平成18年度 調布市立図書館利用者懇談会深大寺分館開催報告
- 1 日時:平成18年7月21日(金)午前10時から午前11時30分まで
- 2 会場:調布市立図書館深大寺分館集会室
- 3 参加者:調布市立図書館利用者10人、図書館職員4人
- 4 内容(要旨)
(1)館長挨拶
(2)平成18年度図書館事業計画・平成17年度図書館事業報告
平成18年度図書館事業計画・平成17年度図書館事業報告を行う。
(3)平成17年度懇談会の報告
(4)「調布市後期基本計画に係る図書館事業計画」について
(5)「図書館開館40周年記念事業」について
(6)意見交換
○=利用者、●=図書館
- ○行政が出す情報は、なかなか市民の目には入りません。どこからどんな情報が出ているのかを知りたいです。また地域資料で、薄い資料は背文字が大変見づらく、探しにくいので、背文字が読めるよう工夫してください。
- ●図書館は地域情報の拠点としての役割が求められています。図書館に置くことができるのは、公開された情報だけですが、市の情報が市報に載る際に、「各図書館で公開」などと書いてあるので参考にしてください。また、新しい地域情報のリストをつくるなどの工夫もしていきたいと考えています。
- ○聖書に興味があり、先日、図書館で本を探して読みました。その本は昔のベストセラーで、私にとって大変良い本でした。狭い図書館ですが、しっかりと選ばれた本が並び、その中で自分にとって良い本とめぐりあえたら素晴らしいと思います。古いという理由で、良い本が消えてしまったらさびしいので、古いものも図書館にはきちんと置いてほしいです。
- ●ご指摘のとおり、古い本も新しい本もある、というのが図書館です。他市の図書館では、ブックモービルで本を提供するなどの取り組みをしてきましたが、調布市では、「本のある場」を提供していきたいという考えで分館をつくってきました。「図書館に来れば何か良い本があるかも」と利用者の方が期待を持てるように、日々の本の選定や管理など、基本的な仕事が大切だとあらためて感じました。
- ○よく子どもと一緒に英語の本を楽しんでいるのですが、先日、高齢の自分の母親にも簡単な英語の本を見せたら、とても喜んでいました。こういった英語の本をもっと図書館に置いてもよいのではないかと思います。
- ○時事的に様々な話題が出ますが、一つの話題については、様々な立場の本があると思います。図書館は新刊をどのような基準で選んでいるのでしょうか。
- ●調布市立図書館には収集方針があります。基本的には、図書館は一つのことについて様々な考え方の本を集めます。反対、賛成両方の意見を入れ、特定のものだけを収集したり、また排除することはありません。そしてあらゆる外部からの圧力にも負けずに、本を収集していく、という姿勢で選定しています。
- ○中央図書館、深大寺分館ともに、辞書類は貸出できないものが多いと思います。このような資料は本屋に行っても既に買うことができないものばかりです。事業計画などに、高齢者や障害者に対する文言がありますが、このような立場の人でも専門的な辞書などを利用しやすくしてもらえないでしょうか。
- ●中央図書館では来館者が多く、いつでも誰でも見られるようにしておく必要がありますが、分館の場合はもう少し融通を利かせられます。事情を話していただければ、館内閲覧のみの本でも一晩だけ貸出すなどの対応ができますので、お気軽にご相談ください。
- ○調布市には100万冊の本があるということですが、インターネットで調べてもなかなかうまく本を探せません。冊子目録が一冊でもあれば良いと思います。
- ○足腰が弱ると、書架の最下段にある本を取るのは大変です。腰掛けを用意してください。
- ○以前に、図書館で借りた本を自転車のカゴに入れたものの、本がうまく納まらず、バランスを崩して転ぶ子どもの姿を見ました。図書館は子どもに本を貸す時は、ちゃんと持って帰ることができるのか、気をつけてください。
- ○都立図書館の蔵書が少なくなり、市町村に貸出をしてくれなくなっているということですが、市民も都民なのだから、市からも都に対してもっと声をあげてください。
- ●三多摩の館長協議会でも、市民も都民なのだから都の図書館政策をきちんと考えてほしいと、意見が出されています。
- ○資料「平成18年度調布市立図書館事業計画」に「市民の書斎」とありますが、社会も変化している中で、この「書斎」という言葉が引っかかるのですが。
- ○私は「書斎」という言葉は好きです。自分の家にごちゃごちゃと本があるより、図書館で本がきちんと整理されていると探しやすく、便利です。
- ○この言葉が指すのは、物理的なことではなく、感覚的なものではないでしょうか。「書斎」という言葉は身近な感じがして良いと思います。
- ●昔は書斎を持てる人は限られていました。時代は変わりましたが、市民の皆さんが共通で使えるという意味の「書斎」と考えていただければ、と思います。
- ○資料「調布市後期基本計画に係る図書館事業計画(案) 」に「分館網の整備」とありますが、この言葉の意味がよくわかりません。先ほど図書館側からの説明で「分館の統廃合はなくなった」と言っていたと思うのですが。
- ●この言葉は昭和41年に中央図書館ができた時に考えたものです。分館網の整備についての基本的な考え方は、半径800mに1館、人口2万人に1館、2小学校に1館の割合で、中央図書館だけでなく、市内全域に図書館をつくるというものでした。昭和57年に佐須分館が開館し、平成7年に新中央図書館ができたことで、中央図書館を中心に、各分館を通してどこでも同じように市民にサービスを提供する体制ができた、ということを意味しています。
- ○「今後複合施設を考慮に入れながら」ということですが、他の施設と複合化すると、分館の位置が変わることは避けられないと思います。大きな施設が建てられる土地に移され、「800mに1館」という基準が崩れるのではと危惧しています。
- ○調布市は、歩いて来られるところに図書館がある、ということが一番の魅力だと思います。私も子どもも、地元の図書館で育てられたと思っています。近隣の市と比べ、調布市の800mの距離に図書館があることは、子どもにとって幸せなことです。職員に相談すれば、色々な本を持ってきてくれるし、絶対に図書館をなくさないでほしいと思っています。
- ○開館時間の延長は分館の地域性を考えてほしいです。昨年度の懇談会の出席人数は深大寺が10名でトップ、逆に若葉や国領が2名だけですが、登録者は深大寺よりずっと多いです。これは若葉や国領は、利用者懇談会の設定時間には来られない人が多い、ということではないでしょうか。このような館の開館時間を延長するべきです。何でも一律に取り組むのではなく、よく検討してください。
- ○民営化の問題が気になります。図書館が民営化され、軽い内容の本ばかりになってしまったら困ります。また、都立図書館の問題も影響するのではないかと心配しています。子どものためにも、図書館では偏らず、平等に本を入れてほしいです。そのために、良い職員、司書を残してほしいと考えています。
- ○職員にとって、返却された本を元の場所に戻す作業が一番時間を割かれるのではないでしょうか。できれば、このような作業をボランティアとして手伝いたいです。その分、職員には専門的な仕事をしてもらえればと思います。
- ○予算縮小問題について、調布市は図書費を維持していきたいということですが、今後どうなるかはわかりません。このことについては利用している人の声のパワーが大きいと思います。いざ問題が目の前に迫った時に、間に合わせで対応しては手遅れになります。そのためには、懇談会も一つの機会ですし、それ以外でも利用者と図書館との関係を太いパイプでつなぐことが大事だと思います。
- ●年1回の利用者懇談会だけでなく、利用者との太いパイプ作りを考えていきたいと思います。
- ○図書館は本を通し、人と人をつなぐ場だと考えています。図書館に来て、一言二言でも誰かと言葉を交わすことで心が豊かになります。子どもだけでなく、親や家族に対する働きかけも大事です。例えばこの集会室を使って、子ども連れの親子や、そうではない他の人も、本について職員と話せる場があれば、ここから何かを発信することもできるのではないでしょうか。
- ○図書館は本と建物があればよいというわけではなく、人が介在しなければいけないと思います。しかし、こうして集まった利用者同士にも面識はなく、ある日突然、職員や嘱託員が変わってしまいます。人事政策で仕方がないことなのでしょうが、せめて、「異動しました」と掲示を貼り出すなど、もう少し考えてほしいです。