平成20年度 調布市立図書館利用者懇談会中央図書館開催報告

  • 1 日時:平成20年11月12日(水)午後2時から午後3時30分まで
  • 2 会場:文化会館たづくり10階1002学習室
  • 3 参加者:調布市立図書館利用者10人、教育部部長 、図書館職員13人
  • 4 内容(要旨) 

(1)館長挨拶

  • 本日の図書館利用者懇談会は、日頃から図書館を利用されている皆さまから直接、御要望や御意見をお聞きし、今後の図書館運営の参考にするためのもので、御要望をいただいた件は、検討し、できるものから改善する。 11月に入り図書館の事業も下半期に移ったが、この間、9月に開催された市議会定例会では、図書館の平成19年度決算が予算額5億2865万円に対して、決算額5億1336万6378円(執行率97.11パーセント)となったことを報告した。また、図書館分館のうち1階が保育園の国領分館、神代分館、富士見分館、宮の下分館の4館の耐震補強工事契約を締結し、2月末までの工期で工事が始まった。残る深大寺分館、緑ケ丘分館、若葉分館については平成21年度以降の工事を予定している。今後も図書館サービスの向上に向けて進めていきたい。

(2)意見交換  

○=利用者、●=図書館

  • ○視聴覚資料の検索システムの充実、完成の約束を守ってもらいたい。視聴覚資料の目録(冊子体)を作ってほしい。視聴覚資料等のデータの整備を早急にしてもらいたい。視聴覚資料室の入口側展示の新着資料「新着です」棚の中止をしてほしい。検索できず、見落としてしまう。少ない新着品を並べる意味はないのではないか。これらのことを以前から要望している。
  • ●年度末までにクラシックジャンルのオペラ等の映像資料について、タイトルで検索できるようにしていく。視聴覚資料は、まとまって納入されてきた資料紹介をするために新しく入った資料を展示している。現在は展示棚にあることを検索できるシステムになっている。常設の新着棚を設けることはできないので、新しいものが入ってきたときには、御紹介の意味も含めて、新しい資料の「展示」をしながら貸し出していく。
  • ○「新着」という言葉の使い方、表示・文言の工夫が必要ではないか。
  • ○視聴覚資料の古いものも留意して入れてもらいたい。持っているCDを寄贈し、(昨年は整理が間に合わないので、今は受けられないと言われた。)使えるものは使っていただき、クラシックジャンルの充実に役立ててもらいたい。
  • ●CDの寄贈に関しては、資料整理の担当者と調整する。音声資料なので、著作権の処理は、映像資料と比較すると比較的容易であると考えている
  • ○視聴覚資料のジャンルコードとジャンルの表示をわかりやすくしてほしい。分類に気がつかなかった。一覧表のぴゅー太付近への掲示をお願いしたい。
  • ●一覧表をぴゅー太付近へ置き、わかりやすいようにしていく。
  • ○視聴覚資料の貸出時に、しおりをはさむだけでなく、貸出期間が1週間であることを告げて欲しい。
  • ○視聴覚資料の返却遅れの利用者への督促をきちんとしてほしい。
  • ○視聴覚資料に以前はキズが無かったのに、次に借りるとキズがついていることがあるので、きちんとしてほしい。
  • ○携帯電話は人体に悪影響があるので、マナーモードを可とするのでなく、電源を切ることを徹底させてほしい。
  • ●携帯電話に関しては、マナーモードをお願いする掲示を出している。
  • ○未所蔵資料への予約をすぐにデータに反映させてほしい。予約件数20件という制限を図書館がしているのだから、すぐに予約をデータに入れたらいいのではないか。巻数がデータの情報源に記載されていなくても、実質的にシリーズ本であるものはデータに巻数を入れてほしい。
  • ●未所蔵資料のうち他自治体図書館への借用申込中や購入検討中の資料への予約処理、資料に記載が無くても、実質的にシリーズであるものに番号を振ってデータに入れる件については、検討していく
  • ○神代分館の集会室を定例的に利用している。予定をたてるので、休館の日程・期間を早く知りたい。
  • ●神代分館は耐震工事のため12月15日(月)から2月2日(月)までの休館を予定している。ホームページにお知らせを出しているが、「市報ちょうふ」にも掲載していく。
  • ○桐朋学園から借用している資料の貸出手続を、職員・嘱託員が掌握していないので改善してほしい。
  • ●当然のことなので、職員・嘱託員に周知徹底していく。
  • ○館内で子どもが騒いだときに注意を促してほしい
  • ○マンガを専門的な本がある5階に置くことはどうか。子どもが集まったり、社会人席に座ったりしている。
  • ●分類的なことからマンガを現在の位置に置いているが、確かに社会人席の近くで子どもたちが騒いでしまう時があるので、場所については検討をしていきたいと思う。
  • ○専門的な本で紛失になった本の再購入をしてほしい。
  • ●紛失や返せなくなったことによって除籍されたものの再購入については、入手不可能なものも多くあるので、必ずしもということではないが、もう一度検討していきたいと思う。
  • ○民間の警備員を公共の図書館に頻繁に巡回させる意味があるのだろうか。犯罪の減少を目的としているのかもしれないが、警備員を巡回させて見張らせて、本当に犯罪が減少したかの導入前と導入後のデータをとっているのか聞きたい。何か犯罪が起きたらその時に警備員を呼べばいいのではないか。
  • ●文化会館たづくり全体の警備計画の中で図書館の巡回も行われている。警備の廻り方が気になるような部分があれば、文化会館たづくりを管理している調布市文化・コミュニティ振興財団の施設課に相談してみる。平成7年の文化会館たづくりの開館と同時に警備が始まっているので、導入前のデータはない。何かトラブルが起こった時に、まず対応するのは職員であり、それをサポートしてもらうようなイメージである。
  • ○特定の職員の接遇の改善をお願いしたい。
  • ●決していいことではないので、接遇の対応を考えていく。
  • ○利用者懇談会への図書館側の出席人数が多すぎる。民間の会議ではありえない。これだけ人件費をかけて、コスト意識はあるのか。
  • ○地域情報化の流れの中で、これからの地域発展の中で「知のコモンズ」として、図書館はどうあるべきかを常に考えたい。今の世の中をどういうふうに認識して、そういう中で図書館はどういう役割を果たすところかという議論ができるのかと期待して参加した。
  • ○「市民の手によるまちの情報館」は、図書館は何ができるかということで集まったグループである。平成15年にスタートして、現在サイトでいろいろな情報を発信していて、どんどん増えている。その基本にあるのは今日説明のあった平成19年度と平成20年度の事業計画である。ところが、平成19年度の事業計画にあった「地域情報化の拠点」という言葉が平成20年度の図書館事業計画から消えてしまった。図書館の姿勢を問いたい。
  • ○キャリアのある職員がいかに大事かというのは、利用者にとっては気になる問題である。PFIや指定管理者制度といった民営化にされるとキャリアのある人でなく、安い手当てでサービスが向上するという、とてもおかしな現象を持ち込まれることを警戒している。側面評価課題検討会の調査とは、どういった目的で行われるものか。
  • ●図書館が地域の生涯学習の拠点としてのサービスの維持・向上を果たすための運営について業務委託、指定管理者制度なども検討することが課題になっている。それを研究・調査しているところである。
  • ○今年度の3月に退職する職員に対して、補充される正職員が何人いるのか、いないのか。ひとつの指標として捉えておきたい。
  • ●来年3月に退職する司書職の職員がいる。図書館の運営において司書職の存在は必要不可欠であるという認識を持っており、調布の図書館のこれまでの実績の流れの中で、全国的に見ても調布の図書館の活動が活発化していることは、そこに継承していくスキルを持った職員がいることの現れであると思っている。国が法制度化している退職後の再任用制度がスタートしている。現役の世代と退職した世代とのバランスをみて、トータルとしてみていかなければならないと思っている。

(3)教育部長挨拶要旨

今回いただいた御意見は今後の図書館の運営の中で生かしていきたい。利用者懇談会への主催者側の出席人数が多すぎるという御意見もいただいたが、図書館を利用される市民がどのように受けとめて、どのように使い易いのか使いにくいのか、こういった機会でつぶさに情況を把握しながら、事務事業を進めてくことが必要と考えている。

図書館の役割というものは、今後ますます重要性を増していくので、コスト認識を持つ、会議を効率よく進めていくということを大前提としながらも、こういう機会を通じながら進めさせていただきたい。