調布市子ども読書活動推進計画
(最終更新日2010年8月21日)
目次
はじめに
第1章 計画策定の背景
- 1 子どもの読書活動の意義
- 2 子どもの読書活動の現状
- 3 これまでの経緯
- 4 調布市における子どもの読書活動の実態
第2章 調布市子ども読書活動推進計画策定の基本的な考え方
- 1 計画策定の目的
- 2 計画策定の基本方針
- 3 計画の目標
第3章 調布市における子ども読書活動推進のための取組
- 1 家庭
- 2 学校
- 3 市立図書館
- 4 幼稚園・保育園(保育所)・児童館・公民館・保健センター・その他の施設
- (1) 幼稚園
- (2) 保育園(保育所)
- (3) 児童館
- (4) 公民館
- (5) 子ども家庭支援センターすこやか
- (6) 保健センター
- (7) 障がいのある子どもたちのための施設・学校
- ア あゆみ学園
- イ 東京都立調布養護学校
- (8) 調布市文化会館たづくり
- 5 文庫・その他の団体
- 6 今後の取組
資料1 子どもの読書活動推進に関する法律
資料2 国の子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画のあらまし
資料3 東京都子ども読書推進計画のあらまし
はじめに
読書は、子どもが言葉を学び、想像力を養い、幅広い知識を習得して、社会の中で人々とともに生きる力を身に付けるうえで、欠くことができないものです。加えて、近年、読書により培われる国語力の大切さは、すべての学習の基礎となることが社会的に再認識されつつあり、平成17年7月に制定された文字・活字文化振興法(平成17年法律第91号)でも、国及び地方公共団体に対する責務として、これまで以上に文字・活字文化にふれることができる機会の提供等、環境整備に努めるよう明確に規定されているところです。
調布市では、このような状況を踏まえ、とりわけ、子どもの読書の重要性に鑑み、子どもの読書活動を市の施策の中で推進していくため、子どもの読書活動の推進に関する法律(平成13年法律第154号。以下「法」という。)に基づく調布市子ども読書活動推進計画を策定することとなりました。
この計画は、国の「基本計画」及び東京都の「推進計画」の下に、子どもの読書環境を計画的に整備し、子どもの発達段階に応じた読書活動を支援するため、学校、保育園、図書館等、子どもに関係する機関の連携・協議により作成した素案について、図書館利用者懇談会や図書館協議会等、市民の皆さまの御意見・御指導を得ながら策定したものです。
調布市のすべての子どもたちがあらゆる機会と場所において、自主的に読書活動を行うことができるよう、この計画の実現に向けて、家庭、地域、学校等をとおして多くの市民の皆さまと緊密な連携を図り、積極的に子どもの読書活動の推進に取り組んでまいります。
第1章 計画策定の背景
1 子どもの読書活動の意義
子どもの読書活動は、子どもが言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていくうえで欠くことのできないものです。すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において,自主的に読書活動ができるよう国や地方公共団体は、積極的にそのための環境整備を推進していく必要があります。
2 子どもの読書活動の現状
近年、各種情報メディアの急速な発達・普及など、子どもを取り巻く生活環境の変化により子どもの読書離れが指摘され続けてきましたが、その傾向に変化の兆しがみられます。
日本の子どもの読書活動の現状については、平成16年6月の「第50回読書調査(全国学校図書館協議会・毎日新聞社)によると、1ヶ月の平均読書冊数は、小学生7.7冊、中学生3.3冊、高校生1.8冊となっています。小学生は過去最高の数値となった前年同時期(8.0冊)をわずかに下回りましたが、 中学生・高校生の冊数は大きく伸び、平均でみると読書冊数は増加傾向にあると思われます。 また、1ヶ月間に本を1冊も読まなかった、いわゆる「不読者層」の割合は、小学生7.0%、中学生18.8%、高校生42.6%であり、どの校種でも減少しています。
公立小学校の約88%(1万9、898校)、公立中学校の約74%(7、607校)に及ぶ朝の始業時間前などを利用した全校一斉読書活動の広がり(平成15年度の状況 文部科学省調査)、読み聞かせブーム、ファンタジーブームなどが、読書冊数増加の要因と思われます。
3 これまでの経緯
国は、平成13年12月12日の法の施行に伴い、毎年、4月23日を「子ども読書の日」と定めました。法においては、子どもの健やかな成長に資する読書活動の推進という目的と基本理念が掲げられ、その実現を図るための国の責務、地方公共団体の責務、事業者の努力、保護者の役割、関係機関等との連携強化などについて規定するとともに、基本計画の策定や必要な財政措置等についても盛り込まれています。更に、 国は、これを受けて、平成14年8月、「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」を策定し、次いで、平成15年3月には、東京都が「東京都子ども読書活動推進計画」を策定しました。 市町村でも、国・都の計画の下に、子どもの読書活動推進計画を策定することが求められています。
4 調布市における子どもの読書活動の実態
調布市立学校図書館における子どもの利用実態は、「学校図書館資源共有型モデル地域事業報告書」によると、モデル実践校の飛田給小学校(児童数328人)で、平成15年度の年間貸出冊数は9、329冊であり、学校図書館の蔵書を児童一人が年間平均28冊借り出していることになります。 また、同モデル実践校の第六中学校での生徒一人当たりの3年間の通算貸出冊数を1年間の平均貸出冊数に置き換えてみると、 平成13年度には1冊未満と推定されるのに対し、学校図書館専門嘱託員が配置された平成14年度は3.5冊、平成15年度では11.2冊と大きな伸びを見せています。学校図書館専門嘱託員の配置によって、司書のいる学校図書館が実現した効果があらわれています。 一方、調布市立図書館の利用実態については、年齢別登録者数統計(平成17年3月31日現在)によると、0歳~6歳は人口12、951人に対し登録者は2、264人、7歳~12歳は人口9、956人に対し登録者は8、763人、13歳~15歳では人口4、571人に対し登録者は4、450人となっています。 調布市の乳幼児の17%、小学生の88%、中学生の97%が図書館を利用していることになります。図書館になじみのある小・中学生への継続的な働きかけとともに、登録率の低い乳幼児の図書館利用を促進するための取組が課題となっています。 このような状況の中で、平成14年4月23日、第1回「子ども読書の日」に、調布市立調布中学校と調布市立図書館が、子ども読書活動の実践において優れた効果をあげた団体として文部科学大臣から表彰されています。
第2章 調布市子ども読書活動推進計画策定の基本的な考え方
この計画は、調布市における子どもの読書活動推進に向けた基本理念とその実現をめざして策定される施策の方向性を示すものであり、個々の具体的な施策の内容や数値目標を明示するものではありません。 今後、子どもの読書推進に関わる各部署において連携・協力を図る中で、 年次的な事業計画を作成する等、具体的施策の立案に当たっての指針となるものです。
1 計画策定の目的
調布市子ども読書活動推進計画は、子どもが自主的に読書活動をすることができる読書環境の整備・充実を図るために策定するものであり、子どもの読書活動の推進に取り組むことができるよう市民一人一人はもとより、家庭、地域、学校等のそれぞれが果たす役割を示すとともに、調布市が実践していくべき施策の方向性を明らかにしています。
2 計画策定の基本方針
この計画は、法に基づき国が策定した「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」及び「東京都子ども読書活動推進計画」を参考として、調布市における子どもの読書活動の状況を踏まえつつ、現在実施されている子ども読書推進事業を見直し、その整備・充実を図るために策定するものとします。
3 計画の目標
(1) 子どもの読書環境の整備・充実
調布市の子どもが0歳から18歳に達するまで、身近な場所で本にふれたり、読書に親しんだりできるように子どもの読書環境を整備・充実していきます。また、絵本の読み聞かせ・本の紹介などを実施して、乳幼児期から青少年期の子どもたちに至るまで、発達段階に応じた読書機会の提供に努めます。
(2) 家庭・学校・地域の連携と相互協力による取組
図書館を中心に、子どもの教育・育成に携わる学校・保育園・幼稚園などの関係機関のほか、読書活動推進団体などの地域住民や家庭内で直接子どもに接する保護者が、緊密な連携と相互協力を行える体制を整備し、地域社会全体の取組として子どもの読書活動を推進していきます。
(3) 子どもの読書活動の意義や大切さの普及・啓発
読書は、子どもの知的好奇心の芽を育て、豊かな感性を育みます。保護者や地域社会の大人が、子どもの読書の大切さについて理解と関心を深めて、子どもに本を手渡していく必要があります。そのために、図書館を中心に、子どもの本や読書についての啓発事業を実施したり、配布物やホームページなどの広報活動をとおして、読み聞かせ等の大切さや意義を広く普及するように努めていきます。
第3章 調布市における子ども読書活動推進のための取組
1 家庭
(1) 家庭の役割
法第6条では保護者の役割が規定されています。子どもの一番身近な家庭で、父母その他の保護者が子どもの読書にどう向き合っていくかが大きな課題です。そのためには、家庭内で次のような取組が望まれます。
- ア 保護者が率先して読書に親しむことにより、子どもの読書への関心を引き出し、家庭内での読書環境を整えること。
- イ 乳幼児期の子どもたちに、保護者がわらべうたを歌ったり、絵本の読み聞かせをして読書への興味を持たせること。
- ウ 子どもと一緒に地域の図書館や書店を利用し、本のある空間に親しみを持たせること。
- エ 子どもが学校図書館や地域の図書館から借りてきた本を、時には保護者も読み、共有する機会を持つこと。
- オ 図書館や児童館その他の関係機関で行っているおはなし会などへ積極的に参加すること。
- カ 育児サークルや読書活動団体ほかが実施している読み聞かせなどの活動に参加すること。
- キ 学校、図書館ほかで配布する子どもの本の推薦リストなどを活用すること。
(2)家庭への働きかけ
調布市内では、図書館をはじめ、児童館・保育園・幼稚園などで、子どもたちを対象にしたおはなし会などを実施しています。これらの取組は、子どもに読書の楽しさを伝え、読書の習慣化を目指すことを目的とするものですが、同時に、保護者等の大人に対して、家庭で子どもと絵本をとおしてふれあい、心と心を通わせることの大切さを伝える場ともなっています。家庭で保護者と子どもがどのくらいの共通の時間を持ち、そして、心が通い合ったか、そのことが子どもの成長には欠かせない栄養となり、読書を楽しむための大前提ともなります。
図書館をはじめとした関係機関は、幼児や小学生の子どものいる家庭に対して、読み聞かせの時間を持つよう働きかけをしていきます。
特に、乳児のいる家庭に対しては、わらべうた、子守唄で語りかけることや赤ちゃんと絵本を開くひとときを持つよう啓発に努めていきます。
2 学校
(1) 読書推進計画の作成と実施
市立小・中学校では、学習指導要領に基づき読書指導を位置付け、学校経営方針に従って、司書教諭を中心に全教職員による読書活動の実施に努めていきます。
また、学校図書館の利用を教育課程に位置付け、年間利用計画を作成し、学校生活の中で、児童・生徒が調べ学習を効果的に進め、読書に親しむことができる環境を整えていきます。
(2) 学校図書館の運営
学校図書館は、教育課程の展開に寄与するとともに、児童・生徒の興味や関心にこたえて基本的な教養を身に付けることができる場であり、 児童・生徒の発達段階に応じた適切な図書を選択し、十分な蔵書数を確保することが求められます。学校図書館が従来の読書センターの役割のみならず、学習・情報センターとして機能するためには、今まで以上に校内協力体制の整備が必要となります。学校長の指示のもと、司書教諭を中心に、学校図書館担当教員・図書主任・学校図書館専門嘱託員・その他の教職員の協議の場を設定し、連携を図っていきます。
校内では、児童・生徒図書委員会を可能な限り複数の担当教職員が指導し、一層活発に活動できるようにします。更に、保護者や地域住民による学校支援ボランティアの協力を得て、読み聞かせなどの読書活動を実施するほか、学校図書館の環境整備を図っていくとともに、校外では、市立図書館など関係機関との連携を強めていきます。 また、児童・生徒や保護者の読書への関心を高める広報活動として、学校図書館だより・読書新聞ほかの広報紙面、ホームページなどの充実を図ります。
(3) 学校図書館専門嘱託員の配置
平成14年度以後、調布市内のすべての市立小・中学校に、学校図書館専門嘱託員(司書又は司書教諭有資格者)が配置され、司書のいる学校図書館が実現しました。学校図書館専門嘱託員は、学校図書館運営の司書的業務全般において、大きな役割を果たしています。
配置された当初は1日5時間・週3日勤務でしたが、平成17年4月には週4日に増えています。
常時開館・常時対応できる体制づくりのためには、学校図書館専門嘱託員の勤務日数や勤務時間を更に拡大していくことが求められます。
(4) 読書の時間の確保と計画的な読書活動の推進
調布市では、すでに多くの小・中学校で、朝の一斉読書の時間や図書の時間など、学校生活の中で児童・生徒が本を読むための時間が確保されています。学習指導要領に基づき、読書の時間に、読み聞かせ・ブックトーク・ストーリーテリングなどを取り入れることで、児童・生徒の本への関心を更に高めていきます。また、 読書週間や読書月間の設定、「子ども読書の日」の行事や集会、休み時間や放課後を利用したおはなし会、読書クイズ、ブックリスト作成など、読書活動活性化のための多彩なプログラムを提供するよう努めます。
(5) 学習支援機能の整備
学校図書館が児童・生徒の学習を支えるためには、教育課程に寄与する資料の体系的計画的な整備と組織化が求められています。「総合的な学習の時間」をはじめ、 各教科・領域等の資料の活用、委員会活動・部活動、選択教科などの教育活動における学校図書館機能の利用等をとおして、学習支援機能の整備を図っていきます。そのためには、小・中学校の9年間で、調べ学習に必要な知識や技術を段階的・系統的に教えることが必要です。
(6) 障がいのある児童・生徒に配慮した読書活動の充実
児童・生徒の障がいの状態や特性に配慮した図書を選定して、教室に備えるとともに、市立図書館から布の絵本等の資料提供を受け、子どもたちの本への興味を引き出していきます。 学級単位での市立図書館の訪問やおはなし会への参加など、現在実施している読書活動を更に充実させていきます。
(7) 学校図書館の環境整備
従来の書架や閲覧スペース、推薦図書や紹介ポスターを展示できるコーナー、実篤コーナーなどに加え、読み聞かせや紙芝居・パネルシアターができるおはなしコーナーの設置、 更に植物の配置など、環境美化に努めるとともに、安らぎのある魅力ある空間を工夫していきます。
併せて什器・備品・空調関係等、読書環境の整備に向けて関係部署との協議・調整を積極的に図っていきます。
(8) 学校図書館資料の組織化とコンピュータによる管理
調布市の学校図書館においては、図書の受入れ・整理・除籍(廃棄)、貸出しや返却がすでにコンピュータ管理されています。今後は、更に使いやすい検索システムの整備と、情報環境の急速な変化にも対応できるデータベースの構築を図っていきます。
調布市では平成13年度に資源共有化のための図書搬送システムを導入していますが、このシステムは、学校図書館及び市立図書館をはじめとする関連機関や団体がネットワークを組むことが必要であるという文部科学省の方針に基づくものです。今後は、学校図書館の資料を組織化し、相互利用できる体制を更に充実させていくために、資料の共同利用の拠点となる学校図書館支援センター的な機能の構築についても調査・研究していきます。
(9) ボランティアとの連携・協力
すでに調布市内の多くの小・中学校で、保護者等による読み聞かせ、展示など、子どもの読書推進に関わるボランティア活動が活発に行われています。今後も、司書教諭や学校図書館専門嘱託員をコーディネーター役として、読み聞かせ・ブックトーク・ストーリーテリング・パネルシアター・人形劇などのおはなしボランティア、書架整理・図書の補修・装備、ポスターや展示物製作など、ボランティア活動を実践する保護者等との協力関係を保ち、計画的・継続的な活動を支援していきます。学校と教育委員会指導室・図書館等、教育委員会各部署との連携を強化して情報交換に努め、子どもの読書活動に関わる研修会や交流会を開催します。また、学級文庫用図書・調べ学習対応図書の共同保管や効果的な活用の研究を進めていきます。
3 市立図書館
市立図書館は、子どもが気軽に立ち寄り、読書や調べものや疑問の解決ができるよう子どもの生活に根ざした魅力的な施設を目指します。子どもと本とのかけがえのない出会いを応援するために、さまざまな機会をとらえて本を紹介するとともに、読書を楽しむきっかけが得られるような事業を実施していきます。
(1) 選書の重視と蔵書の充実
子ども時代は、本に対する好みや質の感覚が養われる大切な時期であり、読書の習慣もこの時期につくられるものです。選書に力を注ぎ、できるだけ質の高い本を選ぶとともに、 年齢や生活体験や読書体験が異なる子どもたちに向けて、個人の興味や読書力に合った本を揃え、提供していきます。 図書館では、平成11年に79、337、000円だった図書購入費が、平成12年には99、996、000円、その後も9千万円台の図書購入費を維持しており、多摩各市の状況をみても上位の予算規模を確保しているといえます。今後も良質な図書館サービスを提供するという観点から、図書購入費の安定確保は欠かせない要因といえます。少子化社会においても、子どもの人口減に左右されることなく、可能な限り、子どものための図書購入費の増額を図るとともに、魅力ある蔵書を構築していきます。
(2) おはなし会の充実
図書館では、全館で開館当初から、絵本の読み聞かせ・ストーリーテリングなどのプログラムでおはなし会を実施しているほか、中央図書館では学校週5日制への対応として、土曜日に小学生対象のおはなし会を開いています。
- ア 中央図書館では、月に1回、2・3歳児と親を対象にしたわらべうたと絵本の読み聞かせの「ちいちゃいちいちゃいおはなし会」を開催していますが、希望者が多く、回数を増やすことを検討していきます。また、分館でも、2・3歳児対象のおはなし会を実施できるよう充実・拡大を検討していきます。
- イ 各館のおはなし会は、選書・蔵書構成・展示等、すべての図書館サービスにつながるものという位置付けで職員が実施しています。今後も職員を中心に実施していきますが、市民から要望が出されているおはなしボランティアについては、導入に向けて図書館の方針や活動内容について十分な研修を行う中で、人材育成を図るとともに、図書館内外での活動の場を提供していきます。
- ウ 現在、中央図書館や分館で、保育園のクラスを対象にしたおはなし会や、障がい児クラスを対象にしたおはなし会を実施していますが、平日午前に定期的に行っている個別団体へのおはなし会は、今後も継続・充実させていきます。
(3) 各種事業の充実
- ア 子どもを対象にした事業
中央図書館では、4・5・6年生を対象に、テーマに沿った本の紹介を中心とした「小学生読書会」を実施しています。市内全域から参加があり、参加者数も一定しています。子どもたちの読書への意欲が強く感じられ、図書館員が子どもを知り、選書の参考にするうえでも絶好の機会となっています。今後も内容の充実に努めつつ継続していきます。現在、中学生を対象に、中学生の交流と図書館利用の促進を目的に、中学生による中学生のための通信「ぶちねこ便」を毎月発行したり、また、 この数年、中学校や高校からの要望で職場体験を受け入れたりしています。そのほかに、図書館の使い方セミナー、図書館見学ツアーなど、子どもたちのニーズを十分に把握する中で、各種事業の充実を図っていきます。
- イ 子どもの本に関わる大人を対象にした事業
子どもの本に対する理解を深めるという目的で毎月行っている「子どもの本を読む会」、毎年2回連続講座として実施している「子どもの本に親しむ会」、毎年3回連続講座として実施している「絵本の読み聞かせ講座」の充実・継続を図るとともに、子どもの本に関心のある大人のニーズにこたえ、分館で気軽に参加できる事業も実施していきます。
(4) 学校図書館との連携の充実
市立図書館と小学校は、3年生を対象にした図書館ガイダンスの実施、学級文庫への団体貸出などを中心に連携を図ってきました。学校図書館に司書教諭や学校図書館専門嘱託員が配置されている現在では、市立図書館と学校図書館との連携をより緊密にしていかなければなりません。調べ学習が盛んな今、地域の図書館と学校図書館のそれぞれの特性を生かした資料の提供システムの構築が大きな課題となっており、そのネットワーク化についても検討していきます。
(5) ブックスタート事業の充実
ブックスタートは、「赤ちゃんと絵本を開くひとときの楽しさや大切さ」を伝え、地域ぐるみで子育てを応援する運動で、平成17年3月末までに653自治体、多摩地区では、小金井・狛江・多摩・西東京・東久留米・東大和・日野・三鷹・武蔵野の各市で実施されています。
調布市では、図書館の児童サービスの活動実績を踏まえ、平成13年度から独自の方法で健康課と連携してブックスタート事業を実施しています。具体的な取組としては、『このほんよんで!』 (図書館で推薦する絵本のリスト)・図書館の利用案内などを一緒にして、保健センターの1歳6ヶ月児健康診査に来所した保護者に配布しています。
今後は、健康課や子ども家庭支援センターすこやかとの連携について一定のシステム化を図るなど、この事業の充実をめざすとともに、『このほんよんで!』 を対象年齢別に分冊することや、乳児向きブックリストの作成、赤ちゃん絵本の無料配布、保護者への啓発なども検討していきます。
(6) 展示の充実
子ども室の楽しい雰囲気づくりと、子どもに薦めたい本を目につきやすくすることを目的に、季節や行事、話題になっているテーマなどに沿った展示を工夫しています。 展示コーナーを活用した大がかりな展示のほか、調べ学習のテーマに対応したミニ展示など、 利用状況に合わせて臨機応変に本を紹介するよう努めます。現在、展示の様子は写真に記録し、ホームページで公開していますが、 更なる情報発信のために、展示した本の一覧をリスト化・データ保存し、テーマ別のデータベース作成につなげていけるよう努めていきます。
(7) 『このほんよんで!』等の刊行物・リスト類の充実
刊行物については、幼児向け絵本の紹介冊子『このほんよんで!』の改訂版を発行し、『小学生にすすめる本』の改訂準備に取りかかります。
図書リストについては、「1年生にすすめる本」、「クリスマスのほん」、「子どものほん」など、毎年グレード別の発行を継続します。
「夏休みにすすめる本」は、調布市立小学校教育研究会図書部と一層の連携を図り、全小学校児童を対象とした発行を継続します。
調べ学習対応のガイドブック「図書館で調べものをするときに」については、学校図書館と連携して、より児童の学習要求に沿った内容に改善していきます。 また、新規事業として、保護者からの要望が多い乳幼児(0~2歳)向けブックリストの作成にも着手していきます。
(8) 資料検索の利便性向上
図書館内の資料検索機には、子ども用の画面があり、タッチパネル方式で児童図書に限定した資料検索ができるようになっています。一方、インターネットの蔵書検索システムには、子ども用の画面がないところから、マウス操作だけでできる五十音表による文字入力画面や、児童図書に限定できる資料の絞込み検索機能が求められています。インターネットの蔵書検索画面について、年少の子どもにも使いやすいようシステム開発の検討を進めていきます。
(9) ボランティアの支援・養成及び連携・協力
現在、子ども室の書架整理・印刷物の整理・行事用の小物製作などの作業で、「図書館ボランティア」が活躍しています。今後もボランティアと一層の連携を図り、活動内容を充実させていくとともに、幼稚園や小学校・児童館等で読み聞かせをする「おはなしボランティア」を養成するために、「絵本の読み聞かせ講座」を毎年開催し、 人材の育成に努めていきます。また、受講者が継続して勉強できる場を設定したり、連絡会の開催なども検討していきます。
(10) ホームページの充実
子どものためのページの充実を図り、ホームページ上で図書館の上手な使い方や調べ物の手順がわかるようにします。推薦図書やテーマ別リスト掲載図書の一覧ページから予約までできるようなシステムを作り、利便性の向上を図っていきます。子どもの調べ学習を支援するために、レファレンスデータベースの構築も検討していきます。おはなし会・小学生読書会などの事業、子ども室の展示等の情報については、 日時やテーマのお知らせだけでなく、内容が伝わるように充実を図ります。また、大人に対しても、ホームページ上で、子ども読書活動の必要性と推進のためのPRに努めます。
(11) 図書館網を生かしたサービスの充実
子どもが歩いて行ける距離に配置されている10分館と中央図書館を拠点として、地域に密着した読書活動を展開します。近隣の小・中学校、幼稚園や保育園、児童館等との連携を密にして、学習課題や地域の子どもたちのニーズの把握に努め、図書館の蔵書の構築や展示の企画に生かすとともに、学校や幼稚園等で読み聞かせをしている保護者へのアドバイスなど、子どもの本に関わる大人に対しても、地域密着型のきめ細かな対応が実践できるよう努めていきます。
(12) 障がいのある子どもへのサービスの充実
障がいのある子どもの読書を支援するため、布の絵本・布の道具、子どもの本の録音図書(DAISY図書を含む。)作成や、点字本・大活字本等、図書館資料の充実を図り、利用を促進します。
目の不自由な子どものために、音訳者・点訳者の養成に一層力を入れていくとともに、市立小・中学校の心身障害学級や都立調布養護学校の児童・生徒へのサービス(公共図書館の利用指導・団体貸出・おはなし会)、あゆみ学園の子どもたちへのサービス(布の絵本などの団体貸出とおはなし会)の提供についても、継続・充実を図っていきます。なお、施設面では、バリアフリー化の検討を積極的に行っていきます。
(13) 「調布市子ども読書活動推進計画」の進行管理
「調布市子ども読書活動推進計画」の推進を図っていくため、専任の担当者を配置し、図書館の児童サービスに関する事業展開に当たって、この計画に基づく具体的施策を反映させていくよう努めます。
4 幼稚園・保育園(保育所)・児童館・公民館・保健センター・その他の施設
(1) 幼稚園
幼稚園では、教諭による絵本の読み聞かせ、パネルシアターや紙芝居の上演などの読書活動が日常的に行われています。絵本の読み聞かせは、目と耳からの読書体験であり、園児を物語の世界へいざない、本に興味を持たせることができるものです。また、読み手の大人と聞き手の子どもが物語の世界をともに楽しむことにより、温かな心の交流が生まれます。幼児期の成長・発達を配慮しながら質の良い絵本を選び、読み聞かせを更に充実させていくことによって、子どもの健やかな成長の基礎をつくる重要な時期に読書習慣の形成を図っていきます。障がいのある園児については、特別のプログラムのもとに、読書活動が展開できるよう検討していきます。
保護者への働きかけとしては、「園だより」・「図書新聞」等で読書に関する情報を提供したり、読書週間や子ども読書の日等の行事、講座・講演会などをとおして啓発に努めていきます。
幼稚園の図書コーナーには、可能な限り、選りすぐられた本や紙芝居を揃えるように努めるとともに、園児の家庭への貸出しも考慮していきます。また、いくつかの幼稚園で実施されている保護者による絵本の読み聞かせの継続・充実を支援する視点から、地域の図書館や関係機関との連携・協力を一層強化するよう努めていきます。
(2) 保育園(保育所)
保育園では、給食の前やお昼寝前の時間などを利用して、保育士が絵本の読み聞かせ、パネルシアターや紙芝居の上演などを毎日実施しています。絵本の読み聞かせが子どもの想像力を豊かにし、言葉への興味や「ごっこ遊び」につながるなど、園児の心の成長に本は欠かせないものになっています。 園児と本の出会いを支援するためには、0歳から6歳までの発達段階に即した絵本が各部屋に十分備わっていることが求められます。 また、市立図書館のリサイクル図書の有効活用に積極的に取り組むほか、図書購入費の予算化等、読書環境の整備に努めていきます。
保護者に対しては、「園だより」、講座・講演会などをとおして、啓発に努めていきます。現在も子育て支援活動・地域交流事業の一環として、保育園主催で子どもの読書についての講座を実施しており、その継続・充実を図っていきます。
また、多くの保育園で実施中の市立図書館との連携(おはなし会や団体貸出)を充実させていきます。
(3) 児童館
児童館では、職員やスタッフ、ボランティアによる読み聞かせなどの読書推進活動が日常的に行われています。「子ども支援スタッフ」(成人ボランティア)の朗読サークルによる 「おはなしの会」や文庫による人形劇など、地域の協力体制があり、今後も維持・充実を図っていきます。
また、市立図書館や関係機関、ボランティア団体との連携の中で、多彩な読書活動推進プログラムの展開に努めていきます。
児童館には図書室があり、子どもたちが本に親しむ場となっていますが、児童館事業、「子育てひろば」事業(乳幼児)、「学童クラブ」(小学校1年~3年生)事業のほか、「青少年ステーション(CAPS)」(中・高生)など、児童館を拠点とする各種事業に集う0歳から18歳までのニーズにこたえるためには、幅広い蔵書が必要とされています。図書購入費の予算化等、児童館図書室の充実に向けて努力していきます。併せて市立図書館のリサイクル図書の有効活用にも積極的に取り組んでいきます。
(4) 公民館
公民館では、子育て支援のための家庭教育講座の中で、絵本の読み聞かせやわらべうたを取り入れていますが、今後も一層の充実を図っていきます。また、おはなしのサークルや手作り絵本をテーマとした成人学級の活動を支援し、定期的におはなし会の会場を提供するほか、一部の公民館では、オープンスペースにある本だなに絵本や童話を置き、貸出しも実施しています。子どもの読書環境の充実の観点から、関係機関等が実施する子どもの読書推進事業に係る積極的な支援を行うことができるよう努めていきます。
(5) 子ども家庭支援センターすこやか
「子ども家庭支援センターすこやか」は、子育てを総合的に支援するための拠点として、乳幼児親子や小学生への遊びの場の提供、ショートステイなどの事業の中で、指導員による絵本の読み聞かせを行っています。
市内のボランティア団体による読み聞かせも盛んで、毎月定例のおはなし会を開催しています。
読み聞かせに使う絵本や紙芝居については、市立図書館からの団体貸出も利用しています。
「すこやか」に遊びに来た子どもが自然に本に手を伸ばせる環境づくりのためには、図書コーナーの充実が必要となってきます。乳児期の子どもは、絵本に描かれた果物をつまんで食べるまねをしたり、 絵本の中の汽車を実際に走らせてみたりする体験をとおして、読書の喜びを知るものです。そのため、特に人気のある本ほど消耗が早く、 図書購入費の予算化等、図書コーナーの充実に向けて検討していきます。併せて、市立図書館のリサイクル図書の有効活用にも積極的に取り組んでいきます。
また、子育て支援の講座・講演会の中で、子どもの読書活動について、保護者等の啓発を図っていきます。
(6) 保健センター
健康課では、子どもとその保護者に対して子どもの心身の健やかな発達を促し、よりよい安定した親子関係を築けるように母子保健に関する事業を実施する中で、 絵本に接する機会を提供しています。乳幼児健診事業のうち、1歳6ヶ月児健康診査では保育士による親子の遊び紹介の中で、手遊びや絵本の読み聞かせ、 図書館との連携によるブックスタート事業を実施しています。更に3歳児健康診査では、読み聞かせボランティアによる絵本の読み聞かせをしています。
また、会場に訪れた親子が絵本にふれられるように図書コーナーを設けています。これらは、「調布っ子すこやかプラン」(調布市次世代育成支援行動計画)の基本理念である “緑と水に恵まれた自然や、家庭、学校等及び地域のつながりの中で、安心して子どもを産み育てられるまちちょうふ”の一環で実施しているものです。今後は更に、図書館と連携し、4ヶ月児・1歳6ヶ月児・3歳児等すべての集団健康診査時にシステム化されたブックスタート事業を実現するよう協議してまいります。
(7) 障がいのある子どもたちのための施設・学校
- ア あゆみ学園 あゆみ学園では、発達に何らかの遅れなどがある乳幼児に対し、専門的な療育指導の一環として、絵本の読み聞かせや布の絵本を使った遊びを実施しています。布の絵本には、小物を取り外せるものが多く、 テープやスナップを外したりはめたりするのを楽しむうちに、子どもの興味を引き出し、発達を促すという効果もあります。今後も、一人一人の可能性を求め、布の絵本等、子どもの興味や状態にあった資料を収集していきます。 また、市立図書館との連携によって実施しているおはなし会や団体貸出(年6回)についても継続・充実させていきます。
- イ 東京都立調布養護学校 都立調布養護学校(小学部・中学部)では、一人一人に必要な支援と適切な指導を追求して、子どもの読書ニーズに応じた図書の収集や、読み聞かせ、学習発表会での名作劇など、児童・生徒の可能性を引き出すような読書活動を展開しています。市立図書館との連携によるおはなし会や団体貸出など、地域との積極的な連携を図っていきます。
(8) 調布市文化会館たづくり【生涯学習情報コーナー】
調布市文化会館たづくり11階にある生涯学習情報コーナーでは、おはなしや読み聞かせの勉強会・児童文学の研究会などの学習サークルの情報や、 図書館、公民館、児童館等で行う子どもの読書に関する事業など、子どもの読書推進に関する情報提供について積極的に取り組んでいきます。
5 文庫・その他の団体
家庭文庫・地域文庫は自主的に読書活動を実践する団体で、子どもたちが最も身近に親しい雰囲気の中で、本に接することができる場所です。調布市内の文庫でも、それぞれ独自に、読み聞かせ・図書の貸出し・保護者同士の交流や学習などの活動を展開しています。
そのほかに、読み聞かせや児童文学を研究・実践するサークルが、公民館や調布市文化会館たづくりを拠点にして読書活動を推進していますが、学校や児童館・公民館などでの読み聞かせをはじめとする読書普及活動や、保護者への啓発活動を地道に行っています。
市立図書館は、これらの団体と連携して相互に資料や情報の提供が行えるよう積極的に取り組んでいきます。
6 今後の取組
(1)推進体制等
本計画の推進には、家庭、学校、地域が一体となった取組を行うため、図書館が中心となって、関係機関、団体、書店等との連携・協力関係を更に強化し、具体的な方策を推進する体制の整備に努めていきます。
(2)財政上の措置
本計画に掲げられた各種施策を実現するため、調布市、関係機関、団体等の役割に応じ、必要な財政上の措置を講じるよう努めてまいります。 また、国及び東京都に対して積極的な働きかけを行い、可能な限りの財政措置を講じるよう求めてまいります。
資料1 子どもの読書活動推進に関する法律
平成13年12月12日 法律第154号制定
(目的)第1条 この法律は、子どもの読書活動の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、子どもの読書活動の推進に関する必要な事項を定めることにより、子どもの読書活動の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって子どもの健やかな成長に資することを目的とする。
(基本理念)
第2条 子ども(おおむね18歳以下の者をいう。以下同じ。)の読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものであることにかんがみ、すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない。
(国の責務)
第3条 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、子どもの読書活動の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)
第4条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、子どもの読書活動の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(事業者の努力)
第5条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、子どもの読書活動が推進されるよう、子どもの健やかな成長に資する書籍等の提供に努めるものとする。
(保護者の役割)
第6条 父母その他の保護者は、子どもの読書活動の機会の充実及び読書活動の習慣化に積極的な役割を果たすものとする。
(関係機関等との連携強化)
第7条 国及び地方公共団体は、子どもの読書活動の推進に関する施策が円滑に実施されるよう、学校、図書館その他の関係機関及び民間団体との連携の強化その他必要な体制の整備に努めるものとする。
(子ども読書活動推進基本計画)
第8条 政府は、子どもの読書活動の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画 (以下「子ども読書活動推進基本計画」という。)を策定しなければならない。
2 政府は、子ども読書活動推進基本計画を策定したときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。
3 前項の規定は、子ども読書活動推進基本計画の変更について準用する。
(都道府県子ども読書活動推進計画等)
第9条 都道府県は、子ども読書活動推進基本計画を基本とするとともに、当該都道府県における子どもの読書活動の推進の状況等を踏まえ、 当該都道府県における子どもの読書活動の推進に関する施策についての計画(以下「都道府県子ども読書活動推進計画」という。)を策定するよう努めなければならない。
2 市町村は、子ども読書活動推進基本計画(都道府県子ども読書活動推進計画が策定されているときは、子ども読書活動推進基本計画及び都道府県子ども読書活動推進計画)を基本とするとともに、当該市町村における子どもの読書活動の推進の状況等を踏まえ、当該市町村における子どもの読書活動の推進に関する施策についての計画(以下「市町村子ども読書活動推進計画」という。)を策定するよう努めなければならない。
3 都道府県又は市町村は、都道府県子ども読書活動推進計画又は市町村子ども読書活動推進計画を策定したときは、これを公表しなければならない。
4前項の規定は、都道府県子ども読書活動推進計画又は市町村子ども読書活動推進計画の変更について準用する。
(子ども読書の日)
第10条 国民の間に広く子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに、子どもが積極的に読書活動を行う意欲を高めるため、子ども読書の日を設ける。
2 子ども読書の日は、4月23日とする。
3 国及び地方公共団体は、子ども読書の日の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない。
(財政上の措置等)
第11条 国及び地方公共団体は、子どもの読書活動の推進に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
資料2 国の子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画のあらまし
第1章 はじめに
第2章 基本的方針
- 1 子どもが読書に親しむ機会の提供と諸条件の整備・充実
- 2 家庭、地域、学校を通じた社会全体での取組の推進
- 3 子どもの読書活動に関する理解と関心の普及
第3章子どもの読書活動の推進のための方策
1 家庭、地域、学校における子どもの読書活動の推進
- (1) 家庭・地域における子どもの読書活動の推進
- ア 家庭における子どもの読書活動の推進
- 1) 子どもの読書活動の推進における家庭の役割
- 2) 家庭教育に関する学習機会等を通じた読書活動への理解の促進
- イ 図書館における子どもの読書活動の推進
- 1) 子どもの読書活動の推進における図書館の役割
- 2) 図書館における子どもの読書活動の推進のための取組
- ウ 児童館における子どもの読書活動の推進
- エ 民間団体の活動に対する支援
- 1) 子どもの読書活動の推進における民間団体の活動の役割
- 2) 民間団体の活動に対する支援
- ア 家庭における子どもの読書活動の推進
- (2) 学校等における子どもの読書活動の推進
- ア 子どもの読書活動の推進における学校の役割
- イ 児童生徒の読書習慣の確立・読書指導の充実
- ウ 家庭・地域との連携による読書活動の推進
- エ 学校関係者の意識高揚
- オ 障害のある子どもの読書活動の推進
- カ 幼稚園や保育所における子どもの読書活動の推進
2 子どもの読書活動を推進するための施設、設備その他の諸条件の整備・充実
- (1) 地域における子どもの読書環境の整備
- (2) 公立図書館の整備・充実
- ア 図書資料の整備
- イ 設備等の整備・充実
- 1) 移動図書館車の整備
- 2) 図書館の情報化
- 3) 児童室等の整備
- ウ 司書の研修等の充実
- 1) 司書の養成と適切な配置
- 2) 司書の研修の充実
- エ 障害のある子どもの読書活動を推進するための諸条件の整備・充実
- (3) 学校図書館等の整備・充実
- ア 子どもの読書活動の推進における学校図書館の役割
- イ 学校図書館の図書資料、施設、設備その他の諸条件の整備・充実
- 1) 学校図書館図書整備5か年計画
- 2) 学校図書館施設・設備の整備・充実
- 3) 学校図書館の情報化
- 4) 学校図書館の活用を充実していくための人的配置の推進
- 1 司書教諭の配置
- 2 学校図書館担当事務職員の配置
- 3 教職員間の連携
- 4 外部人材による学校図書館活動の支援
- 5) 学校図書館の開放
- ウ 幼稚園や保育所における図書スペースの確保と選書の工夫
3 図書館間協力等の推進
- (1) 図書館間等の連携・協力
- (2) 図書館と大学図書館の連携・協力
- (3) 図書館・学校図書館と「国際子ども図書館」との連携・協力
4 啓発広報等
- (1)啓発広報の推進
- ア 「子ども読書の日」を中心とした全国的な啓発広報の推進
- イ 各種情報の収集・提供
- (2) 優れた取組の奨励
- (3) 優良な図書の普及
第4章 方策の効果的な推進に必要な事項
1 推進体制等
- (1)推進体制
- (2) 地域における子どもの読書活動推進体制の整備
- (3)地方公共団体間の連携・協力体制の整備
- (4) 民間団体間の連携・協力の促進に対する支援
2 財政上の措置
資料3 東京都子ども読書推進計画のあらまし
第1部 基本方針
第1章 計画策定の背
第1 子どもの読書活動とは
- 1 子どもの読書活動の意義
- 2 子どもの読書活動の現状
第2 国の動向
第2章 基本的な考え方
第1 計画の性格
第2 計画の目標
- 1 子どもの読書環境の整備
- 2 子どもの読書活動に関する理解の促進
- 3 地域・社会全体での子どもの読書活動の推進
- 4 子どもの読書活動を推進するための人材の育成
第3 計画の期間
第2部 推進のための具体的な取組
第1章 家庭・地域等
第1 家庭・地域等における読書活動の推進
1 家庭・地域
- (1) 家庭・地域に期待される役割
- (2) 家庭・地域における読書活動の推進
- ア 育児における絵本
- イ 保護者の読書活動
- ウ 地域の図書館等の積極的利用
- ア) 地域の図書館
- イ) 家庭・地域文庫
- エ 地域の読書活動への参加
- オ 青少年期における読書の奨励
【東京都の取組】
- ア 読書活動推進のための啓発資料の作成及び配布(家庭・地域向け)
- イ 子どもの読書に関する調査の実施
- ウ 講師、ボランティア等人材情報の発信
【区市町村に期待される役割】
- ア 子育て支援事業における読書活動の推進
- イ 図書館員、保育士、児童館指導員等の研修と交流
- ウ ボランティアの育成
- エ 地域の読書団体(家庭文庫・地域文庫等)への支援
2 図書館
【東京都の取組】
- ア 「都立図書館子どもページ(仮称)」の開設及び相談受付
- イ 読書活動に障害のある子どもへの支援
- ウ 子どもの読書に関する調査の実施
- エ 外国語の児童図書の情報提供
- オ 児童サービスの専門的職員の育成
- ア) 児童サービス職員の新任研修
- イ) 児童サービス職員の現任研修
- カ ボランティアリーダーの育成
【区市町村に期待される役割】
- ア 区市町村立図書館における児童サービスの一層の充実
- イ 乳幼児へのサービス
- ウ 青少年(13~18歳)へのサービス
- エ 在京の外国人児童生徒、帰国児童生徒等へのサービス
- オ 障害のある子どもへのサービス
- カ 児童青少年サービスの専門的人材の育成・配置
3 児童館、その他施設
【東京都の取組】
- ア 東京都児童会館における読書活動推進事業の実施(福祉局)
- イ 保健所・保健センターにおける読書活動推進のための支援(健康局)
【区市町村に期待される役割】
- ア 地区児童館や公民館における読書活動推進事業の実施
- イ 保健所・保健センターにおける読書活動推進
第2 家庭・地域等における読書活動を推進するための施設・設備の充実
1 図書館の計画的な整備・充実
【東京都の取組】
- ア 東京都内の公立図書館の振興と援助
- イ 都立図書館における児童青少年資料の充実
- ウ 都立図書館における児童・青少年サービス施設の充実
【区市町村に期待される役割】
- ア 児童青少年資料の充実
- イ 児童青少年コーナーの整備
2 身近な読書施設、環境の整備・充実
【区市町村に期待される役割】
- ア 幼稚園・保育園等に対する支援及び公民館等における図書コーナーの充実
第3 啓発広報
【東京都の取組】
- ア シンボルマークやキャッチフレーズの制定
- イ 「東京都子ども読書シンポジウム(仮称)」の開催
- ウ 読書活動推進のための啓発資料の作成及び配布(家庭・地域向け)
- エ 都立図書館における啓発広報の促進
【区市町村に期待される役割】
- ア 展示会等、イベントの開催・周知
- イ 保護者に対する啓発
第2章 学校
第1 学校における読書活動の推進
- 1 学校の役割
- 2 学校における読書活動の推進
- ア 読書時間の確保
- イ 読書指導の充実
- ウ 各教科、特別活動、総合的な学習の時間等における読書活動の充実
- ア)各教科、特別活動、総合的な学習の時間における学校図書館の利用
- イ) 学校図書館及び公立図書館の利用指導の充実
- ウ) 書委員会の活動の充実
- エ 子どもによる他校種の学校、幼稚園及び保育園との連携
- オ 幼児期における読書の充実
- カ 障害に配慮した読書活動の充実
- キ 学校図書館の利用を充実していくための人的配置等
- ク 教職員の共通理解の確立と校内研修の充実、読書指導推進体制の確立
- ケ 家庭への啓発
【東京都の取組】
- ア 読書活動推進校の指定
- イ 司書教諭等の研究・研修
- ア) 東京都教育研究員(学校図書館部会)
- イ) 東京の教育21研究開発委員会(学校図書館部会)
- ウ) 学校図書館研修(司書教諭や一般教諭対象の研修会)
- ウ 「都立学校図書館運営の手引(仮称)」の作成
- エ 読書活動の普及・啓発
- ア) 読書活動推進のための啓発資料の作成及び配布
- イ) 読書活動推進のための実践発表会の実施
- ウ) 顕彰制度(児童・生徒等表彰)
【区市町村に期待される役割】
- ア 司書教諭配置後の研修の充実
- イ 区市町村における特色ある活動
第2 学校における読書活動を推進するための学校図書館の充実
- 1 学校図書館の役割
- 2 学校図書館の計画的な整備・充実
- ア 図書資料の整備・充実
- イ 調査に基づいた学校図書館整備
- ウ 障害のある子どもの読書に対する学校図書館整備
- エ 学校図書館の情報化の検討
第3 啓発広報
【東京都の取組】
- ア 読書活動推進のための啓発資料の作成及び配布
- イ 読書活動推進のための実践発表会の実施
- ウ 顕彰制度(児童・生徒等表彰)
- エ 読書活動優秀実践校等の実践の紹介
【区市町村に期待される役割】
- ア 学校の優れた読書活動の実践事例の収集及び紹介
- イ 子ども読書の日、読書週間に行われる行事の周知
第3章 関係機関等の連携・協力
第1 「東京都子ども読書活動推進会議(仮称)」の設置
第2 図書館等の連携・協力
1 学校と図書館等の連携・協力
【東京都の取組】
- ア 司書教諭、学校司書等の研修への支援
- イ 授業、課外活動への支援
- ウ 推薦リストの作成
- エ レファレンス・サービスオ 盲・ろう・養護学校との連携
【区市町村に期待される役割】
- ア 団体貸出し等資料の援助
- イ 「総合的な学習の時間」に対応した資料収集法の相談
- ウ 小学校入学時における図書館利用案内とブックリストの配布
- エ 学校訪問、学級招待オ 地域の公立図書館と学校の図書部等との連携
- カ 司書教諭、学校司書等の研修への支援
2 図書館間の連携・協力
- ア 都立図書館と区市町村立図書館
- イ 国立国会図書館国際子ども図書館
※「国の基本計画」及び「東京都の推進計画」は、項目のみを載せています。詳細は、「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(平成14年8月)」及び「東京都子ども読書活動推進計画(平成15年3月)」をご参照ください。