平成20年度 ハンディキャップサービス利用者懇談会事業報告

1 日時

平成20年11月11日(火)午前10時から午前11時30分まで

2 場所

文化会館たづくり9階研修室

3 出席者

利用者11人、音訳者13人、点訳者4人、図書館職員9人

4 懇談会内容

○=利用者、●=図書館

  • (1)館長挨拶要旨(開会)
    お忙しい中、ハンディキャップサービス利用者懇談会に御出席いただき、また日ごろから図書館事業にご協力いただき、感謝している。今年度は、鉄道弘済会の地区表彰を2年連続、調布の音訳者が受賞し、また、日本テレビ24時間テレビチャリティー委員会から障害者用機器5点が寄贈された。日本も高齢社会となり、ハンディキャップサービスもますます重要性を帯びてくる。今日は短い時間ではあるが、皆様に御意見をいただきたい。
  • (2)利用状況についての報告
  • (3)デイジーワンポイントアドバイス
  • (4)懇談会要旨
    • ○録音図書の冒頭に「本を読むことができない方のために」という説明がある。今後高齢社会になり、視覚にハンディがなくても文字が読みにくいという人の利用が増えるだろうから、「できない」ではなく「読むのが困難」という表現のほうがよいのではないか。
    • ●御意見感謝する。変更するかどうか話し合いをし、決定していきたい。
    • ○オカリナ通信DAISY版があることを知らなかったが、ワンポイントアドバイスを聞いたらとても簡単に聞けるようなので今後はオカリナ通信もDAISYで借りたい。
    • ○オカリナ通信(DAISY版)を他の図書と区別するために、ケースに何か印があるとわかりやすいかなと思う。
    • ●早急に実施いたしたい。
    • ○昨年の懇談会で希望した、録音図書の中での漢字の説明だが、最近はたくさん漢字を説明していただいているのでとてもありがたい。
    • ○本のジャンルについては、現代小説が少なく時代小説が多いように思うので、現代小説や他のジャンルのものもお願いしたい。
    • ●著作権などとの関係で、どうしても偏りがでてきてしまうが、今後は様々なジャンルのものを提供できるようにしていきたい。
    • ○調布の図書館の音訳者のレベルはとても高いと思う。
    • ○他館がつくった人気作家の作品を今読んでいるが、調布で読んでもらえないのが多い。読む本の数を増やしてほしい。
    • ●すべての本を調布で作成するのは難しいが、少しでも満足していただけるよう努めたい。
    • ○DAISYは持ち運びができないのが欠点。携帯式の再生機がでるといっても、また何万円かだして買わないといけない。充電式の電池もだんだん衰えてくると聞ける時間が短くなってくる。(メーカーに対して)いったん買ったら長く使えるようにしてほしい。
    • ○利用し始めてから10年くらいがたつが、その間ハンディキャップサービスもいろいろな部分で深みがでてきたような気がする。私も今はDAISYを使っているが、まだ機能を使いこなしていない。こういう場に来たことをきっかけに習得していきたいなと思っている。
    • ○対面朗読を分館でもやると言ってくださるがスペースがなく、なかなか難しい。対面朗読も家の近くで利用できるといいなあと思う。
    • ●ご要望があれば分館でも行うことができる。ただ、おはなし室や集会室を予約する都合上、早めに連絡をいただけるとありがたい。
    • ○中央図書館は何冊蔵書しているのか、ハンディキャップサービスでは年間に録音図書を何冊作成する予定なのか。視覚障害者になり全然ベストセラーの本を知らないので、知る方法を教えてほしい。ハンディキャップサービスでは目録を作成しているが、図書館の蔵書の目録は作っているのか。ハンディキャップサービスの録音図書目録について、本の内容がわからないから抄録、時代小説には「時」、短編小説には「短」という文字を入れてほしい。
    • ●中央図書館の蔵書数は約70万冊で、目録は作っていない。ベストセラーの本については、調布の図書館で今月の予約の多い本を今後はお知らせしていければと考える。ハンディキャップサービスで年間に作る図書は、100タイトルの作成を目指している。時代小説や短編の定義は難しく、録音図書目録に抄録や「時」「短」を入れると録音時間が長くなり、また冊子のほうでは文字が小さくなってしまうので、現在検討中である。
    • ○オカリナ通信の中で、視覚障害者にとって必要なことをもっとたくさん載せてもらえるとありがたい。
    • ●オカリナ通信に載せるお知らせは、図書館や市からのお知らせ以外は、皆様からの掲載のご依頼があるものがほとんどである。図書館としてもより充実した内容になるよう、情報収集をしていくが、皆様にも情報提供をぜひお願いしたい。
    • ○プレクストークの個別指導は友人と二人で参加は可能なのか。また調布市以外の世田谷や狛江の人は参加できるのか。
    • ●市立図書館なので、原則はやはり市民の方が対象となる。プレクストークの相談会には複数の方での参加は可能なのでお友達と一緒のご参加をお待ちしている。
    • ○調布駅が仮駅舎になる時に触地図を作っていただいてありがたかった。調布駅南口で9月末位まで「音と光の社会実験」を行うことになった。ご意見などあれば、街づくり推進課に言ってほしい。
    • ○行政の発刊するものの点訳は、図書館と行政が一体となって行ってほしい。ハンディキャップサービスに行けば、行政に行かなくても手に届くようになるといいなと思う。
    • ●墨字版と同時に、点訳版や音声版で市民向けのお知らせを発行することは、行政側が当然行うべきことであるが、残念ながら実施されていない場合がある。図書館からも担当部署に依頼するが、あわせて市民から担当部署へ連絡していただけると、行政への働きかけになる。
    • ○オカリナ通信の中でもデイジーワンポイントアドバイスのコーナーを設けてほしい。
    • ●お知らせの中で定期的にデイジーの操作説明はさせていただいているが、今後もさらに充実した内容で掲載していきたい。
    • ○朝散歩をしている時に、調布駅周辺で点字ブロックの上に立ってバス待ちされている人がいて、よけてもらえない。図書館から京王バスや京王電鉄のほうへ言ってもらえないか。
    • ●街づくりをしている部署を通して言わせていただく。
    • ○西村京太郎さんの作品が好きだが、男性の音訳者だと聞く気がしない。女性が読んだ本を探してほしい。
    • ●録音図書は全国から借りているため、様々な音訳者の読まれたものが手元に届くとは思う。合う、合わないもあると思うので読みづらければすぐに返却していただければ、再度、他の図書館に依頼する。
    • ○どうして調布はベストセラーを読まないのか。大沢在昌さんばかり読んでいる。なぜ西村京太郎さんは少ないのか。
    • ●ベストセラーを作らないわけではないが、人気のある作品は点字図書館のほうで先に作成を始めている。公共図書館は著作権の許諾が必要になるため、どうしても遅くなってしまうし、作成可能なものも限られてしまう。また、全国の図書館でなるべく違う作品を作り、より多くのタイトル数を作ろうというのがある。大沢在昌氏の録音図書が多いというのは、著作権一括許諾をくださっているため。時代小説が多いというのも著者の方にそういう方が多いということ。そういったことを含め、様々に考えながら今後も何を作成していくか決めていきたい。西村京太郎氏はテープの許諾は取れていたが、DAISYの許諾は得られていないため、新たに許諾を得なければいけない。

5 音訳者・点訳者からの御意見要旨

  • (1)音訳者
    今日はいろいろお話を伺いたくて、出席した。聞く方々も十人十色だろうし、読むほうも十人十色。いいものを読めるよう頑張りたい。
  • (2)点訳者
    お話を聞きながら、点訳を利用する人が少なくなり寂しいなと思いつつ、音訳者の方をうらやましく思った。図書館には、ハンディキャップサービス利用者が当たり前の情報を当たり前に取れるような環境整備をしていただきたい。当事者から要望が出なければその情報が取れないというのはちょっと違うのではないのかと思う。予算やハードの部分などでバリアがあると思うが、環境整備をお願いしたい。

6 閉会挨拶

1時間半という短い時間ではあったが、様々なご意見をいただき感謝している。今後のハンディキャップサービスの発展のためにいかしていければと思っている。