもへのサービスを継続します。
  • これまで行ってきた資料収集、音訳者・点訳者・布の絵本製作者の育成を継続します。
  • マルチメディアDAISY図書の充実及び作成方法の確立、作成者の育成を推進します。
  • 様々な障害の新しい情報・考え方に対応するため、職員研修の充実、継続を図ります。
  • ピクトグラムを使った図書館内のサインの導入や、マルチメディアDAISY図書の再生環境の整備等、施設・設備のバリアフリー化の検討を進めます。

(12) 利用促進・広報活動

 市立図書館では、より多くの子どもに本を届けるために、様々な機会をとらえて利用促進事業と広報活動を行っています。

 市報や「図書館だより」等、従来の紙媒体に加えて市立図書館や調布市のホームページ、SNSを用いて、図書館の利用案内や行事のおしらせ等の情報を発信しています。

 

 【取組と成果】
  • 市立図書館の各種発行物、ホームページに、図書館公式キャラクター「じろ」を掲載し、シールラリー等のイベントに活用することで、幼児から小学生の利用登録の増加を促しました。
  • 幼児から小・中学生を対象とした事業「としょかんようかい大募集」により、子どもの図書館利用のきっかけをつくりました。
  • 絵本クイズなど、子どもが興味を持つ仕掛けを取り入れた企画を実施しました。
  • 図書館ホームページで、各種リストの掲載図書の一覧ページから資料を予約できるシステムを作り、利便性を向上させました。
  • 市立図書館の職員が「調布FM」や「テレビ広報ちょうふ」、「市民放送局」の番組に出演して、本の紹介や事業の案内を行いました。
  • 調布子育て応援サイト「コサイト」を通して、市立図書館子ども室の案内や事業の情報を発信しました。
  • 新聞・雑誌・出版社の取材に応じ、市立図書館のPRを行いました。
  • 市内の子ども関連施設で市立図書館の利用案内等の発行物を配布しました。
  • 市内都立高校3校へ市立図書館の利用促進のためのチラシを配付しました。
 【課題】
  • 不読率が高まっている中学生、高校生世代の利用を促進する必要があります。
  • 図書館を利用していない潜在的利用者層への効果的なアピールの方法の検討が必要です。
  • ツイッター等SNSを効果的に活用する必要があります。
 【計画】
  • 市立図書館未利用者を含むより多くの子どもを引きつける事業を実施します。
  • 夏休み期間の中高生向けコーナーの設置を検討します。
  • 団体向けの利用案内を作成するなど、団体の利用を促進します。
  • 市内高校の新入生に対し、利用促進のチラシの配付を継続します。
  • 図書館公式キャラクター「じろ」やSNSを活用することで、より効果的な広報を行います。
  • 市立図書館の職員が、子どもや保護者が集まる場所へ出向いてPR活動を実施します。
  • 地区協議会を通じた広報活動を行います。
  • 市内の病院や子ども関連施設、子ども向けイベントに協力し、図書館利用案内の配布場所を拡大します。
  • 市立図書館が作成した推薦図書リストを市内書店に配布し、地域での子どもの読書活動の推進に努めます。

(13) 職員の育成

 市立図書館では、市内のどの図書館を利用していても、子どもが平等に質の高いサービスを受けられるよう、職員の育成に取り組んでいます。経験の長い職員から新任職員に向けての職場内研修を始め、外部研修にも積極的に参加することで、新しい知識の習得と、図書館が培ってきた知識やノウハウの引き継ぎができる体制づくりを行っています。

 

 【取組と成果】
  • 新任職員に対し、選書に関する研修を実施するほか、「絵本の読み聞かせ講座」参加等の機会を設けています。
  • 新任職員と中堅以上の職員の複数で事業を担当することで、多くの職員が経験を積める体制を取っています。
  • 選書・研修報告・事業について職員間で情報共有を行っています。
 【課題】
  • 継続的な子どもの読書環境づくりを担う職員の育成が必要です。
  • 「絵本の読み聞かせ講座」や調布市生涯学習出前講座、都立図書館主催の講座等の講師を務められる職員の育成が必要です。
 【計画】
  • 職員の選書の目を養うための研修を継続的に実施します。
  • 新任職員が中堅以上の職員と一緒に事業を担当する機会を増やし、職員が児童サービスを実地で学ぶ経験を積み重ねていきます。
  • 子どもの読書活動に関する各種講座の講師を務められる職員を養成するため、図書館が培ってきた知識やノウハウを継承していきます。

3 幼稚園

 幼稚園では幼児期の成長・発達に配慮しながら質の良い絵本を選び、読み聞かせを更に充実させていくことにより、子どもの健やかな成長の基礎をつくる重要な時期における読書習慣の形成を図っています。

 

 【取組と成果】
  • 「園だより」等で保護者に読書に関する情報を提供しています。
  • 「子ども読書の日」(4月23日)や読書週間等の行事、講座・講演会等を通して、子どもの読書活動推進について啓発を図っています。
  • 絵本の読み聞かせで園児を物語の世界へいざない、目と耳からの読書体験によって本に興味を持たせています。
  • 読み手の大人と聞き手の子どもが物語の世界をともに楽しむことにより、温かな心の交流が生まれています。
 【課題】
  • 家庭で絵本の読み聞かせをすることが、親子の触れ合いの時間になり、幼児の心の栄養になることを伝えるなど、保護者への啓発が必要です。
  • 保護者による家庭での絵本の読み聞かせの継続・充実の支援が必要です。
 【計画】
  • 市立図書館職員を講師にした保護者対象の絵本の読み聞かせ講座を検討します。
  • 地域の図書館や関係機関との連携・協力を一層強化します。

4 保育施設

 保育園では、一日の活動のなかで、絵本の読み聞かせなどを実施しています。絵本の読み聞かせは、子どもの想像力を豊かにし、期待感や探求心の芽生えにもつながるなど、園児の心の成長に欠かせないものとなっています。

 

 【取組と成果】
  • 保育士が絵本の読み聞かせやパネルシアター、紙芝居の上演などを毎日実施しています。
  • 子育て支援活動・地域交流事業の一環として、保育園主催で子どもの読書についての講座を実施しています。
  • 多くの保育園で、定期的に市立図書館を利用し、おはなし会や団体貸出の実施等、連携を図っています。
 【課題】
  • 園児が本に親しむ機会を増やすため、各保育室に、0歳児から5歳児までの発達段階に即した絵本を備える必要があります。
 【計画】
  • 市立図書館のリサイクル図書を有効活用する等、保育園の読書環境を整備します。
  • おはなし会や団体貸出等、市立図書館と連携を図ります。
  • 保護者に対しては、大人からわらべうたを歌ってもらったり、絵本を読んでもらうことが、親子間で様々な感動を共有できる機会となり、親子関係の育みのひとつにもなることなどを伝え、読書の啓発に努めます。
  • 東京都認証保育所に対しても、定期的に市立図書館を利用するように促していきます。

5 児童館

 児童館では、職員やスタッフ、ボランティア、専門講師等による読み聞かせなどの読書推進活動が行われています。また、児童館には図書室があり、子どもが本に親しむ場となっています。

 

 【取組と成果】
  • 「子ども支援スタッフ」(成人ボランティア)の朗読サークルによる「おはなしの会」や人形劇など、地域の協力体制があります。
 【課題】
  • 乳幼児親子、小学生、中高生世代など利用者が幅広いため、それぞれの利用者のニーズに応えることができるような児童館図書室の充実が必要です。
 【計画】
  • 市立図書館や関係機関、ボランティア団体との連携の中で、多彩な読書活動の展開に努めます。
  • 児童館の図書室を充実させます。
  • 購入図書のほか、市立図書館のリサイクル図書を有効活用します。
  • 工作・遊びなどの活動に、物づくりの楽しさを伝える本を取り入れ、協力して作り出す経験を重ねて、子どもの創造する力を育みます。

6 公民館

 公民館では、子育て支援のための家庭教育講座の中で、絵本をテーマとした学びの講座を行うほか、連続講座の一部に手作り絵本を作る体験を組み入れることも行っています。

 

 【取組と成果】
  • 子育て支援のための家庭教育講座の中で、絵本をテーマとした学びの講座を実施しています。
  • 一部の公民館では、オープンスペースにある本棚に児童書を置き、貸出しも実施しています。
  • 子どもの成長に合わせた本や絵本を学習することをテーマとした成人学級の活動を支援し、読み聞かせ会の会場を定期的に提供しています。
  • 子育て中の保護者に対して、市立図書館が実施する子どもの読書に関する出前講座を勧め、活用してもらっています。
 【計画】
  • 子育て支援のための家庭教育講座の中で、絵本をテーマとした学びの講座を継続して実施します。
  • 今後も、子どもの成長に合わせた本や絵本を学習することをテーマとした成人学級の活動を支援し、読み聞かせ会の会場を定期的に提供します。

7 放課後子供教室事業「ユーフォー」

 放課後子供教室事業「ユーフォー」は、子どもに自由で安全な遊び場・居場所を提供し、異なる年齢の児童間の交流を図り、遊びを通して社会性や創造性を養うことを目的としています。子どもが本に親しめるよう、図書をいつでも手に取ることができる場を提供しています。

 

 【取組と成果】
  • プレイルームでは、購入図書のほか、市立図書館からのリサイクル図書も有効活用しています。
  • ボランティアによる本の読み聞かせを実施しています。
 【課題】
  • 高学年の児童の利用につながるようなプログラムの充実が必要です。
 【計画】
  • 保護者・学校・地域の関係者の方々に協力を得ながら、各小学校の「ユーフォー」における読書活動を推進します。
  • 市立図書館からの団体貸出を利用し、「ユーフォー」で子どもが図書をいつでも手に取ることができるような環境を整備します。
  • 工作・遊びなどの活動に、物づくりの楽しさを伝える本を取り入れ、協力して作り出す経験を重ねて、創造する力を育みます。

8 子ども家庭支援センターすこやか

 「子ども家庭支援センターすこやか」は、子育てを総合的に支援するための拠点として、様々な事業を展開しています。遊びに来た子どもが自然に本に手を伸ばせる環境づくりのために、乳幼児や小学生に向けて図書コーナーを設置しています。

 

 【取組と成果】
  • 一時預かり事業や乳幼児交流事業、また開放事業などの場で、職員がわらべうたを歌ったり、絵本を読み聞かせたりしています。
  • 市内のボランティア団体による、毎月定例のおはなし会を開催しています。
  • 乳児交流事業「コロコロパンダ」や子育て講座事業「エンゼル大学」で、市立図書館職員によるブックスタートや絵本の読み聞かせをテーマにした会を設けています。
 【課題】
  • 家庭等で絵本の読み聞かせをすることは、親子の触れ合いの時間になり、乳幼児の心の栄養になることを伝える等、保護者への啓発を推進する必要があります。
 【計画】
  • 市立図書館の団体貸出やリサイクル図書を有効活用します。
  • 乳児交流事業や子育て支援講座において、引き続き、市立図書館職員によるブックスタートや絵本の読み聞かせをテーマにした会を設け、子どもの読書活動について保護者へ啓発します。

9 保健センター

 健康推進課では、母子保健に関する事業を実施する中で、子どもとその保護者に対して子どもの心身の健やかな発達を促し、よりよい安定した親子関係を築けるように絵本に接する機会を提供しています。

 

 【取組と成果】
  • 「ゆりかご調布事業」で、妊婦に、赤ちゃんと一緒に繰り返し読んで楽しめる絵本をプレゼントしています。
  • 3・4か月児健康診査で、市立図書館作成の赤ちゃん絵本リスト「赤ちゃんは絵本がだいすき!」を配付しています。
  • 1歳6か月児健康診査では保育士による親子の遊び紹介の中で、手遊びや絵本の読み聞かせを実施するほか、市立図書館と連携して図書館推薦の本のリストを配付しています。
  • 3歳児健康診査でも、読み聞かせボランティア「子どもの本を楽しむ会」による絵本の読み聞かせをするほか、会場に訪れた親子が絵本に触れられるように図書コーナーを設け、市立図書館の職員が選んだ絵本を常設しています。
 【課題】
  • 家庭で乳幼児にわらべうたを歌ったり、読み聞かせしたりすることの大切さを伝える等、保護者への啓発の推進をする必要があります。
 【計画】
  • 妊婦への絵本ギフトを継続します。
  • 市立図書館と連携し、集団健康診査等で保健センターに来所する親子にブックスタート事業を継続します。

10 調布市子ども発達センター

 調布市子ども発達センターは、発達に遅れやかたよりのある乳幼児の早期発見と早期支援を実践する専門機関であり、通園事業の活動の一環として、絵本の読み聞かせや布の絵本を使った遊びを実施しています。

 

 【取組と成果】
  • 布の絵本を使った遊びでは、テープやスナップを外したりはめたりするのを楽しむうちに、子どもの興味を引き出し、発達を促すという効果をあげています。
  • 市立図書館と連携しておはなし会や団体貸出を実施しています。
 【計画】
  • 子ども一人一人の興味や状態にあった資料を活用します。
  • 市立図書館との連携によって実施しているおはなし会や団体貸出を継続し、充実させます。

11 青少年交流館

 調布市青少年交流館は、青少年が交流する居場所として、共有スペースやパソコンコーナーを開放しており、子どもが本に親しめるよう、図書をいつでも手に取ることができる場を提供しています。

 

 【取組と成果】
  • 多目的室内等にリサイクル図書等を配架しています。
 【計画】
  • 青少年が気軽に本に触れ、読書習慣を身に付けるきっかけとなるよう、読書の場を提供します。

12 東京都立調布特別支援学校

 子どもの将来の自立と社会参加に向けて、主体的に生きる力を育てることを目標に、就学前から高等部への移行を見据えた教育を行っています。小・中学部設置の特別支援学校として、一人一人に合った読書活動を展開しています。

 

 【取組と成果】
  • 一人一人に必要な支援と適切な指導を行うため、子どものニーズに応じた図書の収集や読み聞かせ、学習発表会での発表など、児童・生徒の興味・関心を引き出すような読書活動を実施しています。
 【計画】
  • 市立図書館等によるおはなし会や団体貸出など、地域との積極的な連携を図ります。
  • 東京都立多摩図書館との連携を図ります。

第6章 計画の推進体制

1 推進体制

 本計画の推進には、家庭・地域・学校・行政が一体となった取組が必要です。市立図書館と学校が中心となって、関係機関、団体、書店等との連携・協力関係を密にし、子どもの読書活動を推進します。

2 財政上の措置

 本計画に掲げられた各種取組を実現するため、調布市、関係機関、団体等の役割に応じ、必要な財政上の措置を講じるよう努めていきます。また、国及び東京都に対して働きかけを行い、積極的に助成事業を活用するほか、子どもの読書活動を推進するための財政措置を講じるよう求めていきます。

3 「調布市子ども読書活動推進計画」の進行管理

 本計画の推進にあたっては、市立図書館が事務局となって、毎年、学校、行政へ取組状況を確認・点検し、計画の進捗状況の管理を行います。また、家庭、地域へは「子ども読書の日」(4月23日)等に子どもの読書活動推進について啓発します。

資料編

 1 子どもの読書活動の推進に関する法律

 2 文字・活字文化振興法

 3 計画の策定経過

 4 事例紹介

 5 用語解説

※資料編は、項目のみを載せています。詳細は、下記PDFファイル又は調布市立図書館で配布している「第3次調布市子ども読書活動推進計画」をご参照ください。

印刷用PDF

第3次調布市子ども読書活動推進計画(991KB)(PDF文書)
第3次調布市子ども読書活動推進計画 資料編1(537KB)(PDF文書)
第3次調布市子ども読書活動推進計画 資料編2-1(1672KB)(PDF文書)
第3次調布市子ども読書活動推進計画 資料編2-2(1790KB)(PDF文書)
第3次調布市子ども読書活動推進計画 資料編3(572KB)(PDF文書)
第3次調布市子ども読書活動推進計画(概要版)(196KB)(PDF文書)

平成18年に策定いたしました「調布市子ども読書活動推進計画」は、こちらからご覧いただけます。

平成25年に策定いたしました第2次調布市子ども読書活動推進計画は、こちらからご覧いただけます。