平成23年度事業計画
1 基本的な運営方針
「子どもの読書活動の推進に関する法律」(平成13年法律第154号) や「文字・活字文化振興法」(平成17年法律第91号)、また、「これからの図書館像」(文部科学省の委嘱を受けた「これからの図書館の在り方検討協力者会議」作成 平成18年3月)なども含めて、市町村における図書館事業の整備・充実が国を挙げて奨励されている。
調布市では、かねてから中央図書館及び10分館からなる図書館システムを構築し、いつでも、どこでも、だれでも気軽に利用できる図書館を目指し活動している。市民の読書活動を推進し、様々な情報・資料の収集及び提供を行い、調査・研究の支援拠点であり続けること、また、地域に根ざした市民文化の創造に寄与するため、図書館協議会やボランティア活動等、市民の参加と協働を得て、積極的な図書館活動を展開することを基本方針としている。また、「調布市教育プラン」において“生涯にわたって自己実現を目指す機会を提供”することなど5つの基本方針を設定している。これらの方針のもと調布市立図書館開館45年を迎える平成23年度は、次の取組を行う。
- (1) 中長期の図書館運営体制の検討
経験を積んだ職員の退職による減少が続く一方で、若手の職員配置が続き、知識・経験の継承が喫緊の課題となっている。地域の生涯学習や情報の拠点である図書館として、利用状況の分析、サービスや業務の見直しを行い、10年後を見据えた運営体制を検討する。併せて、平成 20年度にまとめた事務事業側面評価に係る調査研究の内容を踏まえ、職員及び専門嘱託員の適正な配置を検討する。
- (2) 調査支援サービスの充実 (「教育プラン」主要事業79)
市民の学習・調査活動への人的な個別支援に加えて、資料別の利用案内やオンライン・データベースの利用案内など、市民が自分で資料や情報を探すための環境整備を行う。また、地域資料及び映画資料の収集・整理・保存体制の確立を図り、資料提供、展示活動の充実を図る。
- (3) 今後に向けた児童サービス体制の確立 (「教育プラン」主要事業68)
児童サービスの推進及び継続を図るため、担い手としての職員の育成を最重点課題とするとともに、市内の学校教育機関、健康推進課、その他の関連機関との連携を促進し、子どもの読書環境の向上を図る。平成18年4月に策定した「調布市子ども読書活動推進計画」の改訂に取り組む。
- (4) 図書館資料の収集方針の見直しと保存計画の策定 (「教育プラン」主要事業77)
22万市民の“知る、学ぶ場としての図書館”として、時代を超えた蔵書の構築を目指し、収集方針の改定を行う。また、40余年の調布市立図書館の歴史に根ざした資料の保存場所を確保するとともに、多摩地域共同による資料保存について検討を進める。
- (5) ハンディキャップサービスの充実(「教育プラン」主要事業80、114)
録音図書のデジタル化を進める。また、音訳者養成講座(中級)を開催するとともに、著作権法改正により可能となったサービスの導入を検討し、情報発信する。高齢者等への宅配サービスの充実やPR活動を引き続き積極的に進める。
- (6) 市民の身近な図書館としての事業の充実
地域の公共施設、高齢者施設や各種団体へ向けて引き続き情報を発信するとともに、地域に係る情報・資料の収集・発信拠点としての機能の充実を図る。さらに、地域の特性に応じ、市民との連携を進める。
- (7) 分館施設の整備(「教育プラン」主要事業125)
分館施設の耐震化及び老朽化対策として行う深大寺分館の移転建替事業を着実に推進し、さらなるバリアフリー化について検討を進める。
- (8) 行政内部、各種団体・機関等との連携の推進
図書館職員の技能や図書館資料、調査支援機能などを活用し、行政内部及び各種団体等との連携・協力により、市民サービスの向上を図る。
2 事業概要
NO | 事業名 | 事業内容 |
---|---|---|
1 | 中長期の図書館運営体制 | ○ 生涯学習の拠点である図書館の効果的な運営方法の検討 ○ 職員及び専門嘱託員の適正配置の検討と人材の育成 |
2 | 調査支援サービス (「教育プラン」主要事業79) | ○ 資料別利用案内、オンライン・データベースの利用案内などのツールの作成 ○ レファレンス事例データベースの整備及び活用の推進 ○ ビジネス関連情報の提供 ○ 地域資料・映画資料の整理・保存体制の確立 |
3 | 児童サービス (「教育プラン」主要事業68) | ○ 児童サービスの担い手となる職員養成のための研修体制の確立 ○ 子どもの読書環境の向上に向けて、学校、健康推進課、関係機関等との連携の促進 |
4 | 図書館資料の収集・整理・保存 | ○ 収集方針及び選書体制の見直し並びに迅速な資料提供ができる体制の推進 ○ 資料保存計画の具体化 |
5 | ハンディキャップサービス (「教育プラン」主要事業80、114) | ○ 録音図書のデジタル化の促進 ○ 音訳者養成講座(中級)の開催 ○ 高齢者等への宅配サービスのPR活動 |
6 | 分館施設の整備 (「教育プラン」主要事業125) | ○ 新深大寺分館開館 ○ バリアフリー化の検討 |
7 | 地域情報化の拠点としての図書館活動 | ○ 図書館ホームページ活用の「市民の手によるまちの資料情報館」の内容の充実及び市民協力者との連携の強化 ○ 庁内地域資料連絡会の連携強化 ○ 地域に係る情報・資料の収集・発信拠点としての機能の充実 |
8 | 図書館ボランティア事業 | ○ ボランティア活動の推進(書架整理、資料修理、宅配等) ○ ボランティア通信の発行や交流会等を通しての活動の活性化 |
9 | 運営状況の評価 | ○ 図書館法第7条の3に規定する運営状況の評価に係る評価の実施 |
10 | 電算システムの更新 | ○ 電算システムの更新(平成23年10月) |