令和4年度 調布市立図書館利用者懇談会(第1回)報告
- 1 日時:令和4年11月17日(木)午後2時から午後3時30分まで
- 2 会場:文化会館たづくり10階1001会議室
- 3 テーマ:「予約の本がとどくまで」
- 4 参加者:調布市立図書館利用者5人、図書館職員5人
- 5 内容(要旨)
(1)館長挨拶
日頃からご利用いただき、またご協力、ご理解いただきありがとうございます。利用者懇談会は平成13年から利用者の声を運営に生かす目的で始まりました。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い運営が大変な面もありますが、このような時期だからこそ今後の運営を続けていくため、またよりよい図書館にするため、忌憚ない意見をお願いします。
(2)予約の本が届くまで
予約・リクエストの申込方法や未所蔵資料の新規購入・他自治体図書館から借用する場合など、予約資料が利用者の手元に届くまでの流れについて資料を用いて説明した。
(3)調布市立図書館事業報告・計画について
「令和3年度調布市立図書館事業報告」を用いて、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言下でのサービスの工夫、実施事業について説明した。また「令和4年度調布市立図書館事業計画」を用いて、運営方針や主要事業をはじめ、つげ義春展の開催、施設設備、電算システム更新について説明した。
(4)参加者自己紹介
○=利用者、●=図書館
○調布ヶ丘在住。利用者懇談会には過去4回ほど参加している。○小島町在勤で、仕事帰りに本を借りている。府中市の自宅近くにある分館は遅い時間だと閉まってしまうが、中央図書館は開いているので助かる。中央館は所蔵冊数が多く、いつ来ても新しい出会いがあり感心している。窓口の職員も親切で良い雰囲気だと思う。今回は、「予約の本がとどくまで」というテーマに惹かれて参加した。
○小島町在住。今年から図書館ボランティアに参加しており、週に一度書架整理をしている。ボランティアに参加する前は本の並び方について気にしなかったが、参加するようになってからは本の乱れが気になるようになった。今回は「予約の本がとどくまで」というテーマに惹かれて参加した。ここ数カ月で新刊のリクエストをする機会があったのだが、思ったよりも早く手元に届いたので驚いた。また、予約した本がまとめて確保されることがあり、窓口で職員に一度に全部借りるか聞かれ、分けて借りるというやり方もあるのかと思った。
○図書館ボランティアに参加しており、宅配と書架整理をしている。現在六年目。
○染地在住。主に中央図書館を利用している。書架整理と宅配のボランティアに参加している。書架整理をしていると、この本はこのエリアにあるのかなど発見がある。世情などがすぐに反映される小展示が好き。皆さんのオススメの本などの展示も楽しく見ている。
(5)懇談会
○=利用者、●=図書館
○数年前、朝日新聞に調布図書館についての紹介記事が連載されていたが、全部は見られていないので、そのことについてまとめられた資料がほしい。記事について知らない人のためにも、パネル展示をして広めたら良いと思う。●当時内部では共有したが、何かしらの形で紹介できたら良いので検討する。数字で見る図書館活動などには記載があるが、展示などをすれば記録や宣伝になるのでやった方がいい。改めて気づかされたので感謝する。
○つげ義春展が開催されることを嬉しく思う。水木しげるは有名だが、つげ義春はマイナーな作家なのでいい企画だと思う。
●つげ展については、展示の提案を頂いて一年くらいかけて実現した。
○新刊を一番初めに借りるにはどうしたらよいか知りたい。早い人はどのようにして予約しているのかと不思議に思っている。
●新刊本を1番目で借りるというのは難しいことである。新聞広告を見て申し込むと発売前の場合があるが、新刊本は発売日当日9時からと決まっているため、受け付けることができない。ルールとして、既に図書館で所蔵している本は利用者自身で予約をつけて頂き、所蔵していない新刊本は発売日の9時から先着でリクエストを受付けている。原則、所蔵していない本に対して利用者側で図書館ホームページから予約をつけることはできないが、年に数回あるかないかではあるが、例外として予約を受け付ける場合がある。人気作家や人気シリーズ作品で、発売前から多数予約が見込まれる本については、発売日当日の9時から図書館ホームページで予約を受け付けられる状態にしている。そのことは事前に図書館ホームページにおしらせを掲載する。
○選定会で本を買うか他自治体図書館から借りるか判断しているとのことだが、他自治体図書館にあっても調布で買う、他自治体図書館にあるから買わないといった判断はどういう基準でなされているのか。
●一般書は 4つのグループに分かれて選定会を行っている。それぞれのグループに属している職員が相談し、購入する・しない、もしくはあらかじめ複数冊購入するか、この本は他の図書館で一度借りて様子を見て、予約が増えたら購入するなど判断し決定している。
◯数百人待ちの資料もあるため、何冊で回しているのか興味がある。
○ベストセラーや人気作家の作品など、予約が多くついている本は予約件数に応じて所蔵冊数を増やすと思う。しかし時間がたつと、熱が冷めて利用されなくなってしまう。一方で、目立たないが細々と貸し出されている本を、図書館としてはどう対応しているのか。
●予約で待っている方に早く本を提供できるように複数本を買っている。複本については原則全館上限20冊まで。例外として、ご寄贈頂く場合や、消耗が激しく頻繁に買い替える子どもの本は20冊を超える場合もある。最初から20冊購入するのではなく、予約の付き具合を見ながら徐々に増やしている。本の分野によって、予約が何人ついても追加で購入しないこともあるが、基本的に約2か月半待ちくらいになると冊数を増やすルールになっている。
●複本購入のルールや冊数は、選定会で考えている。週に一度の選定会に向け、毎日出版されるたくさんの本をチェックし、記録、記憶している。選定会で購入する・しないを決め、週に一度発注している。予約が来ている新刊本はこの時点で予約を付けている。
○分館から分館への回送について、一度中央館へ集約されていることに驚いた。エネルギーを使う仕事だと知り、感謝している。
●午前と午後1回ずつ、返却本や予約本が運搬される。午前中に仕分け作業のため中央図書館へ集められ、午後に分館へ配るイメージ。朝早くご連絡いただければ、上手くいけば、夕方には希望の受取館で受け取ることができる。
○予約は一人20件までなので、19件予約してしまうと、一度に複数冊確保されることを懸念して1冊予約するのをためらう。
●予約20件までのルールについてだが、本の貸出しが20冊までなので予約も20件までにしている。寝る暇もないくらい一度に複数冊予約の本が確保されこともある。インターネットが使える方は図書館ホームページにお気に入り機能があるので、自分の中で忘れないようウェイティングリストを作ることができる。利用者自身で管理する方法としては一番良いと思う。また読書記録をつけておけば、後で読もうと思った時にまた予約しやすい。
○他自治体図書館から本を借りることがあるとのことだが、どこに所蔵があるのか自分で調べる方法が分からないので教えてほしい。
●東京都立図書館の統合検索で、どの図書館が所蔵しているかを検索することができる。利用者自身で検索してもらうように促すことがあるが、検索にはコツが必要で難しいと思う。また簡単検索で出てくる・出てこない、というのは永遠のテーマである。単語の切り方や検索の仕組みが他の検索エンジンやホームページと異なるのでクセを探してほしい。本の探し方について利用者向けの講座や、図書館ホームページに案内があったら良いので検討する。
○「今日戻ってきた本」の棚に、長い間同じ本が並んでいることがある。所蔵冊数が多いのは嬉しいが、書架にきちんとしまえたら探しやすくて良いのにと思う。
●「今日戻ってきた本」の棚は、他の人が借りた本は興味を持ってもらいやすいため表に出しておけば借りてもらえるのではないか、というのが本来の狙い。一方で、書庫が一杯で片付けられていないのも現状。
○自分がボランティア活動をしている曜日時間帯に他の参加者がいないため、別のボランティアの方と交流ができる機会があるとよい。
●年に二回ほどボランティアミーティングがあるので参加してほしい。曜日や時間、活動内容の違う方同士で、お互いの活動について話し合える。
○本の状態で「移動中」とはどういう状態なのか。
●受取館へ向かって本を運んでいる状態。半日~1日で確保になる。
○複本は20冊が上限とのことだが、数年たった後の処分はどのようにしているのか。また、1回も借りられなかった本はどうなるのか。
●処分することを「除籍」という。調布市立図書館全館で1冊残すのが原則だが、数年読まれない本は除籍となる。利用回数の多い本は傷みやすいので、痛んだ本を除籍にして買い替えることもある。除籍後の本の行方についてだが、状態の悪い資料は紙資源に、綺麗な状態のものはリサイクル本となる。リサイクル本は、子どもの本は学校や保育園に譲ったり、一般書や雑誌は市民リサイクルとして中央図書館は4階出入り口前の棚に、分館は図書館の出入り口に並ぶ。リサイクル本の取り置きは業務の負担となるためできない。棚には月2~3回置かれ、持って行かれるまで置いておく。
(6)副館長挨拶
本日はありがとうございました。今回のテーマ「予約の本が届くまで」については、特に意見が多そうだと感じました。またこのような機会を作りたいので、引き続きよろしくお願いします。