平成21年度 ハンディキャップサービス利用者懇談会事業報告
1 日時
平成21年10月6日(火)10時から11時30分まで
2 場所
文化会館たづくり6階601・602会議室
3 出席者
利用者3人、音訳者12人、点訳者3人、図書館職員8人
4 懇談会内容
- (1)出席者紹介
- (2)館長挨拶要旨
調布市立図書館のハンディキャップサービスの実績は、全国的にも評価されている。これは、音訳者、点訳者の努力結果と思っている。 来年、2010年は「国民読書年」である。読書は人生を豊かにし創っていく。皆さんには、利用する立場、サポートをする立場として御協力をお願いしたい。 また、鉄道弘済会音訳者表彰で、調布の音訳者2人が表彰を受けた。日々の積み重ねによりこのような結果になったと思う。図書館から世界全体に向けて繋がっていければと思っているので、今後もよろしくお願いしたい。 - (2) 利用状況についての報告
- (3)DAISYワンポイントアドバイス
5 利用者からの御意見・御質問等要旨
○=利用者、●=図書館
- ○対面朗読を利用している。活字と縁がない生活だったが、それに代わる物に触れることができて生活が蘇った感じがしている。録音図書には、様々なジャンルの図書があるので、読みたいものを見つけたいと思っている。
- ○対面朗読のおかげで、教養をつけたり、社会の動きを知ることができたりしている。新着図書案内やオカリナ通信など、楽しい雰囲気で読んでくださるのでありがたい。 以前は朗読と言っていたのが、音訳と変わった。朗読と音訳の違いを教えていただきたい。
- ●「朗読」は、どちらかというと読み手が主体としてとらえた音声への変換作業を指す。一方「音訳」は、聞き手が主体であることを認識したもので、書かれていることを書かれているとおりに音声に置き換えること作業を指す。しかし、棒読みする訳ではなく、原文の内容を適切に伝えることを心がけている。
- ○オカリナ通信や、この利用者懇談会がきっかけで積極的に活動できるようになった。今後も、私たち視覚障害者にとって役立つ情報を知らせてほしい。
- ●図書館からのお知らせ以外に。利用者にとって生活に役立つ情報を知らせるようにしている。
- ○出席者が少なかったおかげで、音訳者・点訳者の生の声を聴くことができ、大変いい勉強になった。
- ○利用者が前に座り、後ろに音訳者、点訳者の皆さんが座っているが、きちんと皆さんのお顔を見て挨拶がしたい。この並び方を次回どうにかできないか。利用者の間に、音訳者と点訳者の皆さんが座ればいい。
- ●並び方については、来年に向けて検討させていただく。
- ○知り合いの視覚障害者で図書館を利用していない方がいるので、図書館の案内パンフレットがあれば、いただきたい。視覚障害者や障害者手帳を持っていなくても借りられるか。
- ●録音図書の貸出しは、本をそのままの形では読むことが難しい方に対して行っており、障害者手帳を持っているか、視覚障害者であるかは登録の要件となっていない。
6 音訳者・点訳者からの御意見要旨
○=利用者、●=音訳者・点訳者
- ●朗読と音訳の違いについて。読んで理解できない方のために音声で伝えるということが点訳に対して音訳ではないかと理解している。正しく音に変換して伝えることができればいいのではと思っている。 録音する側としては、朗読も音訳も違わないのではと思う。 利用者の方に伺いたいことは、同音異義語などに説明を加える場合、どの程度説明をすればわかり易いかということだ。
- ○音訳は、辞書によると「視覚障害者のために文字を音声化して伝えること」とあるが、個人的には、事務的なものを読むときと文学作品を読むときで、読み方を変えてもらいたいと思っている。間を上手に取った、聞き手が理解できるような読みがありがたい。
- ●いつまで続けられるかわからないができる限り続けたい。
- ●昨年から今年にかけて点訳者養成講座を行い、新しい方が増えたため、勉強のやり直しをしている。
- ●音訳に対して、極限まで感情を排除したものが点訳かと思う。音訳の便利な機能の紹介があったが、点訳ソフトは点訳する側に便利な機能はあるが、利用者にとっての便利な機能までに至っていないことに気付いた。
- ●利用者の反応が伝わってこないため、悩みながらやっている。率直なご意見があればぜひ聞かせてもらいたい。
- ●皆さんに、写真や図が出てきた時にどの程度説明すればよいのかわかり易いかをお伺いしたい。
- ○どういうところに載せられた写真かにもよるが、写真の説明により、文章がよりわかりやすくなる程度でいいのではないか。
- ●点訳に携わり、年数だけは長いが未だに迷いながらやっている。今後もよろしくお願いしたい。
- ●いただいた作品をあるがままに利用者にお渡ししたいと思っている。対面朗読は比較的自由に説明できるが、蔵書にする場合は正確さが求められるため、勉強会を開き、皆さんの意見を伺いながら音訳している。参考意見があれば教えてもらいたい。
- ●年数が経ってきており、皆さんのお話を聞いて、慣れてしまってはいけないということを戒めた。
- ●やはり悩みながらやっている。どんなことでもご意見をいただければ参考になるので、ぜひ声を聞かせてもらいたい
- ●漢字や写真の説明について。対面朗読ではその場で質問に答えられるが、蔵書の場合は簡潔にわかりやすいように説明する必要があり、悩みながらやっている。 また、利用者がどのように聞いているのか伝わってこないので、どんな小さな事でも聞かせていただければと思う。
- ●利用者の声を聞く機会がないので、この懇談会は重要な場となっている。これからも内容がわかる読みをしていきたい。
- ●朗読と音訳の違いについてだが、文学作品の場合は、表現が伝わるようにするのが朗読、内容が伝わるようにするのが音訳と思っている。対面朗読は正しく伝わるように読んでいるが、蔵書の場合はオーバーに感情表現を入れるといい朗読になるのではと思い、取り組んでいる。
7 閉会挨拶
蔵書にすると全国に貸出すので、それなりに質の良い物を提供したいと思っている。 調布市では、校正と最終チェックを厳しく行っているので心配ないと思うが、気が付く点があれば知らせてもらいたい。
これからの社会を考えると、ハンディキャップサービスは現在に増して大事になってくると思う。様々な生活があることを皆が理解していくことが大事なので、この懇談会を参考に説明したい。
- (1)係長挨拶要旨
- (2) 図書館長挨拶要旨