読み聞かせをする大人の方へ
図書館では、館内のおはなし会の他、保育園や子ども関連施設から依頼を受け、絵本の読み聞かせや読み聞かせ等に関する講座を行うことがあります。そうした事業で保護者の方の話を伺うと、多くの方が絵本の読み聞かせをする際に共通する悩みや疑問をお持ちであることが分かりました。
こちらのページでは、図書館が蓄積してきた経験と知識を役立てていただけるよう、読み聞かせに関する情報をまとめています。
なぜ読み聞かせをするのでしょう
子どもたちは、絵本を読んでもらうことで、文字を読む負担なく絵本の世界をまるごと楽しむことができます。また、大人が子どもに本の扉を開くことで、子どもたちは、主人公と一緒におはなしの世界を体験できるような物語や、好奇心や探求心を広げる知識の本など多様な本と出会うことができます。子どもたちは、何度も「読んで読んで」とせがむような絵本に出会い、読書の楽しさを知っていきます。
さらに、絵本の読み聞かせによって、読み手と子どもは絵本の楽しさを分かち合い豊かな時間を過ごすことができます。大好きな人と絵本を介して喜びや驚きを共有した時間は、読んでくれた人の声とともに幸せな記憶として残ります。絵本を「読む」のではなく、子どもたちと楽しいひとときを「分かちあう」ための方法として、ぜひ読み聞かせの時間を設けてみてください。
絵本の選び方
読み聞かせする絵本を選ぶときの6つのポイントをご紹介します。
1 絵が語っている絵本
優れた絵本は、絵だけでストーリーを理解することができます。
赤ちゃんの場合は、視力が発達していないため、淡い色や細かな絵よりもはっきりした線や色使いのものを選びましょう。
2 リズミカルで簡潔、美しい文章の絵本
声に出して読んだときに言葉の響きやリズムが心地よいもの、聞いていて美しいと思える文章の絵本を読んであげてください。
赤ちゃんの場合は、音にもよく反応を見せてくれます。擬音語の絵本なども大変に喜んでくれることでしょう。
3 絵と文が一体になっている絵本
優れた絵本は、絵と文章が一体になっておはなしの世界をつくりあげています。
読み聞かせに向く絵本は、絵と文章の進行があっていて、おはなしの場面が変わると絵も変わる絵本です。
文と絵が一体となった絵本を選ぶことで、子どもはより深く絵本の世界に浸ることができます。
4 わくわくドキドキできるストーリーの絵本
子どもが絵本の主人公と同化してわくわくドキドキできるか、起承転結がはっきりしているかは重要です。
子どもは自分の知っているものや日常的な出来事を絵本で追体験し、自分の知識を確認することでもわくわくすることができます。
5 子どもに喜びを与える絵本
教訓を伝える内容ではなく、子どもに喜びを与える絵本を選んでください。
例えば、冒険に出かけた主人公がきちんと元の場所に戻ってくる、主人公の抱えている問題や課題が解消されるなど、納得できる結末を迎えることで、子どもたちは安心して物語を楽しむことができます。
6 絵がはっきりしていて遠目がきく本(集団へ向けて読み聞かせをする場合)
サイズが小さいもの、絵が細かいものや色が淡いものは、遠くから見えにくいことがあります。
手元でじっくり見たい本の場合は、家庭での読み聞かせで楽しむのがよいでしょう。
読み聞かせのポイント
読み聞かせを始める方へ
図書館では、対象年齢別のおすすめの本のリストや読み聞かせに役立つ冊子をご用意しています。また、市内の各図書館に児童サービスに携わる職員がいます。何かお困りのことがありましたら、図書館へお気軽にご相談ください。
絵本の読み聞かせについてもっと学びたい方は、調布市立図書館主催の「絵本の読み聞かせ講座」へご参加ください。図書館司書が読み聞かせのポイントや絵本の選び方をお伝えする全3回の連続講座です。毎年10月頃に実施しています。