平成23年度 ハンディキャップサービス利用者懇談会事業報告

1 日時

平成23年11月1日(火)10時から11時30分まで

2 場所

文化会館たづくり6階601・602会議室

3 出席者

利用者6人、音訳者8人、点訳者5人、図書館職員11人、社会教育指導員1人

4 懇談会内容

  • (1)館長挨拶要旨(開会)
    本日はご出席いただきありがとうございます。図書館のハンディキャップサービス(以下HS)は特別な仕事と捉えられがちだが、本の読むことの一手段として捉えている。日頃から、窓口や電話等でご意見をいただくが、図書館を利用する方々のフィードバックが大切であり、この場でもご意見をお聞かせいただきたい。 また、図書館は本を読む場所だけでなく、様々な情報を発信する場所でもある。何かお気づきの点があれば教えていただきたい。
  • (2) 利用状況についての報告
  • (3) サピエ図書館についての説明

5 利用者からのご意見・ご質問等要旨

○=利用者、●=図書館

【ハンディキャップサービス全般について】

  • ○図書館は、視覚障がい者にとって、なくてはならないサービスを提供していて、たくさんの知識を与えてくれる。
  • ○HS開設時から利用していて、図書館から離れられない。
  • ○日頃お世話になっていて感謝している。今後もよろしくお願いしたい。

 

【録音図書等について】

  • ○DAISYは簡単に聞くことができ、ありがたく使っている。音訳の声も素敵で、音訳者の相当な努力が感じられる。よりたくさん聞きたいが、やることが多く、多くの音訳図書に触れられないが、今後も聞いていきたい。
  • ○最近忙しく、録音図書は夜寝る前に聞く程度なので、2週間という貸出期間では聞くのが大変。もう少し忙しくなくなった時に、もっと聞きたい。
  • ○オカリナ通信は届いたらすぐに聞いて、情報をチェックする。視覚関係であったら、どのような情報でも掲載してほしい。新着図書案内も聞きたい図書があれば、今は聞けないので、タイトルだけテープに録音し、いつか聞きたいと考えている。
  • ○リクエストをしてから完成までをもう少し早くしていただけるとありがたい。
  • ○以前はリクエストしてよく作成してもらったが、最近はリクエストしてもなかなか作成してもらえないのが残念。
  • ○調布の録音図書は、利用者懇談会には参加したことがない仲間も、とても聞きやすいと言っていた。
  • ○他館の録音図書で、とても息苦しくて聞きづらいものがあった。息つく間もなく読んでいると息苦しくなる。内容も難しい本だったので、やはり間をとって読んでいただくと分かりやすい。一本調子だと聞きづらい。読んでいる方も理解しているのかと思ってしまう。調布市の音訳者の方は教養があって聞きやすい。
  • ○他館の録音図書の中には、聞きづらいものがある。DAISYでは階層が浅いと、聞きづらい。
  • ○他館の録音図書で、とても聞きにくい録音図書があった。読み手が気持ちよく朗読すると、聞き手にとっても気持ちよい録音図書になる。調布市立図書館の録音図書で聞きにくかった録音図書は一冊もない。
  • ○調布市の音訳者は勉強しているのが分かる。調布市のように一人一人しっかりと勉強している図書館は少ないと思う。だから調布市の録音図書は安心して借りられる。
  • ○対面朗読を週2回ほど利用していて、とても感謝している。最近はファッション雑誌の音訳をしていただき、面白い知識を得ている。今後もよろしくお願いしたい。
  • ○リンクポケットを購入し気軽に聞けることを期待しているが、機能が多すぎて、使いこなせていない。
  • ○サピエは以前から使用しているがDAISY再生機ではなく、らくらくホンで聞いている。
  • ○サピエで検索してない場合、インターネットでOCR依頼をしてデータをメールの添付ファイルで受け取り、PC-Talkerで聞くことが増えた。このため図書館を利用する機会が減った。

 

【点訳について】

  • ○日常生活にかかせない。例えば電気製品の説明書などをプライベート点訳してもらい、とても役に立っている。調布の技術はとても優れている。
  • ○点字版を30年ほど読んでいるが、以前は表紙に枠のような飾りがついていたり、レとレ下がりでタイトル表示になっていたり、文章が終わった余白部分にコタコタコタと打ってあった。(模様のようになる。)ビジュアル的にそのようなものを入れてもらうと分かりやすいのでお願いしたら、ルールにないと断られたことがある。ルールはないだろうが、読む側としてはあったほうがビジュアル的に分かりやすい。(点字本文とは違う構成方法についてのご意見)
  • ○点字については、飾り等がなく点字だけだと上下左右がわかりづらい。
  • ○点訳については、中点は同列という意味であり、なくても読めるが、原文に入っているのであれば入れたほうが分かりやすいと思う。英語も大文字か小文字がわかった方が分かりやすい。
  • ○(元点訳者より)以前点訳をやっていた際、読みやすくなるように点字で飾りをつけていた。しかしパソコンで点訳するようになった頃、利用者にとって邪魔で読みづらいという理由で文字だけになったと記憶している。
  • ●プライベート点訳でも、利用者から飾りは不要という意見が多く、飾りを外した。飾りをつけた点訳をご希望されるのであれば、今後検討していく。

 

【ご質問】

  • ○毎月オカリナ通信は何人に送っているのか。
  • ●変動はあるが、55人と1施設に郵送している。
  • ○声の市報はどこで作成しているか?テープの声の市報はボリュームを大きくしても聞こえにくい時や、同じボリュームで聞いていても急に大きくなることもある。テープそのものがよくないのか録音方法がよくないのか。
  • ●図書館ではなく市で作成している。ご意見を担当部署に伝えることは可能。
  • ○10月17日までの休館に伴いシステム変更があったが、ハンディキャプサービスでも変更はあったか。
  • ●HSもパソコンとソフトを入れ替えた。PC-Talker、ネットリーダー、マイデック、マイドック、マイニュースが使用できるようになった。使用しやすいように設定を調整中である。また、マルチメディアデイジー(音声に合わせ文字や絵が出るデイジー)を見るための機械としてiPadを購入した。調整中だが、使ってみたいという方はお声掛けください。

 

【欠席者(利用者)からのご意見】

  • ○調布市立図書館の質は高く、地方に住んでいる障がいがある人も調布市と同じようなサービスを受けられればいいと思う。
  • ○リクエストした録音図書は他館にあっても調布市で作成してほしい。
  • ○リクエストした録音図書は全て作成してほしい。
  • ○アンケートを実施し、作成録音図書を決定してほしい。
  • ○録音図書目録が分かりにくい。
  • ●対応できることから改善していく。
  • ○なぜ調布市で作成した録音図書がサピエに掲載されないのか。
  • ●来年度からホームページ上にある国会国立図書館の点字図書録音図書全国総合目録とサピエ図書館が横断検索できるようになる。
  • ○他館作成テープを調布市でDAISYにしてほしい。
  • ●テープ作成館にDAISYを作成しないか問合せをする。無理な場合調布市で作成するかを検討する。

 

6 音訳者・点訳者からのご意見要旨

  • 【点訳者】
    市議会だよりと福祉の窓を点訳している。埼玉から引越ししてきて、調布市での活動は4年目。点字を打つことが楽しい。点訳でお気付きのことがあれば教えて欲しい。どのような人が利用しているか気になる。一方通行のような感じがして、寂しい。
  • 【点訳者】
    長年活動しているが、もっと努力していきたい。今後もよろしくお願いしたい。
  • 【点訳者】
    市報を担当している。4年目だが、なかなか思うように進まないこともある。遠慮なさらずご要望をいただきたい。
  • 【点訳者】
    市報を担当している。4年目で今までは夢中で打っていたが、改めて難しさを認識した。ご意見をいただきたい。今後も頑張っていきたい。
  • 【点訳者】
    市報、健康カレンダーを点訳している。10年ほど活動しているが、難しいところがある。(中点の入れ方等)また、点訳をするようになってから今までいかに文字を飛ばして文字を読んでいたということに気がついた。辞書で読みを調べながら一所懸命点訳をしている。今後もよろしくお願いしたい。
  • 【点訳者・ご質問】
    ○市報しか点訳していないが、この中で市報を点字でお読みになっている方はいらっしゃるか。ご意見を伺いたい。
  • ●今日はいらっしゃらない。
  • ○仲間で読んでいる人がいるので機会があったら聞いておく。
  • 【音訳者】
    長く活動しているが、聞き手の立場に立っての音訳が難しいことを痛感した。聞き手の方に楽しんでもらえるよう配慮できるようになってきた。音訳の勉強会に参加するが、毎回発見がある。また、自分では読まないような分野の本も音訳するので、楽しんで挑戦できる。長く音訳を続けられたのは、切磋琢磨しあえる仲間がいたからである。未だテープ録音なので、辞めようかと迷うが、もう少し続けたいと思う。パソコンで録音は操作を覚えたら効率がよさそうだが、今の段階ではできていない。
  • 【音訳者】
    もっと早く音訳できるよう頑張りたい。耳に心地良いお褒めの言葉をちょうだいするが、改善したほうがいいところを教えていただきたい。
  • 【音訳者】
    DAISYの編集をしている。今月日野に引っ越すことになったが、編集は続けていく予定。頑張って続けていきたい。
  • 【音訳者】
    今年から対面朗読もしている。読めない漢字や英語の単語等すぐにお答えできないことがあると心苦しいが、色々なお話をしながら新聞記事や雑誌等を読む対面朗読の時間がとても楽しい。また、音訳はなるべく早く仕上げて届けたいと思う。スピードアップはもちろん、内容に関してもきちんとしたものをお届けしたい。
  • 【音訳者】
    何年ぶりかの出席になる。利用者の出席が減って少し寂しい。新しい音訳者も入ってきたので、楽しみになさってほしい。
  • 【音訳者】
    対面朗読もしている。スピードアップしたいが、なかなか進まず悩んでいる。口中音が気になり処理に時間がかかる。お聞きになってどう思っているか気になる。
  • 【音訳者】
    十何年か活動している。今日はみなさんのお話が聞けて嬉しい。他館の録音図書を聞くことがほとんどなく、よく分からない。自分なりに講習会等に参加して続けている。スピードアップを心がけて頑張っていきたい。
  • 【音訳者】
    利用者のお話を聞くことができるいい機会ので、参加した。よろしくお願いしたい。

7 その他報告

利用者が執筆された「お竹さんはいるかえ」が第6回深大寺短編恋愛小説「深大寺恋物語」の公募作品として調布市長賞を受賞し、市民文化祭で舞台上演されることになった。

8 最後に

【係長】

5年ぶりにHS担当になり利用者のお話を伺えてありがたかった。今日伺ったご意見は一部で、より多くのご意見があると思っている。

また録音図書はお一人のではなく、多くの人のリクエストを伺い順次提供していきたい。早くできるよう努力していく。褒めていただいた言葉は私たちの励みとして受けとり、よりよい音訳・点訳をしていきたい。

障がいは関係なく、利用者が何か調べたいと思った時に、「図書館に行ってみよう」と思っていただける図書館でありたいと思っている。

また、HSに寄せられるご要望は、プライベートなものになるのは当然と考えている。したがって、すぐに何でもできると申しあげられない。しかし、いただくご意見はしっかりと受けとり、できることは改善していきたい。職員・音訳者・点訳者と協力していく。長いご利用・ご協力をお願いしたい。

9 閉会挨拶

【副館長挨拶要旨】

本日はご出席いただきありがとうございます。またボランティアで音訳・点訳してくださる皆様にもこの場を借りてお礼申しあげたい。4月に異動してきて、今日お会いする人がほとんどだが、とてもいい関係を築けていると思っている。

日々向上できるよう努力はしているが、ご要望いただかないと分かりにくいこともあるので、どんな事でもご意見をお寄せいただきたい。全てご要望どおりに変更はできないかもしれないが、できるだけ改善していきたい。今後もよろしくお願いいたしたい。