平成28年度 利用者懇談会(第2回)報告

  • 1 日時:平成28年12月1日(木)午後2時から午後4時まで
  • 2 会場:調布市立図書館緑ケ丘分館 おはなし室
  • 3 テーマ:「新ぴゅー太を使いこなそう」
  • 4 参加者:調布市立図書館利用者6人、図書館職員6人
  • 5 内容(要旨) 

(1)館長挨拶及び職員紹介

新しくシステムを入れ替えて、使い方が変わった点を皆さまに説明する企画を設けました。また、図書館を利用していての感想や御意見などをいただければと思っております。

(2)「新ぴゅー太を使いこなそう」報告

資料「ぴゅー太を使いこなそう」を元に、タッチ操作での予約の流れ、キーボード操作での巻数順予約等を説明する。

(3)「平成27年度調布市立図書館事業報告」及び、「平成28年度調布市立図書館事業計画」について

「平成27年度調布市立図書館事業報告」「平成28年度調布市立図書館事業計画」の説明を行った。

(4)参加者自己紹介

○=利用者、●=図書館

○ 本は自分で持っていないと気が済まないタイプでしたので、引越しするときは大変で、2、3千冊は処分したのではと思います。そうは言っても本好きなので、こちらの図書館を利用しています。

○ 調布にかれこれ50年近く住んでいます。ここの図書館を「離れ書斎」と呼んでいます。最近はネットで何でも調べられるようになりましたが、やっぱり図書館に来て、じかに本に触れて、見て、予約してという作業が楽しいです。

○ 今日初めてここの図書館に来ました。本は好きなので、読みたい本をメモして図書館の方に探してもらうのですけど、機械に弱いので今日の勉強会に来ました。館内検索はできるようにしたいと思います。

○ 私が小さい頃よりも、随分能率的になったし、サービスも良くなったなあと思います。以前のぴゅー太は、私にとってとても利用しやすかった。新しいぴゅー太は、1回目の懇談会も出席しまして、昨日中央図書館で使ってみましたら、こういう部分の便利さが向上しているのだなあとわかりました。やっぱり実地でやってみないとわからないものだと、本日も参加しました。新しい知識を与えてくれますので、死ぬまで本を読みたいと思っています。

○ よくここに来ます。中央図書館の本もよく借ります。私は来たときにある本を借りるのですが、実際には棚にない本もいっぱいあるわけですね。返ってこなければ私の目に触れないから、新刊で読みたい本があっても、すぐに借りることができないものだから、それがちょっと不便です。

(5)懇談会  

○=利用者、●=図書館

○ 又吉さんの『火花』のように、予約が700人も付くような流行の本をたくさん図書館に置かないでほしいというニュースもありましたが、そこのところどうなのでしょうか。700人も待つのは大変だし、図書館は「借りられる」から良いのだと思う。

● 図書館という所は、その本を人が借りて行ってしまったらそこにあるのかわからないです。棚にない本は、昔だと貸出し用の目録カードを作って、書名で探すとか著者名で探す方法がありましたが、先ほど説明したようなコンピューターの中で調べようとなりました。棚にない本を探すという点では便利になりました。あとは物理的に置き切れない本をどう探すか。方法は2つで、図書館に返ってきた本をすぐに棚に戻さずに、「今日返ってきた本」というように並べておいて、普段見かけない本に出会ってもらうことがひとつ。もう1つは、テレビや新聞で見て読んでみたいと思った本を、図書館の職員に聞いて手配してもらう。次に新刊の話に移りますが、話題になるのは書店でも売れているし、図書館でもずっと貸出しされていてなかなか借りられません。700番目だと、いったいいつ順番がくるのかという世界です。そうなると待つか、自分で買うかしかないということが現実です。文芸書について図書館で複本(同じ本を複数所蔵する)を持つことや、文庫版を持つことについて、著者や出版社のことも考えて、ついてはその先の図書館利用者も考えてくださいという要請文が出ました。これはかなり難しい話で、図書館が本を買わなくなったら、みんなが書店で本を買うようになるのかというところと、著者のことを考えるというところと。これは答えの出ない話だと思います。

○ 実際に700人もの予約がつく本というのは、どういう本が多いのですか。

● いちばん多いのはやっぱり小説だと思います。図書館は書店にない本にも出会える場所です。大きい書店でもすべての本があるわけではないですし、出版されてしばらく経つと、売れなかった本は返品されます。図書館は基本的に買った本は壊れるまで保存し、書店にない本が図書館にはありますので、それは図書館の力です。ただいわゆる「売れる本」というのは、その図書館の力とはまた別の話でもありますので、今回の要請文はそっちの面だと思います。

○ 実際に図書館の棚にある本以外にも、出ていない本もある。棚にないから「ない」のではなくて、図書館にあるかどうか尋ねたほうがよい。

● はい。調布市立図書館が持っている本は、今約130万冊あります。同タイトルの複本を除いても80万冊くらいになります。その冊数はすべて棚に置ききれない地下書庫に入っていたりして、普段は人目に触れないです。

○ 私は棚にないと、人が借りているか処分されてしまったかと思っていました。

● 汚れるなどして使用できない本は、買い替えられれば替えますし、そうでなければ処分するということもあります。複本についてはなるべく状態のよいものを1冊は残すようにしています。

○ 私も本好きで、もう増やさないと思っているのですが、例えば図書館に寄贈するというのはどうなのでしょうか。

○ 私は寄贈を断られました。

● 人が持っていた本は、正直古くなっていたり汚れていたりで、書き込みなどもあったりするとお断りしています。調布市立図書館の場合は、3年以内あたりで出版された比較的新しい本は寄贈をお受けしています。また地域資料の調布についての本や、コレクションでもある映画関係の本は図書館が集めるべき資料なので頂いています。寄贈についてはよく聞かれるのですが、自分にとっては思い入れのある本ですが、古くなったり汚れたりしていれば他の方は読めないですから、そういう本についてはお断りしないとお互いに次の対処が決まりません。

○ 私の故郷は一向一揆の本場だったそうですが、地元の図書館に行ってもほとんど関係の本がないです。

● その町の歴史ついては、その町の図書館などが資料を残してほしいと思います。本当にそこの図書館が持っていないのかはわかりませんが、そこに行けば何かあるのではと調べに行く人もいると思います。調布市立図書館の場合は映画のまち、映画の歴史があるわけだから、図書館としてもその歴史を残していきたい。

○ 私は図書館にひとつお礼を申し上げたい。前に、図書館に昔話の調べものをお願いして、調べていたものが載っているページに付せんが挟まっていて、ここまでしてくれるのか、図書館はありがたいと思いました。

● 中央図書館には「調査支援係」という利用者の調べもの専門の係がありますので、分館でわからなかったことを、さらに中央館で引き受けることもしています。ぜひいろいろ聞いてみてください。

○ 緑ケ丘図書館に思いがけない本が、新刊であった。時枝誠記の『国語学原論』。珍しいなと思って借りました。普通だと分館にはないような本なのに。

● 展示のために一時的に中央館の本を持ってきているという場合もあります。もちろん各分館が選定して購入したということもあります。

● 普段図書館を使っていて、ここがよくわからないといったところや、これからこうしてほしいなどのご希望はいかがでしょうか。

○ 予算は重々承知なのですが、例えば自分では処分してしまった専門書をもう一度読みたい、読む用事ができたという時に、図書館で購入してもらうということはできるのでしょうか。利用頻度は低いとは思うのですが。

● 例えば、調布市では持っていない本であっても、近隣自治体から借りるということもしています。専門書となると、おそらく都立図書館や県立図書館、大学図書館などから借りる場合があると思います。輸送の時間がかかるので、1週間単位で時間がかかると思います。また内容によっては、専門書でも買えるものは購入も検討します。

○ 千歳烏山の図書館も利用する。今はなくなってしまったが、利用者が不要になった本を置く棚があった。なかなか良い本があったりして持って帰っていた。そういう棚があれば、利用者が自由に置いて行って、必要な人は持って帰れるという流れになると思うの。

● 千歳烏山の図書館がその棚をやめた理由はわかりませんが、図書館としてやりにくい面は、どんな本を置かれるかわからない。「なぜこんな本を置いているのか」と問題になってしまうと困る部分があります。あとは量です。残った本を誰がどう処理するのか。置いた当人が残っているからと持って帰ってくれるわけではないと思います。後ろ向きの考えですが、図書館が処理するとなるとそれだけでも大変だと思います。調布市立図書館のリサイクルの話になりますが、リサイクル資料の中には除籍した本だけでなく、寄贈していただいた本で、選書基準としては所蔵してよい本だが、複本があるなどの理由で入れない本も出しています。

○ 千歳烏山の図書館では、年末に図書館の外でリサイクルの本を山のように並べて、持って行ってくださいということもしていた。良い本もあった。

○ 今は老いも若きも、パソコンに取り組む時間と、読書にかける時間とどちらが多いのでしょうか。

● 紙の本を読む時間と、タブレットやスマホで読む時間を比べると、もしかしたらタブレットで読むことに時間をかける人が多いかもしれません。

○ 私が感じるのは、活字を読む力が減ってきているのではないかと思います。

● 活字を読むことはタブレットでも同じですが、頭の構造は変わってくるかもしれませんね。「活字離れ」と20年前くらいから言われていますが、むしろ今の方が活字に触れているのではという話もあって、紙の本は持ち歩くことが大変だけど、タブレットなどはたくさん本が読めるから、昔よりも読んでいるのではという説もあります。ただ感覚ですが読み方は変わってきている気がします。

○ でも目には悪いでしょう。

● ブルーライトが目に悪いという話もありますが、反面文字の大きさを変えられるという点は読みやすいという意見もあります。

○ 調べものをしていて、教えてもらいたいことに出くわす時に、読書指導とか読書案内とか、そういうことに積極的になっていただきたい。

● 中央図書館のレファレンスカウンターでご相談いただければと思います。

○ そこにも行って相談したが、あまりいい返事をもらえなかった。

● 当時の状況がわからないが、調べられる範囲では図書館はお手伝いするし、調べ方の道筋も提供できます。ただ最後に調べるのはご本人であり、答えを見つけるのも本人。図書館の職員が何でもできるわけではないので、そこで他の所に行った方が早道ですよと申し上げることもあると思います。

○ 図書館50周年の時に「漱石の食卓」という講演会を聞きに行きました。なかなか良かった。ああいう事業をもっとやってほしい。

● だいたい年間10回くらい講演会は開いている。2月の楠まつりには集中的に講演会の企画があるので、広報を見ていただければと思います。

○ 中央図書館は雑誌コーナーがとても広くて、いろいろな雑誌が見られるところがとても良いと思っています。見やすいですし。

(6)副館長挨拶

今日は、師走に入って皆さまお忙しいところお越しいただきまして、ありがとうございました。また読書家の方々に来ていただき、そのお話を聞けてよかったと思っております。ぴゅー太の操作も、普段わからなければ職員に聞いていただければと思います。図書館は本を読む方たちに支えられてやってきております。3万冊くらいしか置けない分館ですが、職員は皆さまからのリクエストなどを見ながら、またこんな本を置いてみたいと考えながら、少ない書架を活かし館を運営しています。図書館全体でも、お役に立てればと思っておりますので、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。