平成20年度事業計画

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1 方針

現在、「子どもの読書活動推進に関する法律」(平成13年12月12日制定)や「文字・活字文化振興法」(平成17年7月29日制定)、また、「これからの図書館像」(平成18年3月文部科学省の委嘱を受けた「これからの図書館の在り方検討協力者会議」作成)などにより、市町村における図書館事業の整備・充実が奨励されている。こうした中で、本市では中央図書館及び10分館からなる図書館システムにより、いつでも、どこでも、だれでも気軽に利用できる図書館を目指し、市民の読書活動の推進と様々な情報・資料の収集及び提供、そして調査・研究の支援拠点であり続けるとともに、地域に根ざした市民文化の創造に寄与するため、図書館協議会やボランティア活動等、市民の参加と協働を得て、積極的な図書館活動を展開することを基本方針としている。
この基本方針のもと、平成20年度は、調布市の図書館の着実な運営と充実した活動を目指して、次の取組を行う。

  • (1) 図書館運営体制の見直し

    団塊世代の職員の退職が始まるとともに、厳しい財政状況のなか、効率的な運営体制の構築が求められている。中央図書館運営の抜本的な見直しを行い、これに伴い専門嘱託員の適正な配置を検討するとともに、地域の生涯学習の拠点としての分館の運営方法についても検討する。 また、読書推進事業の今後の運営についても、生涯学習事業の視点から検討する。

  • (2) 調査支援サービスの充実

    オンライン・データベース活用に向けた積極的なPR活動を行い、市民の学習・調査活動への支援、地域資料の収集及び提供活動の推進、産業振興課との連携によるビジネスや仕事支援のための情報・資料の提供、映画資料の充実と展示活動の4点を中心に活動する。

  • (3) 今後に向けた児童サービス体制の確立

    「調布市子ども読書活動推進計画」に基づき、児童サービス推進及び継続を図るため、担い手としての職員の育成を最重点課題とするとともに、市内の学校教育機関、健康推進課、その他の関連機関との連携を促進し、子どもの読書環境の向上に努める。

  • (4) 視聴覚資料室の運営体制確立

    平成19年度に開室した視聴覚資料室の運営体制を確立するとともに、経年劣化した資料の買い換えを含めて、収集方針に沿った資料構築に着手する。

  • (5) 京王線沿線七市連携による相互利用の開始

    東京都市長会からの政策提言をきっかけに実現することになった京王線沿線七市(八王子、府中、調布、町田、日野、多摩、稲城)の図書館相互利用が開始される。利用状況の変化に留意しながら、対応を検討していく。

  • (6) 図書館資料の保存計画策定

    資料収集及び管理に係る課題は多いが、調布市立図書館全体としての資料保存の中期計画を策定する。

  • (7) ハンディキャップサービスの充実

    ハンディキャップサービスでは、劣化してしまうカセットテープによる音訳図書のデジタル化を進めるとともに、平成19年度から本格的に開始された「布の絵本」の作製を促進する。さらに作成者が減少している点訳者の養成を図り、点訳資料の作成体制を強化する。

  • (8) 地域とのつながりに留意した分館事業の実施

    地域の公共施設、高齢者施設や各種団体へ向けて情報・資料の活用を引き続き発信するとともに、地域に係る情報・資料の収集拠点としての役割も果たしていくことに留意する。

  • (9) 安全、安心に向けた施設整備

    平成18年度から取組を開始した分館建物の耐震化に、引き続き取り組み、利用者の安全を図る。

2 事業概要

NO 事業名 事業内容
図書館運営体制の再検討 ○ 中央図書館のカウンター及びフロア運営の抜本的な見直し
○ 専門嘱託員の適正配置の検討と人材の育成
○ 分館の効率的な運営方法の検討
○ 読書推進活動の運営体制の検討
図書館資料の提供及び保存 ○ 適切な選書の実施及び迅速な提供ができる体制の推進
○ 資料保存計画の作成
調査支援サービス ○ オンライン・データベース活用の積極的PR活動
○ レファレンス・データベースの整備

○ レファレンス・データ検索サービスの検討
児童サービス ○ 児童サービスの担い手となる職員養成のための研修体制の確立
○ 子どもの読書環境の向上に向けて、学校、健康推進課、関係機関等との連携の推進
ハンディキャップサービス ○ 点訳者養成講座の開催
○ 音訳資料のデイジー化の促進
○ 「布の絵本」作製の本格化
○ 高齢者等への宅配サービスのPR活動
視聴覚資料の収集及び提供 ○ 視聴覚資料室の運営体制の確立
○ 経年劣化した資料の買い換え
○ 収集方針に沿った資料構築の開始
京王線沿線七市連携の相互利用開始 ○ 利用状況の推移の把握
○ 業務量の変化への対応
市民との協働による地域情報化 ○ 市民協力者との連携の強化
○ 図書館ホームページ活用の「市民の手によるまちの資料情報館」の内容の充実
図書館ボランティア事業 ○ ボランティア通信の発行等を通して、ボランティアとのコミュニケーションを密にして、活動(書架整理、資料修理、資料整理、館内外の美化、宅配その他)の活性化を推進
○ 分館でのボランティア活動の推進
10 分館施設の耐震化 ○ 耐震補強工事の実施(国領、神代、宮の下、富士見分館)
○ 耐震補強設計の実施(深大寺、緑ケ丘、若葉分館)