平成23年度 調布市立図書館利用者懇談会(第2回)報告
- 1 日時:平成23年11月24日(木)午後2時から午後3時30分まで
- 2 会場:文化会館たづくり6階601会議室
- 3 テーマ:「暮らしの中に図書館を~本との出会い、人との出会い~」
- 4 参加者:調布市立図書館利用者9人、図書館職員9人
- 5 内容(要旨)
(1)館長挨拶
図書館利用者懇談会の第二回目を実施させていただく。利用者懇談会は平成13年からいろいろな市民の意見をうかがいながら、図書館活動を充実させるため実施している。よろしくお願いしたい。
(2)平成23年度事業計画・平成22年度事業報告
平成23年度図書館事業計画と平成22年度図書館事業報告を行う。
(3)参加者自己紹介
- ○調布市には10年ほど前に越してきて図書館はよく利用している。日常的には3年前くらいからアカデミー愛とぴあ主催の読書会の一つに参加している。
- ○前回の利用者懇談会にも参加した。中央図書館で書架の整理ボランティアをしているがこの席には利用者として参加している。他区や他県の友人の話を聞くと、図書館は貧弱のようだが、調布市の図書館は充実していてよいと宣伝している。
- ○普段は佐須分館を利用している。今日の午前中は中央図書館で書架整理ボランティアをした。佐須分館で気が付くことと中央図書館でボランティアをして気が付くことは違う。ボランティアとしてではなく、利用者として参加し意見を言わせていただきたい。
- ○アカデミー愛とぴあのお手伝いをしている。気持ちの上は充実しているが肉体的にはかなりハードな部分もあり、そろそろ身の引きどころかと思っている。
- ○アカデミー愛とぴあの役員をしているが前任者ほど働いていない。第一回の図書館ボランティアに応募し2年ほど働いたあと健康上の理由でボランティアを引退した。一番便利なのは自宅から蔵書検索でき、読みたい本がいつでも調べられる。関連の本があり、ないだろうと思われる本も所蔵していて、資料が充実していてありがたい。その話を友人にするといつでもうらやましがられる。調布市の図書館の蔵書は研究する場合にも使える。図書館の収蔵がありがたいと利用している。
- ○アカデミー愛とぴあの事務局で長くお世話になったが、今は本の虫になり、本が読めると思うとうれしくて朝から寝ていられない。富士見分館を使っている。パソコンで調べて本を探し予約するのにとても便利。資料は書架にあるだけと思い込んでいる人がいるが開架にあるのは全体の一部である。一日一回は図書館に行かないと忘れ物をしたような気になる。友人に調布市の図書館の話をすると、宅配サービスなどすごい別世界のようだと驚かれる。
- ○2004年のスタート以来図書館ボランティアをして、職員の方と顔見知りになり、言いたいことを申し上げている。毎週木曜日午後は図書館ボランティアをしている。
(4) 意見交換
○=利用者、●=図書館
- ●調布市の図書館を宣伝していただき、またありがたいお言葉を多くいただいた。ご意見をお願いしたい。
- ○菊野台に住んでいるので佐須・神代・国領の各分館を利用している。分館はこじんまりしていて探しやすく不便なく使えるが中央図書館は何とかならないか。ボランティアをしている時に利用者の方から本の場所を聞かれたが、慣れていない利用者は本がどこにあるかわからない。表示もあるがわかりにくい。旅行のガイドブックはこちらと案内表示をするなど、一般の方がわかりやすい方法を工夫してほしい。(長期休館中の後)書架がゆるくなり整理しやすくなったが、本が乱雑になるようになった。書架が乱れないよう、なにか(仕切り)板などを置くなどできないか。利用者が本を探しやすく書架整理もしやすい方法を考えてほしい。
- ○一番困るのが、どこになにがあるかわからないこと。図書館の入り口に本の場所がわかるものが大きく表示されていると、初めての人はわかりやすい。書架の横の表示は小さくて老人は見えない。大きく表示してほしいということを提案したい。
- ○漫画や写真集は利用者からとてもよく聞かれる。
- ●書架は分類番号のルールに基づいて並んでいるが利用者にはわかりにくい部分もある。表示については検討する。本が倒れないようブックスタンドなどを用意する。
- ○貸出して空いた棚に差し込み板を入れているところがあるが。
- ●多くの資料が動いているので差し込み板はできない。書架に余裕がある場所は表紙をみせて置くこともできる。震災後書架の上から2段目まで耐震用の滑り止めのシートを入れ、書架から本が落ちないようにしたが、書架を整理するのは大変になった。
- ○図書の充実には同感している。新聞の書評欄にある書籍の8割は入っている。特別な研究者でなければ、かなりの部分をこの図書館の蔵書で満足できる。市民の自発活動に支援していただいて感謝しているし、職員も大変親切で感謝している。ひとつだけ納得できないことがあるので確認・質問したい。雑誌のコピーについて。最新号のコピーは控えるよう表示しているが、最新号でなくなった時点で複写できると理解している。しかしすぐに貸出になり2~3箇月後にならないと借りられない。月刊誌であきらめざるをえなかった経験が何度もあるので雑誌のコピーはどういう方針で管理しているか聞きたい。 目録の統合計画について今後の計画をききたい。都内の統合目録があるとありがたいので現状と今後について聞きたい。
- ●雑誌の貸出は一般的に大学図書館などでは貸出しないところが多い。学術の図書館はそうだが、公共図書館は貸出してサービスするのが大きな方針なので理解してほしい。
- ○東京都内はすべてそうであるときいたが、なぜそういった方針をとっているのか。学術的な範疇に入ると私は想定しているので違和感がある。
- ●市民の方は逆に借りられないほうがおかしいという方のほうが多いと思う。 著作権法のなかで定期刊行物の複写について、図書館はコピーしていいが一定の制限、条件がある。最新号の雑誌は論文の半分以下というのが考え方である。雑誌は一定の期間が経過したら全文コピーしてよく、バックナンバーは全部コピーが認められるという考え方である。
- ○雑誌の貸出期間も図書と同じ2週間だが1週間にできないか。
- ●図書と雑誌の貸出期間を変えるのは利用者にとっても分かりにくく混乱させてしまう。雑誌の最新号のコピーも一部分ならできる。
- ○コピーの申請書は必要か。
- ●著作権法は、図書館が利用者の求めに応じて複写を提供するという考え方で、そのために申請書を書いていただいている。
- ○実態は管理していないところがある。実態と合っていない。
- ●調布市立図書館は比較的守っていただいている。統合目録は冊子体は無理だが、都立図書館の横断検索システムで都内の図書館の横断検索ができる。
- ○コピーを利用しているが、申請書を出さない方が多い。コピーは申請するのが当然で、もっと宣伝していいのではないか。
- ●申請書の提出はコピー機の場所に掲示している。申請することを気づかない方もいるのではないか。コピー問題は難しい。
- ○雑誌の複写については絶望的になっている。
- ●ご面倒ですが最新号に予約をかけていただけると早めに貸出することができる。
- ○最新号とは次の刊号が出るまでか。つぎの号が出ても1箇月くらい貸出停止にしたらどうか。コピーの問題は解決できる。
- ●雑誌の管理をどうするかという問題になる。中央図書館だけでも400誌ほどがあり、あまり管理を細かくするのは難しい。
- ●雑誌の予約は発売日当日朝9時から受け付けているが、時間を競ったように予約が入る現実があり、貸出を1箇月遅らせるのは難しい。
- ○2箇月過ぎたら借りられることを利用者が認識すればできると思う。
- ●調布市の図書館としては最新号のコピーの一部分はできるが、雑誌論文の全面コピーはできない。一つの記事の一部分はコピー可能である。
- ○雑誌のコピーはネット時代にどこまであっているのだろうか。
- ●著作権の権利者側はかなり図書館に対して厳しくなっている。図書館でのコピーを認めていない、制限を厳しくしたいという実態もある。
- ○著作権を敵対視するつもりはない。今の調布市の方針は隔靴掻痒たるもの。 できればお願いしたいと思っている。
- ●遅れてきた参加者から自己紹介をいただきたい。
- ○深大寺分館の太陽電池の発電量がわかりやすいように提案し、CO2削減や天候、気温も入れるように改善してもらった。
- ●太陽光発電は深大寺分館に設置している。環境教育のため、そのデータがスクリーンで見られるようにし、プリントアウトして提供している。CO2削減 電力需要などを発表していくと市民の皆さんが考えるきっかけになる。
- ○図書館で所蔵している木綿に関する本の内容に問題がある。地名の由来を連想させる本ならば棚に置かないでほしい。調布市の通史のなかで、たづくりという地名が誤りであることを知識として知らせる活動をしている。
- ●調布という漢字にたづくり、てづくりと読みをつけることがあり、郷土博物館が出したリーフレットにそうした表記があるが、たづくりと書くのはあやまりであると主張されている。図書館ではたづくりと表記のある資料は紹介しないようにという要求をされている。本日この場ではこの話はしないため、機会をあらためたい。
- ○孫引きで書かれるケースが多いので見逃してはいけない。
- ○この話は利用者懇談会の話と外れているため、打ち切ってほしい。市長と話してほしい。図書館の利用者懇談会本来の路線にもどってほしい。
- ○図書館大会が調布市であり、市民のなかの図書館というテーマがあったが、どんな内容だったか教えてほしい。
- ●全国図書館大会は毎年行われていて今年は97回目である。戦争中で中止した以外は明治時代から続いている。市民の図書館という考え方は昭和40年から続いている図書館の運動の考え方。東京学芸大学の山口源治郎先生の市民と図書館はどうかかわってきたのか問題提起があり、事例として日野市立図書館の報告があった。日野市の図書館は市民とどうかかわってきたのか、市政図書室は日野市の情勢など市民が町を知る材料を提供している、市民が日野宿の活動を始めたのも図書館がきっかけだった、そういった事例が報告された。図書館は本を用意して待っているだけでなく、市民の活動に図書館がかかわっていくことも大事だという報告であった。
- ○日野市は図書館職員の人数は多いのか。
- ●多いわけではなく、職員と市民が力を合わせることで活動をしている。
- ○本を予約するとき電話で連絡をもらっているが、回数もたいへん多くお金がかかっているのではないかと心配している。
- ●年間60万件の予約があり、そのうち電話での連絡は減ってきている。人手もかかるため電話連絡は減らすようにお願いしている。インターネットから予約する場合は電話連絡を選択できず、メール連絡と連絡不要のみとなっている。電話連絡も遠慮しないでいただきたい。
- ●いろいろな話をさせていただいてよかった。理解することと納得することは違うので今後も知恵を貸していただいて考えていきたい。ありがとうございました。
- ●これをもって終了とする。ありがとうございました。ご希望の方に地下書庫の見学をする。