平成18年度 調布市立図書館利用者懇談会佐須分館開催報告

  • 1 日時:平成18年7月16日(日)午前10時から午前11時45分まで
  • 2 会場:調布市立図書館佐須分館第2事務
  • 3 参加者:調布市立図書館利用者10人、図書館職員4人
  • 4 内容(要旨) 

(1)館長挨拶

(2)平成18年度図書館事業計画・平成17年度図書館事業報告

平成18年度図書館事業計画・平成17年度図書館事業報告を行う。

(3)平成17年度懇談会の報告

(4)「調布市後期基本計画に係る図書館事業計画」について

(5)「図書館開館40周年記念事業」について

(6)意見交換  

○=利用者、●=図書館

  • ○地域の事を調べて、調べるだけでなく、発信もしていきたいと思っています。20年程前、図書館に寄贈したことがあるが、蔵書として受け入れてもらえませんでした。
  • ●旧中央図書館の時代で、まだ、ご寄贈資料の受入の体制が整ってなかった時代の事だと思いますが、大変申し訳ありませんでした。現在は、市内在住の方の著作物は、中央図書館で収集いたしております。今後、受入させていただきたいと思います。
  • ○佐須の名称の由来・祇園寺・カニ山などについては、小学生も調べ学習でテーマにしていますが、手ごろな資料が少ないように思います。一方で、郷土の歴史を調べていらっしゃる市民の方がいらっしゃるのであれば、是非、図書館に仲介してもらい、図書館資料として活用できるとよいと思います。
  • ○郷土史家の方をお招きした講演会を図書館で企画してもいいのではないでしょうか。
  • ○昨年度、行われた地域情報化のフォーラムなどにも参加したが、図書館の「地域情報化」への取り組みが、だんだん矮小化されていく傾向にあるのではないかと懸念しています。
  • ●図書館では、現在、「地域情報化」という取り組みをしています。郷土史研究家の方には、そのスタッフのひとりとしてご活躍いただけることを期待しております。
  • ○地域情報化の一環として、個人のパソコンの情報のバックアップサービスなども図書館でやれませんか。
  • ●個人情報の保護と言う観点から、現状でそこまでは難しいと思います。
  • ○子どもや、学生が、うるさい事があります。でも、一方で、子ども達も、グループ学習などで、本を見て相談しながらやりたい事もあるのではないかと思います。そのような会話もできる場所も図書館で提供してくれると双方円満にいくように思います。
  • ●佐須分館の場合は1階が児童館なので、おしゃべりする時は1階を案内しています。
  • ○図書館資料という公共のものの取り扱いのマナーの悪い人(汚損・紛失)が見受けられるのが、同じ利用する者として残念です。図書館で、本を丁寧に扱うように、利用マナーのキャンペーンをやったらよいのではないでしょうか。
  • ●市内の小学校3年生には、ガイダンスを行い、図書館の使い方のマナーについて、説明をしています。大人の方にも必要であると思いますので、図書館全体としてそのような会を開催したいと検討中です。
  • ○図書館の子ども室の椅子は幼児向サイズで、小学中学年以上になると小さすぎて座れません。
  • ○調べ学習の時は、相談しながら課題をやれる場所が欲しいです。
  • ○資料の充実以前の問題として、何かを自分で調べてみたい!という学習の基となる好奇心が今の子どもに欠けている気がしてそれが心配です。今、退職後の第2の人生を色々な研究活動にあてていらっしゃる方々を目の前にすると、余計今の子ども世代との違いを感じます。
  • ○今の子どもたちの本離れを感じます。知り合いの子どもたちに話を聞いても、ほとんど読まないとか、図書室には行かない、という子どもが高学年になるほど多いです。図書館の本はきれい事過ぎる気がします。もっと泥臭いもの(内容)でも良いのではないでしょうか。
  • ○今、読まなくても、必要に迫られれば読むようになると思います。定年まで、小学校の教員をしていましたが、担任をした子どもたちには、時間を作って読み聞かせをしていました。子どもたちは、おはなしを聞くのが大好きです。また3人の子どもを育てましたが、長男は、本が好きではありませんでした。でも、大人になると、自分の興味のある分野の本を手当たり次第読むようになりました。
  • ○子どもの活字離れが進んでいることを実感しています。きちんとした会話ができない。作文が書けない。英語教育云々以前に、日本語がしっかり読み書きできなくてどうするのか、その方が先決ではないかと思います。でも、考えてみると、自分も本を読んでいない。まず、大人が読書している姿を子どもに見せることも必要かなとも思います。
  • ○自分自身は、読んでもらうことは好きでしたが、「感想文」が嫌いで、本はあまり読みませんでした。でも、今読み聞かせをやってみて、子どもたちは、読んであげると自分でも読むようになるものだと感じています。
  • ○「読書の時間」に読むものも最初は、まんがでもよいと思います。図書館にもはらばいになって読むスペースがあるとよいと思います。
  • ○子どもたちに対して、読み聞かせのボランティアをしていますが、高学年でも驚く程よくおはなしを聞きます。また、湯本香樹実の「夏の庭」や重松清の「きみのともだち」といった本は、今の子どもたちが心を投影できるらしく、紹介するとよく読んでいました。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」や「杜子春」なども読むと考えたりするようです。読んで聞かせたり、本の紹介をしたり、こちらから働きかけをすると、今の子どもでも本を読むようになるのだなと実感しています。絵本版の芥川は、分館にあっても良いと思います。
  • ●私たちは、経験から、お子さんたちは、本を読んでもらうことが大好きだと思っています。高学年でも、こちらから紹介すると、本を手にとってくれるようになります。私たちは、「言葉の力」を信じて、日々仕事をしています。
  • ○3年生のガイダンス以外に6年生を対象にして、百科辞典の引き方、など、調べもののしかたなどの指導もしていただけるとありがたいです。
  • ●他の分館でも同じような依頼があり、6年生に本の調べ方のガイダンスとストーリーテリングを行い好評でした。ご希望があるようでしたら、ご相談ください。
  • ○現在の紀行文の展示では、いろいろな分野の本や、以前読んだ懐かしい古い本も集められていて、楽しんで読んでいます。
  • ○以前、茨木のり子さんが亡くなられた時の展示も良かったです。
  • ○今度は、食育をテーマにした展示をしてほしいです。
  • ●少し、わかりにくい場所ですが、展示を見ていただいて、ありがとうございます。これからも、何か展示のご希望がありましたら、参考にさせていただきますので、ご遠慮なくおっしゃってください。
  • ○市民対象の事業というと公民館を思い浮かべますが、佐須地域は、坂があったりして、公民館へのアクセスが不便な地域です。幸い、となりに「ふれあいの家」もあることだし、それを利用して、図書館で、図書館を利用していらっしゃる地域の郷土史家や、退職された先生などを招いて、地域について学んだり、子ども向けの催しをしてくれると良いですね。
  • ○厳しい財政状況でも、図書館費を減らさないようにする努力が必要ですが、その一環として、企業のCSR(corporate social responsibility)の対象に「図書館」を選んでもらえるよう働きかけるべきです。企業の社会的貢献と、図書館の財源補填という大変有意義な効果が得られます。図書館の40周年のイベントなどに、協力願ってみてはいかがですか。または、寄付を募ってそのお金で買った図書には、「○○文庫」など、寄贈企業名を冠して宣伝してあげる、など。
  • ○コンビニエンスストアのCSRの例としては、コンビニエンスストアについての論文を募集した、というものがありました。1位のコピーは、「子育て支援のコンビニ」でした。
  • ○調布の図書館のサービスが比較的行き届いているのは、市の直営だから、と思っています。一昨年、一度は見送りになった指定管理者制度の導入検討が再びなされる事もあろうかと思いますが、為政者の方々には、この点を留意していただきたいです。

(7)館長挨拶

本日は、貴重なご意見をたくさんいただきましてありがとうございました。 地域の郷土史研究家の方の研究が生かせる場を図書館が提供できたらと考えています。 また、行政資料の充実もさせていきたいと考えています。 図書館が介在する事により、眠っている(利用されにくい)資料の活性化が図れると良いと思います。 企業のCSRを図書館振興に活用するという、新鮮な発想をお寄せいただきありがとうございます。参考にさせていただきたいと思います。 食育に関しては、市としても取り組んでおりますので、図書館においても、このことを認識し、選書・展示などに生かしていきたいと考えています。 指定管理者に関しましては、今のところできる限り直営で、と考えています。多くの市町村では、職員の司書採用をしなくなっていますが調布市は、今年度も司書職員が2名採用されました。これからも、より良い運営に努めていきたいと思います。