平成29年度 調布市立図書館利用者懇談会(第1回)報告

  • 1 日時:平成29年11月16日(木)午後2時から午後4時まで
  • 2 会場:文化会館たづくり10階 1001学習室
  • 3 テーマ:「半径800メートルのしあわせ-図書館を上手に使うための本の探し方-」
  • 4 参加者:調布市立図書館利用者9人、図書館職員7人
  • 5 内容(要旨) 

(1)館長挨拶

 毎年、前半に図書館で決めたテーマの話をさせていただき、後半は図書館の状況を話している。日頃のお考えを伺えればと思う。
 今回のタイトルは、「半径800メートルのしあわせ」である。この800メートルには、込められた想いがある。調布の図書館は中央図書館を含め11か所ある。それらは、市域の中に点在しており、図書館を中心に800メートルの円を描くと市域がほとんどカバーできる。つまり、調布に住んでいる人は、若干の違いはあるが、歩いて10分で図書館に行くことができる環境にある。そういう中で、この50年図書館をつくってきた。今日は図書館をより自分に合ったかたちで使うための一つのヒントとして、お話ができればと思う。

(2)「図書館を上手に使うための本の探し方」

 本の並べ方のルールについて、また、資料確認票からどのように本を探せばよいか等を説明した。その後、映画資料室に移動して参加者の方々に本棚の中から本を探していただいた。

(3)「平成28年度調布市立図書館事業報告」及び、「平成29年度調布市立図書館事業計画」について

 資料「平成28年度図書館事業報告書」を用いて、昨年は50周年という中で、コンピュターシステムの更新、「じろ」というキャラクター作り、ドリアン助川さんの講演、記念写真集の作成等を行ったことを報告した。
 資料「平成29年度調布市立図書館事業計画」を用いて、今年度、図書館が重点的に行っている事業の説明等をした。

(4)参加者自己紹介

○=利用者、●=図書館

  • ○ この会には20年以上参加している。今日もぜひ皆さんにお会いしたいと思って参加した。富士見分館を利用しており、本がないと生活できないほど、本が自分の生活の中に組み込まれている。
  • ○ 普段から図書館を利用しており、今年の7月から図書館ボランティアとして活動している。もっと図書館のことを知りたいと思い、参加した。
  • ○ 今日は、仕事の都合で来ることができるかどうかわからなかったので、申し込みをせず、飛び込みで参加した。6~7年前に調布に越してきて、仕事と子育てであまり図書館を使うことはなかったが、今回、日程も合ったので、以前から「図書館って面白そうだな」と思っており、参加した。
  • ○ 図書館を自分の部屋のような感じで使わせていただいている。その間ずっと絵本に関わってきている。図書館の絵本を使わせていただいて、お世話になっている。私の人生のライフワークとして調布で絵本を楽しんでいる。
  • ○ 図書館に来ることが、本を探すというよりも本に会うのが楽しみで、図書館を利用している。調布でテレビとかそういうものに関わっていた時、調べものをするためにここまで来て、5階で探しものをした。図書館には色々と楽しませてもらった。
  • ○ 今日は、実は図書館のボランティアで書架整理をしていたところ誘われて参加した。図書館のちがう面を勉強させていただいた。
  • ○ 半分図書館のことをわかっており、あとの半分は利用者として、さらにこうしたらどうだろうか、という話があれば、自分なりに考えていることを言えるのではないかと思い参加した。
  • ○ 3年程前まで大学で図書館学を教えていた。定年になったのを機に長い間見たいと思っていた、調布の図書館で色々なところを拝見している。調布の図書館というのは全国的に見ても活発な活動をしており、今日もどのような活動をしているのか見せていただきたいと思い参加した。

(5)懇談会  

○=利用者、●=図書館

  • ○ 図書館は、本の『図書館戦争』を読んで面白そうだと思ったというのが、今日参加した理由である。できれば、地下書庫を拝見してみたかった。『図書館戦争』の中で「地下書庫の中で迷子になる人がいるくらい広い」という文章があり、おはなしの中ではあるが、図書館は面白そうだと思った。先ほど11月に工事があるというお話があったが、その後、一般の人が見るような機会はあるのか。
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  • ● 今までもバックヤードツアーは何回か事前にお知らせをして開催している。今年度は難しいが、今後も市報や、図書館でポスターを貼る等してご案内するので、是非、ご参加下さい。
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  • ○ 来年の利用者懇談会に付け加えていただければと思う。
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  • ● ご意見を受けて、来年の内容を検討したいと思う。
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  • ○ 図書館に、4階・5階で配架している本は、地下に置いてある本の何割くらいになるのか。
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  • ● 図書館全体では、本は約137万冊ある。そのうち分館には約50万冊くらいあり、中央図書館で管理している本が約80万冊ある。開架しているのが約20万冊あり、地下書庫には20万冊以上ある。本の冊数は確かにある。調布の図書館は11か所あり、そのうち分館が10か所あり、どこの館に行っても同じ本がなくてはいけないということもある。例えば子どもの本がそれにあたる。どこの館に行っても、この絵本がないと困るという本がある。小説などもそれにあたり、違うタイトルの本が約137万冊ある訳ではない。調布では、地域資料といって1冊しかない、調布について書かれた本もかなりの数を占め、違うタイトルの本を約80数万タイトル持っている。これが、調布の図書館が全国的に見ても有名というか、ひとつの力を持っているという理由として挙げられると思う。
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  • ○ 本は皆が使っていると思うが、消毒等はしているのか。 
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  • ● 図書館では、戻ってきたとき汚れているものは拭き、また、臭いのあるものはブックシャワーという装置があり、それに入れている。汚い本は除籍に回しているので、気づいた時に教えていただけると助かる。
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  • ○ 書架整理をやると、小さい本は大きな本に埋もれて、下に落ちることもある。するとホコリが、白い手袋が真黒になるほど付いている。棚の清掃もやらなければいけないのではないか。
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  • ● なかなか手が回らなくなり、前よりできなくなっている部分だと思う。本が動かないところはどうしてもホコリがたまり、気が付けば取っているが、手が回らない状況にある。どんな方法で解消していくか検討する。
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  • ○ ブックシャワーという言葉を初めて聞いたのだが、どんなものなのか教えてほしい。
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  • ●  懇談会が終わってから、6階のハンディキャップサービスに1台あるので、見ていただければと思う。風を送ってホコリを飛ばす、そして紫外線を当てて本を綺麗にするというもの。
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  • ○ 今回の参加者にはボランティアで来ている方がいらっしゃるので、どういう内容なのか伺いたい。
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  • ● ボランティアは1年に1度、募集をしている。ボランティア説明会を毎年行っており、それを聞いていただいて、ご自身が「これは参加したい」と思っていただければ、面談をしてという形で登録させていただいている。本の書架整理、映画資料のチラシの整理、宅配サービスもしていただいている。なかなか図書館に行けない方、高齢者、障害者の方というのではなく、例えば産前、産後で図書館になかなか来れないという方にも本をお届けするといった様々なことをボランティアの方にしていただいている。実際の活動をどなたかお話しいただけないか。
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  • ○ 書架というのは必ず乱れるので、本の整理というのは図書館をやっている以上は誰かがやらなければならない。書架整理というのは図書館の永遠の仕事。これはできるだけずっとやっていただくべきだなと思う。
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  • ● 図書館ボランティアは1年に1回募集をしている。まずは図書館でボランティアをするということはどういうことなのか、レクチャーがあり、ある程度理解していただいた上で、面接をして、活動に入っていただくということにしている。ルールとして厳格になっているのは、1週間に2時間だけということ。一つには、のめり込んでしまって自分がそれに義務感が出てくると長く続かないのではないかということで決めている。それから曜日は月・金は入らないということが決まっている。4月の市報で説明会のお知らせをし、5月くらいに説明会があるので、それまでは少し様子を見ていただければと思う。茶色のエプロンをつけて活動していただいている方がボランティアである。
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  • ○ ボランティアをやっていると書架整理だけではなく「この本はどこにあるか。」といったことも聞かれることがある。こういう案内も場合によってはやっている。そして本の整理は非常に良い運動になる。立ったり、座ったり、重い本を運んだりする。1週間に1度というのはちょうど良い。
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  • ● 利用者の方、カウンターまでわざわざ聞きにいくのは敷居が高いという方もいらっしゃる。するとボランティアをなさっている方に聞いて下さり、カウンターまで来てくださる。その連携をとてもありがたいと感じている。
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  • ○ 私は今年5月からボランティアをしている。図書館が大好きで、頻繁に図書館に来ている。その時にボランティアの募集を見てすぐに申込みをした。ずっと立ったままだと辛いが、厳しく言われることがないので、間に10分休憩を取りながらやっている。2時間やるのはあっという間で楽しい。何が楽しいかというと、本の背表紙を見ているだけでも「こんな本がこんなところに」と様々な本に出会えることがとても面白い。自分が読む本というのは割と限られているので、違う書架にある本を借りたりすると、またそこから本の世界が広がり面白い。
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  • ● 5月に図書館ボランティア説明会というものを開催しており、図書館のホームページにご案内を出す。また、館内でポスターを掲示しチラシを出させていただいている。それから、ボランティア通信というものもホームページでご覧いただくことができるので、よろしければ図書館ホームページをご覧いただけるとありがたい。
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  • ○ 私は、利用する館は、国領と神代と佐須分館があるが、国領分館はものすごく利用者が多い。だから利用者が多い場合は、いつでも子どもの部屋側が使えるようにしていかないといけないと思う。
     また、これから政府は年間2000万人のインバウンドと言うか、訪問客が日本に来ているという時代で、調布にも外国人が増えている。そういう人に対する対応策を図書館としてどう取っていくのか。特にオリンピックはもう2020年で目と鼻の先に来ている。調布には味の素スタジアムというものがあり、相当人がいらっしゃるし、そういう人も、図書館を利用なさるかもしれない。観光とも連携することだと思うが、その兼ね合いで図書館はどういう立場でそれをサポートできるか考えておいてはどうか。調布の案内書、その他、都庁においてあるガイドの本等、そういうものも入れていかないとまずいのではないか。英文のガイドブックを見ると、特に多摩地域では、深大寺と府中の大國魂神社、この2つは出ている。出ているということは来る。今後の課題として考えてもらえたらと思う。
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  • ● とても良いご意見をいただいたと思う。これから考えるというのも、あまりにも時間がないことだと思うので、都庁にあるものは早急にいただいて持っておくというところから始めたい。
     オリンピックということ、その前にラグビーの世界大会があるということで、味の素スタジアムに人が来る。多摩地域全体でも色々な観光ということで、ミシュランガイドに載っているところもあるので、人がやってくると思う。その対応が各自治体、課題になっている。図書館はおっしゃっていただいたように、できる資料を幅広く、それも配れるくらい持っておく必要がある。
  •  また、子ども室を時間帯によって使えるようにするという話は、子どもがいる空間を大事にすることが一方で必要であり、子どもが来ない時間帯には一種の棲み分けが必要となる。時間帯で見て、子どもがそこに浸れる空間というものをつくっていかないと、良い環境をどのように作っていくかという点が難しい。あとは、施設的なところで面積をどう作っていくかというのは、考える材料になる。国領分館は行かれるとわかるが書棚で区切っている。つまり子ども室は、昔の間取りと違っているて、今よりもっと広かったのではないだろうか。椅子はかなり増やしている。
    昔がどうだったということではなく、どうやって棲み分けするか、それぞれの場所をそれぞれの立場の人が使いやすくしていくには、何か知恵を出さなければいけないのではないかと思う。
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  • ○ 私は、図書館が本当に自分の生活のタイムスケジュールに入っていて、本を借りて読んでその繰り返しである。いかに本が自分の手元に来るまでに、みなさんの努力があるかと思うと、頭が下がる。私は図書館を自分の本棚だと思っていて、本は買わない。どうしても買いたい本を年に何冊か買う。本当にお世話になっている。私が読んでいる本がどれ程の人の努力によってここにあるのか、ということばかり考えており、今日もお礼を言いたくてこの席に来た。特に、小中学校の先生をしている人とよく同窓会で会うと、子どもが本を読まないという話ばかりしている。調布は病気の人には配達もし、色々とするという話をすると驚かれる。その市町村で取り組んでいることは色々とあるが、利用者側の立場から見て、先生方は子どもが本を読まないという事に対して、嘆いている。私はおかげさまで本に埋まった生活で楽しませてもらっている。
  • ○ せっかく図書館学を勉強している方がいらっしゃるので、調布の図書館が全国的に見て違う点や、どういう面をご覧になっているのか、お話をいただければと思う。
  • ◯ どういう所が良いかというのは、子どもに対するサービスがすごく充実している。それからハンディキャップサービスが素晴らしいという所が一般的に知られている。宅配サービスは高齢者だけでなく利用することができる。
      私が一番感心したところは、とてもきめ細やかな配慮がなされているところである。つまり、新聞に載るような一大イベントをすることが図書館の自慢なのではないと思う。使っている人がとても使いやすく、なおかつ、使うのに困った時に助けてもらえる、そういうサービスができている。カウンターを見ていると、カウンターの外で待っているとすぐに声を掛けている。待たせない。案内してくれる。ちょっとわからないことがあると、すぐ答えている。利用者の方が気持ちよく利用できるしくみを作っている。図書館全体が良い雰囲気であり、それが一番大事なのではないかと思う。
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  • ○ 映画資料室は今回初めて入ったが、あれはもっと声を大にしてアピールしてもいいと思う。
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  • ● 映画資料室は右手の奥にあり、サインも工夫して付けている。場所的に奥まっていてわかりにくいので、どうにかして人に知らせたいというところもあって、5階の新刊コーナーに、赤い紙を置いて映画資料室の新刊を1冊ずつ置いている。地味ではあるがそういう努力をしている。また、バックヤードツアーといって、映画資料室とその裏のバックヤード、そして地下書庫の映画資料の作業をしている場所、撮影台本等を置いている場所などを回るツアーを昨年から行っている。企画としては20分位で回る気軽にご参加いただけるツアーになっている。こうしたら、というアイディアがあれば、教えていただければと思う。
  • ● 知られていないというのは、確かに努力が少ないというところだが、時々、取材に来る方もいらっしゃる。そういうものに応え、それがどういう風に評価されかだが、調布には長らく映画館が無かったということで、シアタス調布ができて、そことの連携の中で、調布に映画についての資料が沢山あるということが広まり、資料が活用されれば、と思う。
  • (6)副館長挨拶  

      図書館を使っていただいたり、見ていただいていたりしている中から頂戴したご意見は本当に有難いと思っており、頂いたものは、ぜひ実現するようなかたちで検討していきたい。
    こうした場でなくとも、普段から職員に声かけて、わからないことあれば職員に聞いていただき、また、こんな風にすればもっと良くなるのではないかというご意見もいただければと思う。