平成22年度 調布市立図書館利用者懇談会(第1回)報告

  • 1 日時:平成22年11月10日(水)午後6時30分から午後8時まで
  • 2 会場:調布市立調和小学校ランチルーム
  • 3 テーマ:「私の図書館活用術~こう使っているこう使いたい」
  • 4 参加者:調布市立図書館利用者5人、図書館職員11人
  • 5 内容(要旨) 

(1)館長挨拶

図書館の利用者懇談会は平成13年から続けてきているが、昼間の実施が多かった。昨年の懇談会で夜の実施を提案されたので今年度はこの時間帯を設定させていただいた。日ごろ図書館をどのように使っているか教えていただきながら、もっとこうしたほうがいいのではないかということをお話いただけるとありがたいと思っている。

(2)参加者自己紹介

  • ○ 学校図書館司書をしている。
  • ○ 西つつじケ丘に住んで10年になる。図書館を我が家のように使っている。
  • ○ すぐ目の前の団地に10年住んでいる。ここは大変近いので頻繁に利用している。
  • ○ 調布市に来て10年を超えた。柴崎に住んでいて普段は佐須分館を利用している。今年から分館のボランティアをしている。
  • ○ 家族ともども家の近くの分館を利用している。図書館の事業と非常に関係のあるアカデミー愛とぴあという生涯学習団体の代表をしている。

(3)レポーターのお話 「私の図書館活用術」

  • ○(レポーターA) 私はピアノの演奏活動をしていて時々コンサートをやっている。お腹が大きい頃は図書館に通って育児の資料を集め、出産後も毎週のように絵本の読み聞かせをしてもらい、子どもが保育園に通っている間も読み聞かせをしてもらった。おかげで子どもも大の本好きになった。主人も本が大好きで週に1回必ず図書館に散歩に来ていろいろ本を見るというのが楽しみ。そういった面で調布市の図書館の環境はほかの地域にはないすばらしさだと思う。また他の図書館と比べると、20冊借りられるということは非常に恵まれていると改めて感じる。私はピアノの演奏をするにあたっていろいろな資料を集めることが必要になるが、海外の文芸作品、ロシアとかドイツの古典を読むことがある。図書館の海外文学を読み漁って、ドストエフスキーとかトルストイとかトーマス・マンなどから音楽のヒントをもらうこともあり随分助かっている。また昨年、体調が悪い時期があったが、どうやって生きていったらいいかというようなことを、いろいろな方の生き様の本を図書館で借りて読んで、皆、苦労して人生を生きているということもわかった。書店に行って1冊1冊買ってもいいが、それだとなかなか読み漁ることができない。図書館を利用してどんどん読んでいくことができるのは利用者としてはありがたい。体調が優れないときも本だったら読めた。気が落ち込んだとき本が安らぐ唯一の友達のようなときもあった。家族そろって本が好きと申し上げたが、主人はインターネットで予約をしたりということが好きで、いつも本を取り寄せたりしている。それをまた子どもがまねる。父親と一緒に今日は図書館にどういう本があるのかとやりとりする様子を見ていると、調布で暮らしてすごく自然に身についたことだと思う。本は私たちにとってかけがえのない食べ物のような日常生活の必須のものになっている。待ち合わせをしなくても図書館で会ったり、黙っていても時間があると図書館に行っていたり、家族がそれぞれ好きな時間に行って帰ってくるというような付き合いをしている。
  • ○(レポーターB) 市内の学校図書館司書をしている。学校図書館は公共図書館のように本を読む場所でもあると同時に教育の場でもあり、子ども自身が調べて学習する場所ということが公共図書館とは違う。今、調べ学習が非常に増えていて、例えば3年生がダイズのことについて調べるとなると、子どもたちは「ダイズ、ダイズ」といって学校図書館に来る。集まってきた子どもたちと一緒に本を探したり、探し方を教えたりするのも私の仕事である。学校図書室の蔵書も充実しつつあるが、足りないときは公共図書館からダイズの本を貸してもらうというような形で応援してもらっている。あと、調布市の公立小学校の3年生は全員、図書館に行って図書館の職員から図書館の使い方を説明してもらう授業がある。このように子どもに対して開いた形でいろいろ教えてくれるので行きやすいのか、子どもたちも公共図書館をたくさん使っているようだ。学級文庫用として各クラスに一箱ずつ本を借りることもある。「夏休みにすすめる本」のリストを作成して図書館と小学校で薦めるという連携もしている。 個人的な話では我が家もかなり図書館が好きな家族である。私が図書館に行くことが多いため、家族がインターネットで申し込んだ本を私が全部受け取りに行き、玄関に置かれた本は私が返している。毎月出される「新着図書案内」が好き。自分の興味のある本はインターネットで見るが、決まった分野になってしまう。「新着図書案内」はいろいろなジャンルの本が載っていて、タイトルが面白そうだからとりあえず借りてみるという使い方ができる。結果的に読めずに返却することもあるが、そういった使い方ができるのも公共図書館ならではだと思う。実際には「新着図書案内」掲載分よりはるかにたくさん買っていると思うが、どういう風に選んでリストを作るのかということにも興味がある。あと文化講演会で普段聞けないような方の話が聞けるのもいい。複数館を利用しているが、我が家には図書館はなくてはならないものとなっている。

(4) 意見交換

○=利用者、●=図書館

  • ● 図書館の活用ということでお話をいただき、ありがとうございました。図書館をどのようにお使いいただいているか、またこのようにしたらもっと使いやすいなど、自由にご発言いただきたい。
  • ○ 歩いて2、3分のところに家があるので、新聞で面白そうな本だとか人から聞いた話だとか、自分が関心のあることを知りたいと思ったら、図書館に駆け込んでいる。本好きでよく本を買ってしまうが、買った本は「積ん読」になっていて、経済的にもこれではまずいと思って、まずは図書館で読んでみようと思うようになった。面白くなければこんな本かと思って返す。自分の好みはだいたい決まっているので、「新着図書案内」ではなくて館内のインターネットで本を調べている。最近は視聴覚関係を借りている。人気のあるものは時間がかかることもあるが、非常に重宝している。この周辺に住む人は利用者が多いのではないか。調和分館は子どもたちの席が中央に2箇所あるが休みのときにはそれでは足りないくらいなので、もう1箇所あってもいいのではないか。おはなし室ももう少し広くてもいいと思う。書籍検索用が2台とインターネットが2台あるが、こっちがおたおた使っているのに、今の子どもは実にうまく検索しているのを見て感心している。学校にパソコンルームみたいなものがあって、学校で習っているので、今の子どもにはもっと使わせてあげてもいいと思う。大人のような悪い利用の仕方はしないだろう。学校で習ったものをすぐ友達同士で会話しながら使っているので、もっと台数が増えてもいい。中央図書館は4階5階と大変広いスペースだが、分館のようにこじんまりとしたスペースのほうが自分に向いていて、使いやすくてありがたい。
  • ● パソコンの台数という話が出たが、どうしても物理的制限がある。ご存知のようにこの建物は小学校の中に設計されていて、私たちが大きくしたいと思ってもなかなかそういうわけにいかない。あとは使い勝手を工夫するしかない。おはなし室にもあがることができ、子どもたちはお母さんやお父さんと一緒に本を読んだりしていると思うので、図書館のスペースとしてあそこも大いに使ってもらっていいと思う。
  • ○ 深大寺分館を新たに作っているということだが、図書館というひとつのパターンで考えるのではなくて、その地域で特性があってもいい。調和分館はPFIの形の第1期生だから、もっと特性を活かせたらと思う。小学校と図書館の上下をつなぐ階段が現在使われていない。こういう半永久的な施設を作るときには少なくとも3年、5年はきっちり見通す。1年もたたないうちに階段が使えないというのでは仕方がない。少なくとも5年先を見て、今は狭くても広いものを予測しておくとか、今は広いのが必要だと思っても、この先縮小しなくてはいけないというものは小さいスペースでもいいのではないか。それが先を見た計画性だと思う。
  • ● 調布市の中で神代団地というのは3番目くらいに古い団地だが、だんだん住んでいる方の家族構成が変わってきた。高度成長のときはたくさん人がいて子どもたちもたくさんいて、小学校がここと隣に分校みたいな感じであったのだが、だんだん子どもが減ってきて、統合されてこの調和小学校ができた。新校舎を設計したときにはおっしゃるように上下が行き来できるように作ってあった。そもそも図書館側は設置しないよう要望(注:図書館協議会の意見あり)していたが、とりあえず階段は作るという話になって階段ができた。ところが、池田小学校事件が起こったため、セキュリティの問題もあり階段を使えなくした。上下の行き来というのは、ひとつには図書館運営上いいのかということを考えなくてはいけないのと同時に、学校側としてはなんだかわからない人が先生の目をかいくぐって、いつの間にか学校に入ってこられたらたまらないということもあって、今は上も下も閉めている。
  • ○ この階段は一方通行であってもいいと思う。2階で子どもたちが検索していて、もうちょっと高度なものを調べたいなと思ったら階段を下りてきて調べる。子どもたちは使えるけれど、一般の人は使えない。ただし、どこで一般の人をおさえられるかという問題はあるとは思うが。
  • ● 調和小学校の最初の設計には門扉はなかった。つまり地域に開放して扉を作らなかったのだが、ちょうど建築が始まるころに、あの事件があって、急遽どこの学校も安全を、ということで塀がなかったところに塀を作って、監視カメラもつけてという体制になっていった。これは1回やってしまうと、なかなか社会がそれを後戻りさせられない。でも図書館訪問みたいな形で子どもたちが来るところをどのように作っていくかという話ができるのであれば、上下の行き来は可能かもしれない。結局は使い方だと思う。
  • ○ 私は調布市に移り住んで45年になる。調布の町は長く住み続けたい町。長く住んでいると地元のことを知りたくなる。例えば「佐須」という名前がどういういわれで起こったかといったことを調べたいときに図書館に行くといろいろ本がある。その地域のものはその地域の図書館に必ずあるので、是非伝えてほしい。マニアックな人もいるかもしれないが、われわれ市民の仕事としても調べてみたいと思う。どんどん発掘されて新しい情報が出てきても、普通の紙だと散逸してしまうので、いわゆる「図書」という形にして、図書館に保存されるといつまでも使うことができる。史談会という団体があるが、いわゆる大学の先生が書いたのではなく、一般の素人が書いたものでも、きちんと本にして保存して欲しいという希望がある。もう一つは、「映画のまち調布」といっているのだから、是非映画の資料に関しては日本一になってほしい。非常に関心を持っている。
  • ● 地域の資料は本当に大事なもので、今あるものをきちんと残していくだけではなく、いろいろな資料を発見し、新しくできたものがあればどんどん保存していきたいと思っている。ただ、なかなか新しい資料は出てくる量が少ない。本になるもの自体が少ないということがある。調布市では、納本制度といって基本的に市役所で出したものは全部図書館のほうに納めてもらって、図書館で必ず持っているという形にしているが、一般の方が書かれたものは、全部把握できていない可能性もある。そういうものをどこかで見たり聞いたりということがあったら、是非お知らせいただきたい。作った方に宣伝をしていただけると大変ありがたいと思う。本だけではなくチラシなども図書館に保存していて、例えば文化事業のものや様々なサークルのチラシなども保存している。これが何十年たったりすると、その時代にどういうことがその地域で行われていたかという貴重な資料にもなったりする。新聞の折り込み広告も調布市の物価がわかったり、どの時期にどういうお店ができたとかいうことがわかったりするので取っておく。本当に地域の情報は大事なので、皆さんの協力をいただいて、力を入れて集めていきたいと思っている。映画関係についても、専門図書館ではないので全部を集めるというわけにはいかないが、主に調布市に係わり合いのある日活とか大映中心に集めている。全部を集めるわけにはいかないといいながらもかなり力を入れているので、コレクションとしては他の図書館とは違う量と中身は持っている。調布市にお住まいの映画関係の方、監督とか舞台関係の美術の方などもいらっしゃるので、そういう方からシナリオやご自身の蔵書やパンフレット関係をいただいたり、本当に様々な資料が集まっている。本以外の資料も展示などで紹介していきたい。
  • ● 「映画資料を日本一に」はうれしい言葉だが、やはりフィルムセンターもあり日本一は難しい。調布の地域資料に関しては収集・保存とも日本一であるべきだし、調布市立図書館が国会図書館という意気込みでやっている。20年前の電話帳が出てきたとか古い地図が出てきたというようなときぜひ寄贈してほしいということを、時々市報などにも載せているが、そういうものが後世に調布を伝えるというのにとても大事なものになる。最近レファレンスのカウンターに出ていると、ご高齢の方で自分史を書く方がとても多い。誰もが覚えていたはずなのに、30年前にここにあったこのお店とかなかなか資料として残っていないので、調布の「ちょ」の字がつけばなんでもとっておくぐらいの勢いでやっている。ただそれが行政の目に届く範囲になってしまうので、市民の方も気がついたときなんでもくださると本当に助かる。映画についても、昭和30年代、かつて東洋のハリウッドといわれた「映画のまち調布」の部分と、今も映画の関係者がたくさん住んでいて、キンダーフィルムフェスティバルもやっている、調布映画祭もやっている、今これから新しい可能性を秘めた「映画のまち」というその二つのところで、産業振興課や文化振興課と連携していろいろな事業をやってきている。映画資料に関しても「ください」ばかりで申し訳ないが、映画館においてある無料のチラシなども大歓迎だし、昔ご覧になった映画のプログラムが家にたまってしまってそろそろ処分を考えるというときにもご寄贈いただけると大変助かる。なかなかお金で集められないようなものもあるのでよろしくお願いしたい。
  • ● 売っているものではないものも図書館は集めているというのが、本屋と違うところだと思う。その地域で必要なもの、地域の方が必要とされているものは、売っている、売っていないに関わらず、図書館としては集めていきたいと思っている。調布のことは調布で総力をあげてやっていくことだと思うので、地域の力を集めてやっていければと思っている。
  • ● 今、それぞれの分館で、それぞれの地域の周辺の地図を掲示している。その地域でなければわからないような情報、例えば電話ボックスはどこにあるかと聞かれたときにすぐ答えられるように、地域にいる職員がその地域をよく見て知って、地域の情報をなるべく落としこんで、利用者の方に提供できるような「地域を知る地図」というのを作っているところである。それも私たちが情報を集めて貼っておくだけではなく、利用者の方に情報を寄せていただいて、さらに発展させていくという意味で貼っているので、ぜひ情報があったらお寄せいただきたい。
  • ● 「図書館だより2010年秋号」に、「地域を知る地図」についてお知らせしている。図書館が地域の情報のコアになることが大事だろうということで、具体的行動としてそういうことに取り組んでいる。あとは本と情報が集まるというだけではなく、サロンのように人が集まるような活動というのも図書館として必要ではないかと思っている。もう一度「愛とぴあ」の話をしていただきたい。
  • ○ 「アカデミー愛とぴあ」という団体は図書館とものすごく関係がある。図書館ができて2年後くらいに前身である「調布ブッククラブ」ができ、自分たちで研究しようとか創作しようというサークルがたくさんできてきた。そういったつながりが40年間続いている。今は「アカデミー愛とぴあ」というボランティア活動でやっている市民団体だが、40サークルくらい入っている。先ほど講演会の話も出たが、毎年10くらい講演会をやっていて、そのほとんどの講師の謝礼は図書館の予算で賄われているし、それ以外に市民句会や市民歌会などの講師謝礼は愛とぴあの皆さんの会費から運営している。われわれ事務局はみんなボランティアなので謝礼は一切いただかず、会費は全て還元している。これは市民の方が支えてくれないと続かないし、これからますます発展させていきたいと思っている。私は代表をやってまだ2年弱だが、これだけのことをやっている団体は他の都市にあまりない。町のカルチャー教室と同じようなことを市民の力でやっているのはすばらしいこと。そこを行政が支援をしてくれている。だいたい他の町でやっている料金の半分か三分の一くらいでできるということで、ぜひ広く知っていただいて全市民に活用していただきたいと思っている。
  • ● 読書会は今あまりはやらないように感じるかもしれない。本は自分で読むものだという考えもあるが、もしお時間があれば一度試しに読書会に参加されるといいと思う。公開読書会を月に一度どこかしらでやっているが、いろんな読み方をしている人がいることがわかるし、そこで本を中心にしたいろいろな語らいもされる。図書館としては、本を中心とした人のつながりが大事だと思っている。そういう活動をしている方たちの集合体として「愛とぴあ」は40年やってきているし、活動している方たちをもっと広げていきたいと思っている。2月には「樟まつり」という催しをやるので、ぜひおいでいただいきたい。
  • ○ 私はあまり図書館とのつながりはなかった人間で、大学のころにちょっと入ったが就職してから定年を迎えるまで図書館に入った記憶はほとんどない。主に仕事関係の本を、買って読んでいた。定年になったとき、妻に触発されたこともあるが、家も狭いしどんどん買うお金もないしということで、図書館を利用するのが一番いいと思った。先ほど話に出ていた20冊貸出しというのは友人に驚かれる。またリクエストを出して断られた記憶がない。よっぽど俗悪なもの以外はOKなのだろうかと思う。ここ数年は乱読に近いような形になって、たまに自分で買った本はほとんど読んでいない。20冊借りられ、インターネットで申込みができ、調布市になければ他市なり東京都の図書館から借りていただけ、幅広くリクエストに応えていただいて大変ありがたい。ただたくさんリクエストするので、いっぺんに本の順番がくることがある。ずっと待っていて読みたかった本を6冊くらい抱えていて、パスすると次50番目とかになってしまう。あれはなんとかならないだろうか。例えば次の方にお譲りして、私は2週間後にまたそれが借りられるという身勝手なお願いがきいてもらえるかどうかというのがひとつある。それとサマータイムは1時間遅く閉館しているが、通年で週1日でも6時まで空いていると大変ありがたい。今年から調和分館で図書館ボランティアをしているが、職員の皆さんがものすごく忙しくて大変だと思う。もっとボランティアを増やしたらどうか。募集のときに各分館1人、2人しかボランティアをとらないとなっていたがよくわからない。ボランティアの説明会に行ったが、本に興味のある方や高齢者やリタイア組がたくさん来ていたので、もっとボランティアをいれると本の整理がよくなるのではないかと思った。
  • ● 図書館ボランティアは平成16年に始まった。その前からハンディキャップサービスとしては違った形の制度があったが、図書館の書架整理とか、宅配といってなかなか図書館に来られない人に本を届けるというボランティア、それをまとめて図書館ボランティア活動と位置づけている。中央図書館が中心になってはじめたが、分館でも少しずつボランティアを受け入れていくようになって、ようやく6館くらい受け入れている。なかなか一度に受けられないのは、事務室が狭いとか、書架間が狭く利用者同士がすれ違うのも難しいという事情がある。ボランティアの方に入っていただいてもなかなか書架整理をしてもらうことができない図書館もある。それでも少しずつ増えてきていると思っている。ご要望は担当に伝える。
  • ● 図書館として悩ましいのは「勝手にやってください」という話にはなかなかならないこと。現在、図書館ボランティアは50人くらい活動されているが、その方たちと担当がやりとりすることを思うと、やはり一定の数までが図書館として把握できる限界という部分もある。ご自分たちで一定の活動をするボランティアグループのようなものになってくると、違う展開もあるとは思うが、それはそれで運営するとなると大変だと思う。そこがどうしても広がらない、広げられないところだと思っている。
  • ● 図書館からボランティアに提供するだけではなく、ボランティアが自主的に、という発展ができないかということで、よその図書館ボランティアの活動を視察した。市川市の図書館ボランティアが非常に活躍しているので視察に行ったが、「私たちは調布市のボランティアがちょうどいい」とおっしゃる。どういうことかというと、生活の中で図書館ボランティアとしてそこまで負担がかかるとやりにくい。週2時間だけなら集中できてすごくいいが、それ以上はなかなか難しい。今ぐらいがちょうどいいとおっしゃる。無理にやってくださいというわけにもいかないが、立ち上がったときから比べると、形としては随分安定してきたという実感はある。
  • ● 4月に図書館に異動してきて、ボランティア面接をした。多くの方にボランティア登録していただき本当にありがたい。皆さんのように「退職したらボランティア」という気持ちになるかと自分自身に問いかけるが、やはり大変なことだと思う。他市のボランティアに関する情報が回ってきたときに、調布市とどこが違うのか、また調布市は何を改善しなくてはいけないか考える。ボランティアの方の声も伺いながら、双方が交流を持ちながら、ひとつの目的を達成するというところに喜びも出てくるだろう。職員自身もまだボランティアのことを考えるだけの土壌がきちんとできておらず、今すぐというわけにはいかないと思うが、調布市の行政としてボランティアをどう考えていくかというところをもっと職員同士が練っていかないといけないと思っている。今後はそれがひとつの大きな課題なので、皆様のご意見を参考にしながら進めていきたい。
  • ○ 職員の方が気を使ってくださるが、ボランティアをお客さん扱いしなくていいと思う。ボランティアは図書館の活動をお手伝いするというものだから、もっと使ってもらったらいい。
  • ● ボランティアミーティングというものがある。50人もの人が集まる機会はあまりないので、ぜひご参加いただきたい。
  • ● 予約の件だが、インターネットなどで情報が早くなり、1冊の本に予約が集中する。皆さん心待ちにされているのでなるべく早く回していきたいということもあり悩ましいところ。同タイトルを増やすにも限界がある。20冊予約できるので予約が増えるという方もいる。いろんな意見はあるが、やはり予約20件は必要かとも思う。
  • ● 予約のキャンセル後に途中に割り込ませる形で順番を動かすと不審に思う方もいる。予約がたくさんできるから本が回ってこないというのは果たして本当だろうかとも思うが、量が増えているのは間違いない。仕事としては絶対量が大きくなるので大変ではある。開館時間の問題もライフスタイルが関わってきている。
  • ○ 韓国人・中国人の方が目に留まるのだが、図書館を使っているだろうか。
  • ● 資料についていうと外国語図書はそれほど持っていない。特にアジア系の言語については中央図書館を中心に少しは持っているが、生活情報を発信できていない。コミュニケーションをとるのも難しい。日本語を学ぶために図書館に来ることはある。母国語に触れたいという気持ちに応えられるとよいが、現実はなかなかそうなっていない。
  • ○ 月に1回「こういう環境の人は来てください」という日があってもよい。
  • ● 利用者グループの固まりを作っていくことで、枠を広げられるということもある。「買物籠をさげて図書館へ」というのが調布市のキャッチフレーズ。身近なところに図書館があって、自分が行ったら本がある、ということを実現できるということが望ましい。
  • ○ いつも同じ本が同じところに並んでいる。もっと新しい本があってもいい。古いものが悪いとはいわないが、時々風通しよくしていただきたい。書架もぎちぎち。模様替えのようなことが必要か。他の図書館までは行けない人に新鮮な気持ちで書架を見られるようにしてほしい。
  • ● ご指摘のとおりで耳が痛い。利用してもらえるような書架作りは大切なことだと思っている。ただ変わっていないように見えても少しずつ変えてはいる。
  • ● 8パーセントくらいは入れ替えているが、2割くらい変わらないと目に留まらない。資料費の問題もある。分館間で本を入れ替えるより、展示で本を集めても面白い。
  • ○ 借りたいもののジャンルが決まっているので、私は逆に行ったところに思っていた本がないとあれっと思う。置き場が決まっているほうがうれしい。また古くなった本のリサイクルだが、他の国の学校に本を送るということをしているので、リサイクルにまわす絵本があったらいただけると助かる。
  • ● 絵本は傷みが激しく、なかなか市民リサイクルに出てこない現状である
  • ● 本日はありがとうございました。