平成17年度 調布市立図書館利用者懇談会中央図書館第1回開催報告

  • 1 日時:平成17年7月17日(日)午後2時から午後4時まで
  • 2 会場:文化会館たづくり大会議場
  • 3 参加者:調布市立図書館利用者42人、図書館職員
  • 4 内容(要旨) 

(1)館長挨拶

日頃、図書館をご利用いただき大変感謝しています。おかげさまで調布市の図書館は、多摩各市の中でもトップクラスの評価を受けています。現在、行政の中で様々な施策の変化があり、皆さまのご理解をいただくこともあるかと思います。財政難の観点から、図書館の運営を直営か民営かを選択するという流れも出てきています。本日は是非忌憚のない、前向きなご意見をいただき、建設的な話ができる場となるよう、よろしくお願いします。

(2)参加者自己紹介

(3)調布市立図書館の活動報告

(4)意見交換  

○=利用者、●=図書館

  • ○市民ボランティアの活動内容を知りたい。
  • ●ハンディキャップサービスに関わる点訳・音訳や宅配と、昨年からスタートした図書館ボランティアでは書架の整理や本の修理、データ入力などを含む資料の整理などをお願いしています。
  • ○昨年「絵本の読み聞かせ講座」に参加した。講座終了後は、自分も子どもたちに読み聞かせができると思っていたのだが、活動の場がない。
  • ●この講座は、地域のお母さん方のご要望があり、3年前からスタートしました。講座を受けた方は学校や保育園などで活動しています。しかし、そういった活動の場がない方に対して、活動場所を設定できるよう今後検討していきます。
  • ○昨年、電気通信大学の街創造塾に参加し、その中で浦安市立図書館の前館長の講義があった。それまでは図書館の役目は、本の貸出・返却や整理することだけだと思っていたが、もっと色々な活動をしているのだとびっくりした。
  • ●浦安市の前館長の常世田氏には昨年調布市にお越しいただき、市民向けと職員向けの両方でお話しいただきました。調布市でもビジネス・仕事支援として、オンラインデータベースの導入や、ビジネスに関する図書の展示など、少しずつ動き出しています。
  • ○最近の原油価格高騰について調べたのだが、このことについては統計が全くない。ようやく「石油情報センターREPORT」というパンフレットを見つけたのだが、私がよく利用している深大寺分館では、蔵書ではなく、リサイクルボックスに入っていたことがあった。また、中央図書館にも置いていなかった。図書館では図書として認知されていないということだ。電話すれば無料で配布される資料なのに、なぜ収集しないのか。
  • ●図書館には様々なパンフレット類が届きますが、その中から利用者の方に見ていただきたいものは、複数ある場合は、一部を図書館で閲覧用にし、ほかは市民リサイクル資料とすることもあります。薄いパンフレット類を蔵書として受け入れる場合は、有益な情報が載っているか、今後も発行され続けるのかなどを考えて判断する必要があります。また、統計類はホームページ上に最新の情報が出ていることも多くなっています。インターネット上の情報をプリントアウトしたものは、差し上げることはできませんが、図書館内でご覧いただくことはできます。「石油情報センターREPORT」については、中央図書館の参考図書室でご覧いただけるよう準備中です。
  • ○ボランティアは有償か。ボランティア同士が現場の問題点を協議したり、意見交換をする場はあるのか。
  • ●ハンディキャップサービスの音訳・点訳は有償です。書架整理や資料の入力作業などについては、無償で活動していただいています。年一回ボランティア交流会を開き、日ごろ考えていることや、ご要望を出していただき、意見交換の場としています。
  • ○指定管理者制度について、市報や本日配られた資料を読んでも、導入した場合のデメリットが書いていない。自分が調べたところ、住民への公的責任の後退や、図書館が将来有料化する可能性があり、それに対して議会のチェック機能もなくなるという。非常に不安を感じている。
  • ●図書館としては「直営に勝るものはない」という見解を政策室に示しています。しかし行政としては、限られた税金を有効に使い、市民の皆様にいかに還元していくかを考えなくてはなりません。したがって図書館だけに財源を使うことはできません。指定管理者を導入すべきという考えを持つ立場もあるだろうと思われます。「民間にできることは民間に」という流れも、客観的に受けとめていかなくてはならないと考えています。
  • ○この懇談会のように利用者が自由に参加して発言できる場があるのは、図書館くらいなのではないか。2月に行われた、前回の利用者懇談会にも参加したが、用意された資料が大変すばらしく感心した。市民の意見を受けとめてくださり、ありがたいと思うし、もっとこのような機会を増やしてほしい。 配布資料に嘱託職員は150人とあるが、正規職員は何人いるのか。正規の職員数が、外から見ている限りでは年々減っているように感じている。私は建物と本だけでは図書館と呼べないと考えている。専門的な知識を備えた職員の存在が不可欠で、熱心な職員がいたからこそ、これまでのような活動がしてこられたのではないか。10年ほど前に私の娘が小学校に通っていた頃、染地分館の司書の方が小学校に本をたくさん持ってきて、読書の楽しさを教えてくれた。しかしその翌年には司書が減らされたため、このような活動ができなくなってしまったと聞いた。 分館にはまだ司書が配置されているのだろうか。
  • ●現在、分館職員は2名で司書有資格者を配置しております。全館では正規職員は57名で、業務量の増加に伴い、10年前の新中央図書館の開館当時と比べて、2名ほど増員されています。また調布では当初から児童サービスに力を入れ、現在も市内小学校3年生を対象に図書館のガイダンスを行っています。新中央図書館が開館する際に、規模が大きくなったため、分館から職員を半分引き上げました。職員が1名だけになり、小学3年生以外の希望にそえない時もあったので、その頃のことをおっしゃっているのではないかと思われます。
  • ○私は図書館は直営しかありえないと考えている。今回市報を見ると、指定管理者制度の対象となる施設が40ほどあげられている。なぜ図書館が、小中学校や市庁舎のように、この対象から外されないのか疑問である。以前も民間委託の問題があったので、非常に不安を感じている。司書と市民が一緒になって、もっと声を上げていくべきだと思う。
  • ○経費削減により、司書が減らされるのであれば、図書館ボランティア等の応援団を活用してはどうか。
  • ○図書館は、市民グループ、ボランティア等、市民と一体となって活動していかなければ、いくら直営でも、現状維持しかできない。市民と一体となって活動できる場を考えていかなければならないと思う。
  • ○市民は自分たちの生活の場に図書館を活かし、前向きの姿勢で、図書館を育てるという気持ちをもたないといけない。図書館職員ひとりひとりが、市民と一緒に(図書館を)育てていけば、市民に図書館が根付くのではないか。
  • ○退職された方などで社会にいる有能な方をボランティアとしていけば、司書にも有効な影響を与えると思う。
  • ●先日も、70歳代男性から、調布の図書館で何かできることがあればお手伝いしたい、とおっしゃってくださる方がいました。そういう方がいらっしゃるということに、職員一同励まされており、今後もボランティアを発展させていきたいと考えております。
  • ○指定管理者導入の問題について他の社会教育施設(公民館など)と図書館との連携はどうなっているのか。
  • ●社会教育施設の運営形態については教育委員会全体の中での協議に基づき、それぞれの施設ごとに一定の見解を出しております。あくまでも、教育委員会を通じての見解であります。
  • ○昨年から、図書館ボランティアをしているが、図書館の状況についてのPRは不足していると感じる。ボランティアでインターネット上に掲示板を立ち上げ、意見を書き込んでいるが、図書館職員の方からの発言はほとんどない。市民に対しもっとPRをすれば、(図書館が)市民に役立つという認識をもってもらえるのではないか。具体的に、市民との懇談会でこんな意見が出た、ということをホームページで出してほしい。また、図書館が非常に役立っていること、こんなサービスをやってほしいという市民の意見を、ぜひホームページに載せてほしい。
  • ●ホームページへの掲載方法については発言者の個人名を掲載してもよろしいでしょうか。
  • ○他の図書館では、個人名は載せていない。
  • ○市長と市民の意見交換の議事録は個人名が載っている。このような形式にすればよいのではないか。
  • ○私人として発言したわけではなく、公的な場で、個人として発言したので、個人名を載せてよい。
  • ●懇談会で出されました意見については、要約をホームページに載せることを検討していきます。
  • ○嘱託員が150名ということだが、身分の保障はどうなっているのか。また、朝・昼・夜の勤務体制の中で、嘱託員が交流する場(意見交換の場)があるのか。図書館は地域のコミュニティの場である。このことも、子ども読書活動推進計画に載せてほしい。これからは、(図書館の)キャリアがある人がどんどん退職していくだろうから、特定の申請をし、何とか良い体制を保ってほしい。
  • ●正規職員の労働条件は法令等で定められています。嘱託員は短期の非常勤職員という身分であり、労働条件は労基法等で定められています。1年契約であり、業務になじまない場合は、1年で終わることもありますが、問題がなければ、労基法に基づきさらに1年更新できます。
  • ○このような会をもっと行ってほしい。それが図書館の後押しになると思う。
  • ●中央図書館、各10分館で利用者懇談会は毎年行っています。昨年中央図書館は2回行いましたが、今年度は2~3回できるように検討していきます。 子ども読書活動推進計画については、年内にご意見を寄せていただきたいのでよろしくお願いいたします。